2024.2.21 UP
1年前、伊勢丹新宿店の粋の座(和特選)・和酒コーナーに現れたイセタンクラフトビアバーは、クラフトビールファンに限らないさまざまな顧客で賑わいます。ショッピング帰りに女性同士で一杯、デートで軽く一杯など使い勝手も良いようで「カジュアルに、開かれたビアバー」という開設当初の目標に近い場になっています。
そしてもう一つの目標は、日本各地の造り手と飲み手を繋ぐ場所になるということ。オリジナルビールのリリースもその一環で、定期的にやっていきたいことの一つです。1年前のオープニングでは名古屋で人気の<ワイマーケット>とのコラボレーションにより同ブリュワリーで人気の「LUPULIN NECTAR」の限定バージョンを発売。昨年9月の伊勢丹新宿店新宿開業90周年企画では新宿区のマイクロブリュワリー<ハニカム&ポップワークス>とのコラボレーションで伊勢丹新宿店の屋上で採蜜したハチミツを原料にした特別なハニービールを発売しました。そして今回の1周年でコラボレーションするのは宮城県・気仙沼市の<ブラックタイドブリューイング>。2011年、東日本大震災の後に気仙沼の復興を願って造られたブリュワリーは、伊勢丹新宿店での取り扱いが始まるや否やファンの熱い支持を受けました。
ブラックタイドブリューイングの入口。気仙沼という土地を愛し、土地に惹かれた人々が一緒になって立ち上げた地域コミュニティ型の醸造所。
今回の企画について和酒商品担当の池ノ内涼はこう語ります。
「この1周年企画は、普段から現場でお客様との接点がもっとも多いスタイリスト発の発信です。コンセプトを“感謝”にしたいねというのも皆で話し合って決定しました。クラフトビアバーを一年間運営することができたのはお客さまやビールに携わる方々あってのこと。その感謝の意を示して造られたビールです。僕たちスタッフも一緒に楽しめる、カジュアルでフラットな飲み物であるのが、クラフトビールの良さだと思います。どんなスタイルにしようかというのもメンバー皆で話し合い、最近のトレンドでもあり“原点回帰”のラガーに決めました。先日、皆で<ブラックタイドブリューイング>さんに伺い、今回の新作を試飲に伺ったところです。」
<ブラックタイドブリューイング>営業部長の丹治和也さん(左)と今回の1周年ビールのプロジェクトリーダーを務めた池ノ内。
“感謝”というコンセプト、初心者でもマニアでもおいしいと感じるドリンカビリティ(飲み心地)、ラガー、個性的な部分も欲しいという池ノ内さんたちのリクエストに答えて丹治さんが提案してくれたのがヴィエナラガーというウィーン発祥のラガースタイルでした。クラシックでありながら現代に新鮮さもある、いわば温故知新のビールスタイル。
「ヴィエナモルトをベースにモルティーなキャラクターをしっかり出しつつ、アメリカンポップでハーバルさフローラルさを加えたドリンカブルな一杯となっております。」(池ノ内)
ブラックタイドブルーイングさんの初醸造もラガーだったことには少しご縁を感じました。
ヴィエナラガーのベースとなるヴィエナモルト(左)と1周年企画、新作ビールのサンプル(右)。
これからは、顧客や造り手たちと交流しながらイセタンクラフトビールバーから新たなビールスタイルを提案していきたいという池ノ内とスタイリストたち。そのためには、ビールそのものだけでなく、注ぎ手の魅力やビール周りのガジェット、たとえば格段にビールの味わいを上げてくれるビアグラスなど、ビアバーで実際に体験できることに力を入れていきたいといいます。
今回のプロジェクトメンバーに、あらためてクラフトビールが好きになった理由と好きなビールスタイルを聞きました。1周年を迎えたビアバーで、スタッフとともに新しいお客さま、新しいビールとの出会いを楽しんでいきたい考えていますので、気軽にお立ち寄りください。
ビアバー開業1周年記念ビールのプロジェクトメンバー。左から
渡邊恵
(クラフトビールが好きな理由)王道からマニアックなスタイルまで幅広く、ブルワリーごとの個性が面白いから。
(好きなスタイル)ピルスナー
井原淑惠
(クラフトビールが好きな理由)種類が豊富で選べる楽しさがあるから。
(好きなスタイル)ペールエール
長谷河優花
(クラフトビールが好きな理由)こだわりのジャケットが可愛い
(好きなスタイル)ペールエール
松本愛美
(クラフトビールが好きな理由)味わいの幅が広く、造り手ごとの個性もあるため、いつもワクワクしながら飲める
(好きなスタイル)ヘイジーIPA
サンクスフェアー 770円
販売期間 2024年2月21日(水)~
Text : FOOD INDEX編集部
Photo : Nakaniwa Yu(商品写真)