“贅宅グルメ冷凍便”　料亭の味・冷凍弁当＆総菜

冷凍食品が味や見た目の負のイメージを払拭し、食卓の主役を飾る時代が到来。旬の味わいや季節の移ろいを料理で表現してきた料亭では、お店のクオリティを届けるため職人の技術と威信をかけた冷凍便開発が進められている。〈紫野和久傳〉のお弁当を手がける料理長に伺った。

「出来立ての味にこだわり、日持ちのしないお弁当やお鍋などを製造してきた工房では、冷凍食品を作るにあたりさまざまな試行錯誤を重ねました。食材の選定から、解凍時に食感を損なわない食材の切り方を研究し、調味も冷凍に合うバランスを追求。特にごはんは解凍時の品質維持がとても難しく、ベストな水分量や解凍方法が見つかるまで何度もテストし、冷凍後1週間、2週間、3週間、1カ月…と味わいの変化を徹底的に探り、品質に満足できるまで時間をかけました。自宅で過ごす時間が増えた今こそ、日々の食事で、暮らしを心地よく和ませることができればと考えています。時間のないときでもすぐに食べられて、そのおいしさでホッと心ほぐれるような商品を今後もお届けしていきたいです」

丹念に火入れし、ほんのりと赤みを残した自家製ローストビーフを、ほどよい酸味の黒寿司に重ねたちらし寿し。まろやかな食感にこだわった雲丹黄身醤油をからめ、柔らかな肉質との調和を味わって。

オーブンで焼いて香ばしさを引き出したスモークサーモンに、食感も楽しめる数の子や銀杏、むかご、とんぶりを合わせ、木々を彩る紅葉に見立ててお楽しみいただく贅宅な「まぜご飯」。

“冷凍便のおいしさ”が定着してきたいま、健康面も意識した冷凍便が注目を集めている。常温のものと比べて遜色ないおいしさで、１食あたりの塩分を１.８ｇ以下に抑えた冷凍弁当を開発した〈懐石料理 青山〉の池田社長に、お話を伺った。

「厚労省が推奨する１日の塩分摂取量は男性７.５ｇ未満、女性６.５ｇ未満であるのに対して、実際は男女ともに平均９ｇ超えとなかなか減塩できていません。そこで、イオン交換膜を組み込んだ高性能透析装置で通常の醤油から塩分とカリウムのみを抜き出し、醤油本来の旨み成分を凝縮した減塩醤油を採用。１食あたり塩分１.８ｇ以下に抑えた減塩弁当の開発に成功しました。塩分控えめの食事は味が物足りないというイメージを解消。旨みをしっかり感じられるうえ、日々食べ続けても飽きないおいしさを心がけました。例えば「銀鱈の煮つけ」は、解凍後とは思えぬふっくらとした身に、食べたお客さまが感動されて、リピーターが増え続けている人気商品です。今後も、全国どこでも、おいしく健康的な食をお届けしていきますので、減塩シリーズにご期待ください」

“おいしい”上に、減塩を叶えた、一歩先ゆく冷凍弁当をご紹介。家族の食卓にも安心！

1食の塩分を1.8g 以下に抑えるも、減塩とは思えぬ満足感がある、7種の冷凍弁当セッ

ト。100g と少量の雑穀米でカロリーも調節。

人気店のスターメニューが、バランスよく詰まった冷凍便セット。

カレー、ビリヤニ各2パック、タンドリーチキン2本50点限り

オリジナルマサラでマリネし、タンドール窯で焼き上げた骨付きタンドリーチキンと、カレー、ビリヤニを個包装にしたセット。

銀だら西京漬け、銀さけ熟成味噌漬け、銀さけ塩焼き、さばの文化干し、大山鶏西京漬け各1種/計5個

日本独自の発酵や伝統調味料によって魚や肉の旨みを引き出す〈醸す〉。定番の人気5種をストックして味わえる魅力的なセット。

写真： 福田喜一、和田裕也　

スタイリスト： chizu　

フード： 尾身奈美枝、石黒裕紀　

文： 藤井存希