＜匠の焼き菓子 CONGALI 文明堂＞新登場！ ふるりと揺れる焼きたての「釜出しカステラ」

「釜出しカステラ」は、お客さまからの「焼きたてカステラが食べてみたい！」という要望から生まれました。
通常のカステラは焼き上がりから一晩寝かせて、しっとりと熟成させるものです。カステラの底にザラメが沈んでいるのは、そのザラメがゆっくり溶けながら生地を下からしっとりさせていくためのものなのです。

「開発当初、既存カステラの焼きたてを試食してみたところ、一晩寝かせたカステラの美味しさには負けていました。そこで“焼きたてだから美味しいカステラを作ろう”と、原材料の種類から検討し、配合を変えるなど、試行錯誤を繰り返し生まれたのが“焼きたて”こそがベストに美味しい『釜出しカステラ』です。カステラは、卵、砂糖、小麦粉とハチミツ、水あめというシンプルな食材で作られています。その基本は変えずに、配合によってその新たな美味しさを引き出す職人技は“焼き”にこだわって菓子作りを続けてきた文明堂ならではの一品です」と担当者の昆田さんは語ります。「釜出しカステラ」の底にはザラメがなく、どこまでもフワフワといただけます。そのため、通常のカステラよりも大振りサイズに切られているのも嬉しい特徴です。

伊勢丹新宿店からほど近く、新宿御苑近くに文明堂新宿工房があります。

午前7時、朝早くから香ばしい匂いで包まれている工房では、始発で出勤されている職人の手によって次々とお菓子が仕込まれています。

生地作りでは、きれいな黄金色が出るというこだわりのたまごと砂糖を泡立て、1台の釜で1枚のカステラが焼かれます。途中、泡切りというカステラ独特の作業を行うことで生地の気泡をきめ細かく均一になるよう整え、およそ1時間かけて焼き上げていきます。

いよいよ釜から出されたカステラは熱々の内に切ります。そのカステラ包丁も先刻砥石で研いだばかりのもので、3日に一度は包丁を研ぐのだそうです。真っ直ぐな包丁で迷いなく切られたカステラは、湯気を立ち上らせながらフルフルとふるえています。

午前11時、伊勢丹新宿店にて販売開始です。「釜出しカステラ」は1切れから購入できます。ふるりと柔らかい、焼きたてが届くのは1日3回。11時～、13時～、15時～の販売ですのでお見逃しなく、お立ち寄りください。

カステラの隣で焼かれているのは、文明堂のどらやき「御笠山」。こちらもその日の焼きたてが伊勢丹新宿店へ届きます。

文明堂は伊勢丹新宿店で15年間「御笠山」専門店を開かれていたほど、こだわりの一品です。一枚一枚丁寧に手焼きされた皮に、前日に柔らかく炊き上げたこだわりの北海道産小豆の粒あんが挟まれています。「御笠山」は上と下の皮がぴったりと閉じているのが特徴ですが、ここもあっという間に職人の手で閉じられていきます。今は秋の期間限定で栗の入った「御笠山S 渋皮栗」も作られています。焼きたての「御笠山」は皮が軽く、とくべつ柔らかく炊き上げられた、すっきりとした甘さの粒あんとよく調和します。翌日は皮もしっとりと落ち着いてきますので、2つ、3つと食べて、その変化を味わうのも楽しみです。

文明堂新宿工房では工房長の小保方さんはじめ4人の職人が、伊勢丹新宿店へ向けて毎日お菓子を焼いています。工房でもお菓子の販売はありますが「釜出しカステラ」が買えるのは伊勢丹新宿店のみですので、カステラを食べてから、お散歩がてら工房へお邪魔してみるのも楽しそうですね。

＜CONGALI＞のパッケージには手書きの温かなイラストが描かれています。これはイラストレーター杉山巧氏によるもので、こんがり焼きあがったお菓子の美味しさが伝わってきて、思わず誰かへの贈り物にしたくなります。文明堂こだわりの十人十色な焼き菓子をぜひ食べ比べてみてください。

Photo : Yu Nakaniwa

Text：Yukako Yasuda