2022.3.4 UP
伊勢丹新宿店のある街、新宿から食の最先端、そして多様化するコミュニティの発信を目指す企画「新宿から未来へ」。同企画の一環で、伊勢丹新宿店社員が足繁く通う、魚料理が自慢の和食店<和味 りん>からは、着想より3年かけて完成した「凛とした八方だし」が2022年3月9日(水)より伊勢丹新宿店に登場します。
一家に1本常備すれば、おうちの和食率が大きくアップしそうです。おすすめの使い方を、開発者の<和味 りん>芳賀(はが)博康さんに教えていただきました。
〈和味 りん〉店主 芳賀(はが)博康さん
1973年生まれ。20歳から和食の世界へ。寿司、仕出し、割烹料理を学び2004年に〈和味 りん〉を開業。伊勢丹新宿店から至近距離の同店は、昼から神経じめの極上魚定食が食べられることで密かに話題です。社食的に愛用している伊勢丹社員は多数!
「もっとご家庭で和食を食べてほしい。和食が家庭で作られなくなってきているということに、和食の料理人として強い危機感を持っています」と<和味 りん>店主の芳賀博康さんは語ります。「和食というと、多くの方はその都度、昆布とかつおで出汁を取らなければいけないと考えるでしょう。私の店では、八方だしという店独自の万能出汁をまとめて取り、これを椀もの、蒸し物、煮物、ありとあらゆる料理に使います。なので、いちいち出汁をとることはしません。この八方だしをご家庭でも使えるようにしたら、和食を作るのが断然簡単になるはず。そんなことをずっと考えて試作して、ようやくできたのがこの八方だしです」。
〈和味 りん〉凛とした八方だし(500ml/1本)1,296円
砂糖、塩を使用せず、醤油、みりん、酒を独自配合した“素材の味を引き出す”万能だし。お子様からシニア世代まで、毎日健康的に和食を食べてほしいとの思いから生まれました。
八方だしとは“四方八方に使える万能だし”。元々日本料理店には、各店の八方だしがあります。各々の店で取るだしをベースに、醤油やみりん、酒などを独自配合し、さまざまな料理に使えるだし。今、ご家庭で万能に使われているといえば、麺つゆかと思います。
「麺つゆが悪いわけではありません。ただ、砂糖と醤油が決め手となっているので味が強い。結果、素材より麺つゆの味が勝ってしまう場合が多く、塩分も高くなりがちです。私は、毎日疲れずに食べられる味を推奨したい。それには、味をつけるのではなく、素材の味を引き出すことが重要です。私の店の八方だしは、名前の通り、凛とした味の骨格を作るために編み出した配合が要です」。
スープから煮物、ご飯まで幅広く使える「凛とした八方だし」の使い方を、今回3つのレシピで指南していただきました。
ごぼう、油揚げ、八方だしで完璧な味のバランスをとります。
鶏肉、ごぼう、にんじん、きのこ。素材の味がそれぞれくっきりとご飯の中で主張。油揚げが縁の下の力持ち的に全体に旨味とまとまりを与えています。
〈材料〉(2人分)
米 2合
鶏もも肉 200g
油揚げ 1/2枚
ささがきごぼう100g
にんじん 50g
きのこ(しめじなど) 100g
凛とした八方だし 50cc
水 400cc
〈作り方〉
お米は洗ってザルにあげ水切りする。肉、野菜を食べやすいサイズに切る。(野菜の長さは5cm目安)鶏肉は一口サイズ、ごぼうはささがき、にんじんは太めの千切り、油揚げはみじん切り。にんじんは事前にレンジで30秒程度加熱すると、臭みが抜けます。
水、八方だし、米、具材を炊飯器に入れて、普通のご飯モードで炊いたら出来上がりです。
(ポイント)油揚げは、できるだけ細かく切ります!
油揚げはまず1/2に切り、袋状の三辺に包丁を入れて割くように開きます。そして、できるだけ細くみじん切りに。食べた時、ご飯に馴染んで存在感がないぐらいが理想です。油揚げがよく出汁を吸い、ご飯全体に味が回ります。
魚は煮込まずにさっぱりと煮ます。煮汁もスープのようにいただけます。
砂糖を使わず、煮汁のクリアな味わいがじわじわ染みる煮魚。短時間で煮るので魚の身はふっくらと柔らか。魚卵との相性も抜群です。鱈、鯛などの切り身でもOK。
〈材料〉(2人分)
カレイ 2切れ
ごぼう 5cm (ごぼうは下記のように6等分に切ります)
凛とした八方だし 50cc
水 450cc
〈作り方〉
カレイの下処理をします。カレイの身に沸騰したお湯をかけ、霜ふらせます。
すぐに水に落として、皮の部分の滑りを取ります。
水と八方だし、カレイとごぼうを一緒に入れて強火で煮ます。
沸騰したら落とし蓋をして4〜5分中火で煮ます。
身に串をさしてすっと通ったら完成です。
(ポイント)魚のアクをしっかり取る。
材料が沸騰してしばらくすると、あくが出てくるので、これをすくいます。このひと手間で澄んだ煮汁になります。
野菜の食感が残るくらい短時間で仕上げます。
〈材料〉(2人分)
新玉ねぎ 1/2個
水菜 1/2把
油揚げ1/2枚
凛とした八方だし 50cc
水 350cc
<準備>
新玉ねぎは繊維に沿ってスライサーで1〜2mm程度、水菜は長さ5cm程度、油揚げは5mm程度の太さに切ります。新玉ねぎは生で食べてみて辛味があれば水にさらします。
〈作り方〉
水と八方だしを鍋に入れ、油揚げを入れて沸騰させます。
沸騰したら新たまねぎと水菜を加えます。
再沸騰したら味をみて火を止めます。味見して甘味が欲しければ最後に少し味醂を加えます。
<ポイント>
水と八方だしの割合は、具材の水分量により調整する。
<凛とした八方だし>を使った料理の基本は、水:八方だし=8:1の割合です。が、この料理のように新玉ねぎも水菜も水分が多い場合、7:1程度に調整します。
教えていただいた3品はどれも超絶簡単。「凛とした八方だし」があれば、出汁を取るという気持ちや時間から解放されて、多くの食卓で和食が増える予感がします。おまけに「実は洋食にも使えます」と芳賀さん。その場でオリーブオイルと「凛とした八方だし」を1:1で合わせ、トマトと和えてくださいましたが、これも普段の食卓に取り入れたい。一家に1本、可能性は無限に広がりそうです。
和味 りん
東京都新宿区新宿5-17-6 中田ビル 地下1階
電話03-3205-7252
営業時間 昼 11:30~14:30、夜 17:30~22:30
定休日 日
※営業日時、時間は事前に店舗にご確認下さい。
※状況により変更となる場合がございます。ご了承ください。
Text : FOOD INDEX編集部
Photo: Yu Nakaniwa