【小川 糸さん新連載!】ときめく贈りもの。 第一章 イタリア料理が得意なM君へ。

2022.1.5 UP

あけましておめでとう。

お正月は、どう過ごしましたか? 

ぼちぼち仕事もスタートし、そろそろ日常モードになっている頃だと思います。

年末は、おじゃましました。

久しぶりに気心の知れた仲間たちと飲んで、食べて、語り合って、すっかり羽目を外しちゃいました。いつものことながら、M君のイタリアンの会は、最高です!

M君は料理の腕をまた一段と上げたね。お腹も心も、たっぷりと満たされました。

あの日は、何本のボトルがあいたのかしら?M君が、次から次へと秘蔵のイタリアワインを出してくれるので、スイスイ飲んじゃいました。あのメンバーで集まると、話に花が咲くので、ついつい時間が経つのを忘れてしまいます。至福のひとときをM君の手料理が盛り上げてくれました。

それにしても、イタリア料理って奥が深い。地域によって、がらりと内容が変わるね。なかでも、M君が最初の方に出してくれた根菜のカポナータには、度肝を抜かれました。野菜を煮込むだけでも、あんなにコクが出るなんて。びっくりしました。シャキシャキの歯ごたえも忘れられないです。また食べたいなぁ。

ほかにも、鰯とフィノキエットのブカトーニも初めての味だったし、デザートのカンノーロもブラーボでした。

寒い季節だから、南のシチリア料理を食べて温まろうというM君の粋な計らいに感謝です。しかも、どの料理にもシチリア産のお塩を使っていただなんて、M君の細部へのこだわり、さすが。いつか、みんなでシチリア島に行ってみたいね。

今度は我が家にもぜひと、言いたいところだけど、M君に料理を作るのは、ちょっとハードルが高いので、もう少し料理の腕を上げてから…。

いつもイタリアンの新しい魅力を教えてくれるM君にイタリア産の魚の瓶詰めを贈りますね。これは、おいしそう!と、思わず手にしたものです。

M君がこれらの食材を使ったら、どんな風に世界を広げてくれるのか、想像するだけでワクワク。きっと華麗なイタリア料理に変身させちゃうんだろうな。また、M君が作るイタリア料理の、更なる新しい扉が開きますように。

心に響く料理を作るには、まず自分の舌でそれを味わうことだって、M君はいつか話してくれたよね。

なるほどなぁ、って納得しました。

だからわたしも、まずはおいしい料理をいただくことから始めよう、と心に誓ったところです。

また、楽しい時間を共にしましょうね!

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地中海産クロマグロのオイル漬け(トロ)(イタリア製/170g)4,860円

チェターラ産アンチョビ(イタリア製/195g)3,240円

伊勢丹新宿店本館地下1階 プラ ド エピスリー

グラフィカルなパッケージが目を引く魚の瓶詰め。アマルフィ海岸で名高いイタリア南西部・カンパーニア州。風光明媚な港町のチェターラで水揚げされたカタクチイワシやマグロを漁師自らが加工。肉厚でぷりぷり食感のアンチョビと、エキストラバージンオリーブオイルに漬け込んだマグロの腹身の2種がある。

 

小川糸

おがわ・いと/作家。

2008年『食堂かたつむり』でデビュー。多くの作品が英語、中国語などに翻訳されている。近著は『とわの庭』(新潮社)。

文:小川糸 

写真:清水奈緒 

スタイリスト:野村奈央

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