2022.05.27 UP
甘くかぐわしい香りと、とろけるような舌触り!1蔓に1玉だけ実らせる「一果相伝マスクメロン」。「年間で18000個ほどを育てます。若手を中心に20名が携わり、今春から三女も仲間に。生産に限らず、女性が活躍する場作りにも注力しています」(森岡さん)
青柚子のハウスでは爽やかなアロマが広がります。「山北地区で栽培が始まって約50年。培ってきた“信頼”も次に継ぎたいです」(別役さん)
「土佐あかうし」はコクとうまみのある赤身が特徴です。「放牧に適し、地域のワラも飼料として活用されています」(県職員・公文喜一さん)
「食感と余韻を重視した野菜作りに取り組んでいます」と話す熊澤さんによる生食の「スーパースイートコーン」も旬を迎え店頭に。期間中は甘さがピークを迎える未明に収穫。
400余年続く一本釣り漁の町では「鰹ソムリエ」の田中さんが腕を鳴らします。「火力の強い藁でサッと焼いた、あっさり・もっちりの初ガツオのたたきを届けるきね!」
無農薬栽培の果樹園で放し飼いされた鶏「土佐ジロー」の卵です。「濃厚でコクのある味わいと、黄身の盛り上がりが特長です」(一圓さん)
香南市
〈一果相伝〉一果相伝マスクメロン 高知県産/1個 10,800円
フレッシュマーケット/青果
森岡健児さん
高知県香南市 株式会社篤農 代表取締役
森岡 麗さん
高知県香南市 株式会社篤農
香南市
〈JA高知県〉青柚子 高知県産/1個 324円
フレッシュマーケット/青果
南国市
〈Iʼs MEAT SELECTION〉土佐あかうし サーロインステーキ用 高知県産/100gあたり 3,500円
フレッシュマーケット
高知大学農林海洋科学部の付属牧場。
県と連携して種の維持や改良の研究をしている。
高知市
〈潮江旬菜〉スーパースイートコーン 高知県産/1本 756円
フレッシュマーケット/青果
熊澤秀治さん
高知県高知市 潮江旬菜 代表
中土佐町
〈東信水産〉カツオのたたき 高知県産/100gあたり 800円から
田中隆博さん
高知県高岡郡中土佐町 有限会社田中鮮魚店代表取締役
四万十市
〈いちえん農場〉土佐ジロー卵(6個入/1パック)700円
シェフズセレクション
一圓信明さん
高知県四万十市 いちえん農場 会長
地元で出合った12カ月分の旬の素材で作るシュトーレンの夏版がお目見えです。「ブルーベリー、梅、ぶどうを使った冷やしておいしいシュトーレンです」(小清水さん)
「農家さんが丹念に作った果実の風味をご堪能ください」(前さん)
幻の人参芋と栗のお菓子を手がける〈四万十ドラマ〉は原料の生産の拡大にも乗り出しています。「四万十エリアで休耕地を活用した栗の植樹や有機農業を浸透させて地域の持続を目指します」。(斉藤香織さん)
四万十町
〈四万十ドラマ〉いも焼き菓子ひがしやま。( 4個入/1袋)864円
〈四万十ドラマ〉栗と芋の焼きモンブラン(6個入/1箱)1,590円
フードステージ
斉藤香織さん
高知県高岡郡四万十町 株式会社しまんと流域野菜 代表取締役
四万十町
前 成照さん
小清水 緑さん
高知県高岡郡四万十町 カゴノオト
〈カゴノオト〉ブルーベリーのシュトーレン (12袋入) 4,700円
フードステージ
産地直送の食材で作った惣菜や弁当をオフィスに提供する〈イナカデリコ〉が特製デリやサラダを販売します。高知の素材をふんだんに用いた一品をご賞味ください。
フレッシュマーケット/プロモーションコーナー
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四万十地区で持続可能な耕作を進める動きが始まっています。山間部が発信する食の未来について、鍵を握る3人が語ります。
左から、株式会社四万十ドラマ 代表取締役・畦地履正さん、梅原デザイン事務所デザイナー・梅原 真さん、株式会社グッドテーブルズ農畜産物流通コンサルタント・山本謙治さん
畦地 大粒で甘い「しまんと地栗」の味を生かしたモンブランや栗きんとんを発売して、10余年が経ちました。発端は梅原さんが作成されたアニメーションの企画書でしたね。
梅原 山のてっぺんにある菓子工場から全国へ出荷するトラックを描いたんです。みごとに実現しました。
山本 パッケージデザインは梅原さんが手がけられていますよね。デザイナーと組み、味と包装ともに高品質な品を打ち出す〈四万十ドラマ〉は、全国的にも稀有な存在です。
梅原 土地が持つ個性や本質を可視化するのがデザイナーの仕事。目にした人の頭に、現地の風景が浮かぶようなデザインが信条です。当時、四万十町には10年以上放置された栗畑が点在していました。でもそのおかげで肥料も農薬も抜けきっているから、オーガニック農法で、特産であった栗を蘇らせる好機やぞと。
梅原さんがデザインした“地”マークは〈四万十ドラマ〉の象徴。
畦地 2011年から山の整備を始めて、これまで1万本の栗の苗木を植樹してきました。栗のお菓子は無添加で仕上げています。
梅原 ここまでの〈四万十ドラマ〉の活動をさらに深めていくために、土地に合う野菜を作る「しまんと流域農業プロジェクト」を発案しました。有機栽培を軸に、生産者が基準を決めていきます。効率ではなく、持続性を求めています。そのため、流域農業の新たな担い手を育てる「しまんと分校」というプログラムも用意。有機農業の研修をはじめ、鮎の釣り方など、生活の知恵を地元の名人に教わります。実技と座学のセットで1単位とし、10単位を取得すると卒業できる仕組みです。その証に“SBA”が授与されます。
山本 まさに“四万十エシカル”ですね。欧米では環境、動物、人への配慮が議論されていますが、日本はそこに地域社会への配慮も加わると考えています。森林が面積の84%を占める高知県は、食材のほとんどを山間部で栽培しています。その恵みを持続させていくためにも、農家の安定収入と集落の維持がマストなんです。消費者側も、こういった背景を知って商品を選んで買う時代になったと思います。
梅原 これからは“地域の生き方”がブランドになる時代。だからこそ土地のアイデンティティを、自分らで確立させることが大事。自らで形にした時に事態は動きます。
畦地 そうですね。我々の孫の時代にはオーガニック農業で活性化した四万十の姿を頭に描いているんですよ。今はその土台固めとして、一緒に働く20〜30代の仲間と「しまんと流域農業プロジェクト」を進めています。今年3月に植樹した栗の苗が成木するおよそ10年後には、30〜40代を迎えた彼らが新しい時代を切り拓くはず。さらに100年先へとつないでいってほしいですね
〈四万十ドラマ〉の社員は、地元出身の20〜30代が中心
梅原 実を言うと、30年前はこのまま四万十の農業は廃れていくのではと予想をしていました。でも、この10年間では「しまんと地栗」で復活の兆しを見せ始め、「しまんと流域農業プロジェクト」へと進化しています。自然と人が残る豊かな四万十エリアの姿も夢物語じゃないんですよ。
畦地 梅原さんが描いた通り、山間の工場から全国へとお菓子を届けられるようになりましたもんね
写真:福田喜一、石丸直人(スーパースイートコーン)、和田裕也(四万十ドラマ商品)
取材・文:松岡真子