ニッポンの海から山から。青森県 

青森県が開発したさくらんぼ「ジュノハート」。名の由来は、家庭の幸福を司るローマ神話の女神「JUNO」とハート形の見た目にあります。甘味の強い「紅秀峰」に大きな果実の「サミット」を配合し、誕生しました。つややかなルビー色をした大粒の実をほおばると、みずみずしく甘い香りが広がります。

「ジュノハート」は“幸運のさくらんぼ”とも呼ばれています。原木があった場所の近隣で山火事が発生。原木の3本手前まで炎が迫ってきたのですが、奇跡的に木は無事でした。そのため苗木を増やすことができ、県内で栽培できるようになったのです。

津軽半島の日本海側のつがる市にある砂丘地帯の屏風山は、県内屈指のメロン産地です。全国5位を誇る収穫量のうち7割以上が作付けされています。きめ細やかな果実はしっかりとした歯ごたえがあります。中でも最高等級品は糖度17度以上で選果され、甘くてジューシーな味わい。果汁も多く、芳醇な香りも楽しめます。

光沢ある漆黒の貝殻が美しいしじみです。東北地方最大の汽水湖では、ダメージを抑えた漁獲法を採用。傷もつきにくく、新鮮な状態が保たれています。4年の歳月をかけて成長したものを獲るため15㎜以上と大粒！濃厚な出汁と身をご賞味ください。

陸奥湾に面し下北半島の付け根に位置する野辺地町では、偏西風・ヤマセによって夏でも涼しく日照時間も少ない気候を活かした「野辺地葉つきこかぶ」の栽培が盛んです。薄くてやわらかな皮で覆われた実はフルーツのような甘さが特徴で、葉も美味。

淡水と海水が入り混じる小川原湖で育つうなぎは、胴回りの太さと脂ののりがピカイチです。天然の資源を守るために漁の期間は6〜9月までに限定され、40㎝以下のものは放流する決まりもあります。北限の漁場で獲れる稀有な一品をお見逃しなく。

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編集・文　松岡真子