2021.07.14 UP
<和豚(わとん)もちぶたロースかつ弁当> 1,145円 (税込)
【発売開始 2011年】
とんかつ専門店として関東圏中心に全国展開する〈とんかつ和幸〉。伊勢丹新宿店には、和幸グループの中でワンランク上の食材を用いる〈かつ工房和幸〉が2011年にオープンしました(※それ以前は〈さき亭〉として営業し、2011年のリニューアルで改名)。〈かつ工房和幸〉は、それまでレストラン業態のみでしたが、伊勢丹新宿店で初めてお弁当の提供を開始。これは、本館7階レストランフロアと本館地下1階の惣菜店を〈かつ工房和幸〉の連携で可能になりました。レストランで人気の味を、お弁当で。そんな経緯で販売されるようになったのが〈和豚もちぶたロースかつ弁当〉でした。同じ和幸グループのロースかつ弁当、他のとんかつ専門店のロースかつ弁当と何が違うのでしょう?お弁当を大解剖します。
① とんかつ 「和豚もちぶたを使用し、特製挽きたてパン粉で揚げる」
国産の銘柄豚、和豚もちぶたは保湿性が高く、冷めても美味しいのが特色。繊蜜に計算された配合飼料を与えることで脂の酸化を防ぐ作用があるビタミンEが豊富なお肉に仕上がるため保湿性が高いといわれています。
ビタミンEで保湿とは、女性のお肌の手入れみたいです。この保湿性が、冷めてもとんかつが美味しく食べられる秘密なのです。和豚もちぶたは、同店のブランドの中では 〈かつ工房和幸〉でのみ使用されている銘柄豚。全般的にはさっぱりした味わいですが、脂身にもほんのりと良い甘みがあります。
また、この和豚もちぶたを包むのが和幸独特のふわふわパン粉。これは、厨房内でいつも新鮮な生パン粉の挽き立てを使用するそうです。
和幸のパン粉といえば、大きく先の長いのが特長です。このパン粉が肉を覆い、これもまた保湿の一旦を担っているようです。和幸の営業担当 茂木亮太さんのお話によれば「存在感があり、花が咲いたようにふわっとなるパン粉」が同社の目指す形。花を咲かせるという、日本独特の感性を具現化したパン粉。海外のカツレツは細かい粉の衣が一般的なので、この毛足の長いインパクトあるパン粉は、海外の人々も虜にします。
②キャベツ 「冷蔵前にもう一度冷水でシャキッとさせる」
とんかつのお供として定番の千切りキャベツ。年間を通じて品質キープするため、国内4〜5箇所の生産者と契約。丸の状態でキャベツを店まで届け、必ず店内厨房でスライスします。千切りは、細すぎず、太すぎず。細ければ良いというものでもなく、程よい食感が出る太さに切ります。スライスしたら水洗いして、冷蔵する前にもう一度冷水で引き締める。この一手間でシャキシャキ感が変わるそうです。
③ごはん
お米は、自社のとんかつに合うものを選ぶため、毎年全国の複数の産地から取り寄せ、食べ比べした上で決定しています。ここ数年選ばれているのが、福島県会津産のコシヒカリ。寒暖差の大きい盆地、豊かな水で米どころとしてプロの評価の高いのが会津産米。ご飯だけで食べても美味しく、和幸のとんかつと合わせて食べるとさらに美味しく感じられる自慢のお米です。
④切昆布 「おかずの一つとしてご飯と一緒に」
きわめてシンプルな構成のお弁当ですが、意識していただきたいのが切昆布。箸休めというより、ご飯の美味しさを味わうための一つのおかずとして、白飯と一緒に味わっていただきたいとのこと。確かにご飯エリアで切昆布は存在感があります。
⑤ソース 「辛めのスパイシーが和幸らしさ」
ソースもまた、各社のとんかつへの考え方の違いが出るところ。甘めのソースも多い中、和幸は「いろいろな香辛料や野菜、果物の入ったソースですが、トータルな印象は辛めのスパイシー。酸味も少し効いていて、揚げ物と食べ飽きることなく合わせられるソースです」。
取材でお話を聞いた和幸の茂木さんに、ご自身の好きな食べ方、おすすめの食べ方を伺いました。まずとんかつ。どこから食べるのが良いのでしょうか?
「あくまでお好みですけれど、私は真ん中から行きますね。中心部は、一番肉質のバランスの良いところなんですよ」
とんかつとご飯は、別々に食べるのもありでしょうか?
「ご飯もソースも、とんかつと合わせた時に美味しさが最高潮になるようにしていますので、バラバラで食べるよりは、ご飯、かつ、ソース、マスタードを一緒に合わせて食べていただきたいです。そして口休めにキャベツを食べて、ご飯を味わいたくなったら切昆布と一緒に。そんな感じで食べると、最後まで美味しく食べていただけるのではないかと思います」
2011年発売のロングセラー弁当は、伊勢丹新宿店だけの販売。食べたことがある方も、ファンの方も、ご参考いただければと思います。
Text:ISETAN FOOD INDEX 編集部