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藍染古布 POP-UP

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2025/06/18

日本の藍染について

藍染は、奈良時代に中国から朝鮮を経て日本に伝わったとされています。平安時代までは主に上流階級の人々が身にまとう、高貴な色として扱われていました。その後、江戸時代になると藍染は庶民の間にも広まり、着物や半纏、のれん、生活雑貨など、さまざまな藍染製品が日常の中で使われるようになりました。日本の藍染ならではの深い青味は、やがて「ジャパン・ブルー」として海外でも知られるようになります。この呼び名は、明治初期に来日したイギリス人の科学者が、町中が藍色に彩られていた当時の日本の風景を見て表現したことに由来しています。海を越えて日本を訪れた人々にとって、藍色は日本の文化や美意識を象徴する色として、深く印象に残ったのでしょう。

 

 

 

明治以降も藍染は日本の暮らしに根づいた染色技法でしたが、やがて合成染料の普及により、植物由来の藍染は徐々に姿を消していきました。さらに、安価に染色ができるインド藍の導入も、国内の藍染生産の衰退を加速させる要因となりました。しかし近年、自然素材としての日本の藍染は、あらためてその価値を見直されつつあります。化学染料と異なり、藍染は洗うごとに少しずつ色が落ちていきますが、その変化がむしろ味わいとなり、経年変化を楽しむことができます。また、日本の藍染の魅力は、その色の豊かなグラデーションにもあります。ほんとうに近い深い青から、黒と見紛うほどの深い藍色まで、美しく奥行きのある色彩を生み出します。

  

 

この商品は、日本に古くから伝わる藍染の生地を日用品として現代の暮らしに取り入れることを目的に、藍染古布を高圧成型樹脂で成形して仕上げたトレーです。使用している藍染古布は、かつて大切に使われていたものや、長らく蔵に保管されていたものなど、全国各地から収集したものです。明治から昭和初期にかけて染められた生地が多く、それぞれに異なる色味や柄があり、ひとつとして同じものはありません。裁断された生地は、成形技術に定評のある和歌山の工場で丁寧に加工されます。100トンまで対応可能なプレス機を用い、生地の上に高圧樹脂を重ね、熱と圧力をかけながら加圧プレス加工します。生地の厚みや風合いは、一貫生産の工程により一点一点最適な温度や時間に調整を行いながら製造しています。使用されてきた布が使い込まれるほど藍染古布も、プレス工程を経ることで、まるで染めたてのような深い藍色がよみがえります。成形後は、トレーからはみ出た余分な生地を丁寧にカットし、エッジを研磨して仕上げています。一点一点に異なる表情を持ち、特別なトレーです。古き良き素材と現代の技術が融合した、時代を超えて暮らしに寄り添うプロダクトとなっています。

 

 

※数量に限りがある商品もございますので、品切れの際はご容赦ください。

※価格はすべて、税込です。

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