2023.1.2 UP
幅広い世代の女性たちに支持される人気エッセイスト・酒井順子さん。沿線で生まれ育った酒井さんにとって、伊勢丹新宿店の地下食料品フロアは「催事を必ずチェックしている」ほどお気に入りの場所なのだそう。冊紙『FOODIE vol.22』に掲載した「MEET THE FOODIES」で紹介しきれなかった、お買い物の様子をリポートします!
酒井順子/さかい・じゅんこ
エッセイスト
東京都生まれ。2003年『負け犬の遠吠え』(講談社)で講談社エッセイ賞と婦人公論文芸賞を受賞。2013年『ユーミンの罪』(講談社現代新書)がヒット。近著は小野小町、紫式部、清少納言、日野富子など歴史上の女性43人の足跡を時系列順に辿った京都エッセイ&ガイド『女人京都』(小学館)。
シェフズセレクション(グローサリー)の<オリオテカ>では、オリーブオイル・ソムリエが食の好みや使い道をヒアリングしてセレクトしてくれる。
毎日料理をするので、国内外のいろいろな調味料やオイルが手に入る伊勢丹新宿店はありがたい存在。なかでも、ちょっと特別なオリーブオイルが欲しいときには、専門店の<オリオテカ>をのぞいています。このお店では、本場のイタリア産オイルはもちろん、国産のオリーブオイルも扱っているのがおもしろいところ。私も以前、湘南で作っている『湘南二宮オリーブオイル』を買いました。少量生産で時期は限られるようですが、和食に合ってとてもおいしかったんですよね。
香り高いスパイシーな『ファム』と、より爽やかな『イトランズ』をお試し中。「『イトランズ』は華やかな香りが好み。今回はこちらにしてみようかな」
私はフルーティーな香りのオリーブオイルを、サラダやパンなどにかけてシンプルに味わうのが好きなんです。店頭のポップに「フルーティーです」と書いてあるだけだと実際の味がなかなか想像しにくいのですが、<オリオテカ>だと香りのお試しができるのがいいですよね。今回は『ファム』と、『イントランズ』という、イタリア・カンパーニア州のオイルの2種類おすすめしてもらいました。実際に香りに触れてみると、それぞれ個性の違うフルーティーさが感じられます。
<オリオテカ>ファム(458g)3,780円
<オリオテカ>「マドンナ・デル・オリーヴォ」イントランズ(229g)3,456円
※数に限りのある商品がございますので、品切れの際はご容赦ください。
<オリオテカ>店頭では、常時20種類以上のオリーブオイルを販売。ワインと同様に、秋が深まるころに出てくる新物のノヴェッロも人気。
洋菓子エリアでは、美しいイラストも評判の<ポモロジー>のクッキーボックスにひとめぼれ。レモン 1,728円、フィグ 1,836円、ベリーズ 1,782円
洋菓子のエリアを見て回るのもルーティンです。ケーキはわりとシンプルなものが好きで、旬のフルーツをそのまま使ったタルトとか、素材のおいしさを味わえる素朴なものに目がいきがちですね。
フルーツをたっぷり使った<ポモロジー>のお菓子も、私の好みに合っているなぁと思いました。特にこのクッキー缶はイラストも可愛くて、手土産にも良さそう。レモンを使用したアイシングクッキーが気になったのですが、今回はせっかくなので、6種類の味が楽しめる『クッキーボックス ポモロジー』を試してみます(笑)。
<ポモロジー>クッキーボックスポモロジー(6種/計79個入)3,672円
「袋までイラストが可愛いですね」。<ポモロジー>で気になったクッキーボックスをお買い上げ。
蟹と白身魚のカネロニ リコッタトマトソース(1本あたり)378円
ベシャメルとラグーのラザーニェ(100gあたり)422円
<サルメリア ガリバルディ>で、定番人気のラザーニェと季節のお惣菜をテイクアウト。
お惣菜エリアは、和洋を問わず必ずチェックします。「今日は贅沢するぞ!」という気分の日は、組み合わせも考えずに(笑)好きなものばかり買って帰るのが至福です。
特にここ数年、洋惣菜の中で特にお気に入りなのが、<サルメリア ガリバルディ>のイタリアンデリ。外食の自粛が続き、プロの味が食べたい…となったとき、たまたま買ってみた『ベシャメルとラグーのラザーニェ』が好みの味付けで、それ以来のファンです。パスタ程度であれば家で作ることもありますが、自分では作れないイタリアンレストランのお料理が、前菜からメインまでテイクアウトできるのがうれしいですね。本店はイタリアのパルマにあるそうで、本場ならではの満足感。季節ごとにメニューが変わるのも楽しみです。
和菓子エリアにある、伊勢丹新宿店オリジナルブランド<匠の焼き菓子 CONGALI 文明堂>へ。
<匠の焼き菓子 CONGALI 文明堂>ギュッとひとくちテイラ はちみつ(3個入)875円
昔ながらの老舗の味が好きなので、和菓子エリアもよく見て回ります。2022年の春にリニューアルしてからは、ますますお客さんが増えて、にぎわっていますよね。
伊勢丹新宿店にしかない<匠の焼き菓子 CONGALI 文明堂>の、『新宿工房釜出しカステラ』も、ちょっと気になる存在です。焼き上がって店頭に並ぶのは毎日午前11時、午後1時と3時だそうだから、タイミングが合ったときぜひ食べてみたいですね。今日は、新宿はちみつ「MIEL」を使用したひと口サイズのカステラをお土産にいただくことにしました。伊勢丹のビルの上に養蜂場があるという話は聞いたことがあったのですが、実際にいただくのは初めてなのでとても楽しみです。
<匠の焼き菓子 CONGALI 文明堂>にて、「新宿で採れたはちみつの味、楽しみです」と酒井さん。
お気に入りのお店はまだまだありますよ。調味料なら、洋特選の<サヴィーニ タルトゥーフィ>のトリュフ塩。いろいろな種類があって、料理好きな方への贈り物にも重宝します。和菓子エリアにある<富士見堂>のお煎餅も、お気に入りです。お煎餅は甘いものが苦手な方にも喜ばれるので、ちょっとした手土産に使い勝手がいいんですよ。そしてひとやすみしたいときには<虎屋菓寮>でお菓子とお抹茶、が定番コースですね。
伊勢丹新宿店の地下食料品フロアにくると、あちこちのお店に行列ができているじゃないですか。私はそれを見るたびに、みんなどうやって最新の情報を入手しているのだろうと感心してしまうんです。お店の品揃えが良いだけではなくて、買い物にくるお客さまたちも、情報をキャッチする感度が高い方が多いんだろうなぁと感じます。
撮影:福田喜一
取材・文:小堀真子
編集:松岡真子