2022.2.12 UP
20代からずっと仕事が忙しい毎日。デパ地下巡りもしてみたかったのですが、そういう楽しみが少ない人生でしたね(笑)」
冒頭からパンチあるコメントで始まったインタビュー。作家、脚本家、画家、映画監督など多くの顔を持つクリエイター・大宮エリーさんがチョイスしたのは、老舗〈なだ万〉お弁当でした。
〈なだ万厨房〉海老かつ弁当 1,458円
伊勢丹新宿店本館地下1階 旨の膳
主役は海老の食感にこだわり、ひとつひとつを丁寧に揚げた特製「海老かつ」。彩り豊かなお惣菜や、四季替わりの炊き込みごはんまでボリュームたっぷり。
※季節によって内容に一部変更がございます。
「〈なだ万〉との出合いも、悲しいかな出張で乗る新幹線でした(笑)。車内でパソコンを開く前にまずお弁当をいただくんです。そうすると多少寝不足で疲れていても、企画書ができていなくても、〈なだ万〉が気持ちを盛り上げてくれる。こういう隙間時間で遊ぶことが、私にとってすごく大事で」
そんな彼女だからこそ、伊勢丹新宿店の地下食品フロアには絶大な信頼を寄せている。
「行けば必ずいいものが置いてあるイメージ。最近は外食できない時期が続いたので、デパ地下で買ったお弁当を現場に差し入れることが増えました。そんな時に〈なだ万〉を出すと、みんなの『おおっ!』というテンションが!もしかすると、以前より地下の食品フロアにお世話になる機会が増えているかも」
ちなみに11ページの写真背景にあるのは、2019年にミラノで展示した絵。「伊勢丹の方がそれを見ていらしてお声がけいただき、2020年夏に東京ミッドタウンの『イセタンサローネ』で個展『My Favorite Resort』を開催しました。この展覧会のために急遽33枚もの絵を描き下ろしたのですが、すべてお嫁にいきました」
大宮さんがいきいきと描いたヴィヴィッドな旅の情景。中には「絵画を買うのは初」というお客さまもいたそう。
「最近、子どものためのことばとアートの学校を始めました。学校や塾で教えない地頭よくするクリエイティブなトレーニング。想像力って相手を思いやる力でもありますよね。全国の子どもたちがつながるのもいいことですよね。答えは一つじゃない。進路も可能性も無限大!そんなことを伝えたい。人間国宝の方やミシュランシェフも紹介し、子どもたちも刺激を受けていました」
人と人をアートや楽しいこと、面白いことでつなぎ続けるべく、今日もあちこちを駆けめぐる大宮さん。
「子どもたちとは月に3回Zoomを通して会ってはいますが、実際に会いに行けたらいいな。そして、オンライン学校の子どもたちとみんなでおいしいお弁当を持ってピクニックしたいんです」
さまざまな表現で人とつながる。
国内外で精力的に開催する絵画展が大好評。絵画制作は事務所の階下にあるアトリエで行う。
エッセイ『生きるコント』(文春文庫)などで知られる執筆業から、オンライン学校「こどもエリー学園」まで活動は多岐にわたる。
お弁当はアート等の制作現場でも重宝。傍に飾ってあるのはアクリル画「スリランカの夏休み」。
種類、色別に仕分けられた大量の画材。主にアクリル絵の具を使用する。
昨年始めたオンライン学校『こどもエリー学園』では、手紙の書き方や話の聞き方など、大宮さん独自の切り口から生まれる個性豊かな授業が全国各地で好評を博す。
ペインティングのための作業着。
ペインティングのための作業着。タンポポ、黄菖蒲、エキナセア……。知人からの贈り物であるハーブのチンキ。創作時のリフレッシュとして活用しているそう。
クリエイションが一段落するたびに追加するパワーストーンの一部。
セドナのシャスタ山、諏訪大社など国内外の聖地を撮影した写真集『SHASTA』と『SACRED SPACE』。
2021年9月より発売中の「大宮エリー15周年オリジナルフレーム切手」。
大宮エリー
作家・画家
1975年大阪生まれ。広告代理店勤務を経て、映画、舞台、CM、作詞など活動は多岐にわたる。2021年「こどもエリー学園」も開校。最新の活動は体験型アートオブジェ「お花の妖精 フラワーマン」を3月14日まで、大阪・梅田の「うめきた外庭 SQUARE」で展示している。
写真:太田隆生
取材・文:小堀真子