2023.9.13 UP
2023.10.1追記
<ピエール・エルメ・パリ>を代表するフレーバー「イスパハン」と<鎌倉紅谷>の代表菓である「クルミッ子」。伊勢丹新宿店の新宿開業90周年を記念して、コラボレーションが実現しました。この案が伊勢丹新宿店より提案されたのは、今年の初めごろのこと。当初はどのようなコラボになるかは未定でした。しかし、お互いを知り、製造現場も訪問し合い、代表作同士のコラボという決定までに、時間はかからなかったようです。
「『お菓子は幸せ必需品』という<鎌倉紅谷>有井さんの言葉(信念)に、和と洋、国は違えど深く共感して勇気をもらいました。伝統と革新。古き良きものを今の時代に合わせながら常に発信している姿に敬服します」(ピエール・エルメ・パリ)
「高級感がありながらもフレンドリー。製造現場に伺って、おいしさだけではなく、お客様にワクワクやときめきを届けたいという気持ちは私たちと一緒だと感じました。コラボレーションを通じてスイーツファンの皆様に新たな発見の機会となれば嬉しい」(鎌倉紅谷)
と話す両社。
(左)<ピエール・エルメ・パリ>×<鎌倉紅谷>マカロン クルミッ子(6個入)3,510円
(右)<鎌倉紅谷>×<ピエール・エルメ・パリ>イスパハン クルミッ子(8個入)2,160円
販売期間:2023年9月29日(金)〜10月1日(日)
販売場所:フードステージ
※お一人様各2点限り
※三越伊勢丹限定
※なくなり次第終了
代表作というブランドの根幹でのコラボレーションは、お互いの企業姿勢への深い共感とリスペクトがあって実現したものでした。世間にシグニチャーとして認められてきた味わいは、それ自体が完成品として高い支持があり、レシピに変更を加えるのは大変な勇気のいること。そして実際、製造も簡単ではなかったようです。いったいどのように完成したのでしょう。まずは、双方の代表菓が代表菓たるゆえんをみてみましょう。
<ピエール・エルメ・パリ>の代表作であるイスパハン。ピエール・エルメは、1980年代の中頃にバラの花を用いたブルガリア料理にヒントを得て、これにフランボワーズのフレーバーを合わせます。この組み合わせから生まれたのが「パラディ」(パラダイス)というケーキ。そこからさらに10年。今度はライチを加えてさらに複雑に、魅惑のフレーバーが完成します。この3つの素材と香りの組み合わせは「イスパハン」と名付けられ、代表菓としてケーキが誕生しました。今では「イスパハン」の組み合わせは他の多くの菓子職人やクリエーターたちを魅了し続けています。
常にお菓子の「おいしさ」を追求し続けること、これは現在の<鎌倉紅谷>3代目社長 有井宏太郎さんの祖父にあたる初代社長、有井鉄男さん、2代目有井弘臣さんが創業当時から大切にしていたことでした。2代目で洋菓子職人であった父、有井弘臣さんにより開発されたのが「クルミッ子」。和洋を超えたおいしさに加え、3代目有井宏太郎さんが実施したブランドリニューアルによって多くの方に手に取っていただく機会が増え、今や同社を代表するお菓子となりました。創業時の工房の庭に、よくリスが遊びにきていたこと、リスの好物から着想して出来上がったのが「クルミッ子」でした。
人々に長く定番として愛されてきた2つの菓子、コラボレーションにはどのような苦労があったのでしょうか。
「はじめは『クルミッ子』に『イスパハン』の要素をどう落とし込むのか想像もつきませんでした」というのは有井社長。約40年前に「クルミッ子」が誕生して以来、新たな味が誕生したのは今回が初めてでした。 心掛けたのは、クルミ、キャラメル、ローズ、ランボワーズ、すべての味わいが単に混ぜ合わせたようにはならないこと。配合の調整を重ねて『イスパハン』の中にしっかり『クルミッ子』を感じる、驚きの仕上がりになったと思います」。また、「イスパハン」の鮮やかなバラ色を生かすために焼成温度を通常よりも低くしています。その分長い時間オーブンに入れるため、生地の乾燥やキャラメルの吹きこぼれなど、不良品につながりやすい課題があり、それらを全てクリアして完成した商品です。
