2022.9.25 UP
百貨店で買うものといえば食料品。昔からデパ地下で買い物するのが大好きで、特に伊勢丹新宿店の食料品売り場は、定番から話題のものまですべてが集まっている場所だと思っています」
モデルやブランド〈ハグ オー ワー〉のデザイナーとして活躍。著書やSNSで発信するライフスタイルも幅広く女性に支持される雅姫さんが選んだのは、〈とらや〉の羊羹。
「私の母親が羊羹好き。上京するといつも〈とらや〉でお土産を買っていたので、そのうち私も買うようになりました。この小形羊羹は小分けだから食べやすいですし、季節ごとのパッケージがあるところも素敵だなと思っていて。いろんな味があるのですが、私はやっぱり定番の「夜の梅」が好きですね」
〈とらや〉小形羊羹 茶の道夜の梅、新緑、おもかげ 各292円
切り口に見える小豆を夜の闇に咲く梅に見立てた「夜の梅」は定番の小倉羊羹。「新緑」は抹茶入羊羹。「おもかげ」は沖縄・西表島産の黒砂糖入羊羹。
人に会うときの手土産を探したり、仕事終わりにふらり立ち寄って果物を買ったり、デパ地下にはわりとよく足を運ぶ。目利きな彼女があえて老舗の定番をフェイバリットに挙げ
たのは、日々の衣食住を大切にしているからこその理由があった。
「今はお菓子の世界でも〝ながら食べ〟がしやすい、あっさりした食感や味わいの方が主流なのかもしれません。でも〈とらや〉の羊羹は、味わう〝時間〟そのものを愉しませてくれます。味が濃厚だからこそ、さらっと食べるにはもったいない。熱いお茶や濃いコーヒーをいれてゆっくり、ちょっとずつ噛み締めたいです。それが仕事の合間にリセットを挟むのにちょうどよくて」
自由が丘にある〈クロス&クロス〉と、〈ハグ オー ワー〉の2店舗をプロデュース。写真の〈クロス&クロス〉では、自身がデザインする洋服をはじめ、衣食住を彩る作家の焼物や雑貨、お茶なども扱う。
雑誌などのメディアで美しく丁寧な衣食住を発信する一方、20代から仕事、子育てにずっと走り続けてきた雅姫さん。この秋、気持ちも新たにパーソナルマガジン「MASAKI」を刊行。
「この先の50代で絶対にやりたいことは、自分が手がけるすべての仕事をバランスよく回すこと(笑)。最近は洋服の仕事をメインに、ほかの仕事は極力セーブしているつもりですが、これが未だに実現できていなくて。というのも、ここ2年くらいの世の中の動向を経て、みんな日々の生活や意識に多少の変化があったと思います。私自身も、時間の使い方や興味の方向がアップデートされた部分もありました。新しいマガジンでは、そんな一面も含めて、今の自分がちょうどいいと感じる衣食住を提案できたらと思っています」
ブランド運営や細かい編集作業の合間に、大好きな熱々のお茶と甘い羊羹をひと口。雅姫さんのエネルギッシュな日々は、どうやらまだまだ続いていきそうな予感…。
羊羹は熱いほうじ茶やコーヒーと一緒にいただく。和菓子だと、ほかに〈鈴懸〉の「苺大福」もお好きだそう。
深いこげ茶が目を惹く〈pejite〉が手がけた益子焼は、実りの秋にぴったりな存在感。
秋田県大館市の〈柴田慶信商店〉による、秋田杉の曲げわっぱ。雅姫さんもこの弁当箱を使ったお弁当レシピを著書で紹介している。
この日着ていたドレスは自身のブランド〈ハグ オー ワー〉のもの。
京都・伏見の〈椿堂〉と〈クロス&クロス〉のコラボほうじ茶(1,080円)。ほかにも季節ごとに数種類のブレンド茶を取り揃える。
雅姫さんがデザインを手がける〈クロス&クロス〉の洋服たち。
バレエシューズ(36,300円)はイタリアの〈ポルセリ〉で〈クロス&クロス〉の別注。
店内ディスプレイやフラワーアレンジメントも自分の手で。
雅姫
モデル、デザイナー
まさき。自由が丘にて衣食住を提案する店〈ハグ オーワー〉、〈クロス&クロス〉の2店舗をプロデュース。また、自らがデザイナーも務める。ライフスタイルを提案する著者も多数あり、9月28日に「MASAKI」(扶桑社)が発売。
Instagram : @mogurapicassowols
写真:太田隆生
取材・文:小堀真子