一方、「マカロン」の製作にも「クルミッ子」へのリスペクトがある故の難しさがありました。「クルミッ子」の象徴であるキャラメルソースを使ったクリームがマカロンコックに合うよう調整することは簡単ではありませんでした。また、クルミの量や大きさ、砕き方による食感への影響を丁寧に見ていきました。クルミが少なすぎてもインパクトが弱く、逆に多すぎれば全体のバランスが崩れてしまう。クルミを確かに感じながらもベストなポイントを探るのに時間を要しました。
そして、いざコラボレーション商品が出来上がった試食会では、両社のスタッフはただただ黙々と試食していたとのこと。「非の打ちどころのない、満足感に満ち溢れた沈黙でした」(ピエール・エルメ・パリ)「コラボレーションによって自分たちの中でも新たな発見がありました」(鎌倉紅谷)
両社の話から、このコラボレーションが共感性の高いものであったかが伝わってきます。
そしてパッケージデザインにもご注目を。コラボレーションであることが一目でわかるように、<ピエール・エルメ・パリ>マカロン クルミッ子は、いつもとは異なる縦型の「クルミッ子」に合わせたもの。キャラメル味のブラウンがキーカラーとなっています。そして真ん中にリスくんがいます。
一方、<鎌倉紅谷>イスパハン クルミッ子のパッケージは鮮やかな薔薇色に。フランスを思わせるデザインと、リスくんが描かれています。
「パッケージデザインにストーリーを持たせる段階でリスくんの存在は大きかったです。リスくんがパリに修行に行くというデザインコンセプトを決めたことで、2社の親和性を感じていただけるのでは」(鎌倉紅谷)
「イスパハン クルミッ子」は 生地の端っこ、“クルミミ”を詰めたカップタイプも、伊勢丹新宿店限定で販売します。元々「クルミッ子」は創業当時から続 くロングセラー商品のサブレ「鎌倉だより(プレーン)」を型抜き した際に余った生地を活かそうと、スイスの伝統菓子エンガディナーをヒントに生まれました。
<鎌倉紅谷>イスパハン クルミミカップ(1カップ/8個入) 1,026円
※お一人様2点限り【伊勢丹新宿店限定】
「イスパハン」はよりローカルに、「クルミッ子」はグローバルに。素敵なコラボが誕生しました。これは両方食べてみないわけにはいきませんね。
・会期:2023年9月29日(金)~ 2023年10月1日(日)
・場所:伊勢丹新宿店本館地下1階 = フードステージ
※10月1日(日)の販売分につきまして、全商品完売いたしました。
【販売方法について】
■ 9月29日(金)の販売方法について
・混雑緩和のため、会期初日に限り、エムアイカード会員さまへの優先販売を実施いたします。
・商品の購入をご希望の方は、午前9時半までに、本館地下1階=ゲートL(新宿駅側)にお越しください。
エムアイカードをご提示のうえ、販売時間帯別の整理券を配布いたします。
※エムアイカード会員さま1名に対し、整理券を1枚配布いたします。
※エムアイカードのオンラインお申し込みが完了している方も対象とさせていただきます。
お並びの際、お申し込み完了メールのご提示をお願いいたします。
・エムアイカードをお持ちでない方への販売開始時間は、当日決まり次第お知らせいたします。
■ 9月30日(土)・10月1日(日)の販売方法について
・開店前よりお並びをご希望の方は、本館地下1階=ゲートL(新宿駅側)にお越しください。
・各日午前9時より販売時間帯別の整理券を配布いたします。
※混雑状況により、配布開始時間は早まる場合がございます。
※販売予定数に達した場合、整理券の配布を終了いたします。
【お一人さまのご購入限定数】
・<ピエール・エルメ・パリ>マカロン クルミッ子(6個入)3,510円 お一人さま2点限り
・<鎌倉紅谷>イスパハン クルミッ子(8個入)2,160円 お一人さま2点限り
・<鎌倉紅谷>イスパハン クルミミカップ(1カップ)1,026円 お一人さま2点限り
・お電話でのご注文は承れません。あらかじめご了承ください。
・商品は数に限りがございます。品切れの際はご容赦ください。
・詳しくは係員までお問い合わせください。
Text : FOOD INDEX 編集部