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器のチカラ ルーサイトギャラリー IN ISETAN

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2020/08/05

「ルーサイトギャラリー」は柳橋の隅田川沿いにて、代表の米山明子氏のコレクションである骨董品をベースに、陶芸や工芸品、作家ものを扱うギャラリーです。​おうち時間を彩る、陶磁器やガラス、漆器などの様々な素材の器を取り揃えてご紹介します。美しい器が発する、使い手を励ます“器のチカラ”を実感してください。

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ルーサイトギャラリー代表 米山明子氏

 

1991年 早稲田大学第一文学部卒業

卒業後3年ほど、祖母の料亭「いな垣」で女将見習い

2001年 ㈲ルーサイトギャラリー設立

 

8/12からのイベントに向け、ルーサイトギャラリーを訪問しました。旧市丸邸を改装したギャラリーは広々とし、日本の四季を感じられるようなほっと落ち着ける空間です。

この日はちょうどイベント用に蔵から作品を出してきたところでした。和食器や洋食器、素材も陶器やガラスなど、見たことがないような柄や形の作品ばかりに心が躍ります。素敵な器の数々を前に、ルーサイトギャラリー代表の米山さんに器への思いを語っていただきました。

 

 

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-米山さん、こんにちは。素敵な器がたくさんですね。このような古いお皿はすべて骨董品というのでしょうか。

これらすべてが骨董品ではないのですよ。骨董品とは、概ね作られてから100年以上経っているものを指します。私は骨董品だからではなく、自分がいいなと思ったものを集めているので、ここにあるものは年代や作られた場所も様々です。

私にとっての骨董品とは古くて魅力のあるもののことです。ただ古くて希少価値があるというだけでなく、見る人の心を揺さぶり、所有欲を刺激するものが骨董品だと思うのです。

 

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☝これからの暑い季節に活躍しそうな涼しげな見た目が魅力的な1980年代のKOSTA BODAのデキャンタと、1960年代のiittalaのカップ。後ろに見える徳利はなんと幕末頃の作品。

 

ー心を揺さぶる作品、素敵です。ということは、こちらにある作品たちは米山さんの心を掴んで集まったのですね。興味を持ったきっかけはありますか。

きっかけはたまたま母に連れて行かれた骨董市で、李朝の無事刷毛目の壺が光って見えたことです。まるで壺に呼びかけられているようでした。それからのめり込むように本を読んだり、美術館に行ったり…そして自分の貯金や小遣いの中から少しづつ骨董品や古物を買うようになりました。

 

ー器に呼びかけられる、運命みたいですね。でも、わかります。お店に入った時に、一番最初に目に留まった作品には、お店をぐるぐる回って色々な作品を見ても、また自然とそこに戻ってしまうことがよくあります。

器の呼びかけに敏感になってください。理屈や投資目的で買うのではなく、欲しいと思ったら買うのが良いと思います。特にこの古美術業界の人たちは〝モノが人を選んでいる″と言いますね。あなたのもとに行きたい、と作品がメッセージを発信しているように感じられるのです。数ある中から、自分の手もとに来るのはご縁ですよね。

 

ー米山さんにとって骨董品や古物の魅力は何でしょうか。

自分の好きなものを自由にコレクションできることですね。もちろん金銭的な制約はあります。自分の集めたいものがすでに市場にないかもしれません。でもそのものに共感し、そのものの時代を感じられるというのが最大の魅力です。

もしかしたらあの時代のあの人が飲んだのかもしれない…と想像すると、その時代の人と繋がったような気がしませんか。作品からその時代の空気感、ロマンを感じ取れます。

ですから、これから初めて骨董品や古物を買うのであれば、自分が共感したものを持つといいと思います。音楽と同じです。それぞれが自分のいいと思う出会いを大切にするべきですね。

 

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☝思わず手に取りたくなる、愛らしい小皿

 

ーせっかく出会ったお気に入りの器を長く使うために気を付けていることはありますか?

洗い物の際の水切りに気を付けていますね。意外と、水切りで器を振った際に割ってしまう人が多いのです。洗ったら、タオルでそっと拭いてしまってあげるのが良いと思います。また、指輪などのアクセサリーが器に当たらないようにしています。茶道ではどの流派でも必ず指輪を外してお点前します。器を手に取る前に指輪を取ってくださる方がいらっしゃると器へのリスペクトの念が伝わってきてとても嬉しいです。

実は、私は後片付けの時間が一番好きです。器と交流できる時間だと思っています。お気に入りの器を隅々まで触ることで、経年変化していく様子を感じられます。

あと、古いモノは意外と丈夫です。戦火などを生き抜いてきた、強い器たちという印象があります。器はしまいこまないで、毎日使ってほしいなと思います。

 

ーどの器も米山さんのお気に入りだとは思うのですが、、その中でも今回のイベントでのお気に入りのお皿を教えてください。

この七寸皿は、明治時代の伊万里焼です。使われている色のバランスやデザインがお洒落です。また描かれた龍もとてもユーモラスです。七寸以上の大きさの皿は現代の献立によく登場する、ワンプレート料理を作る際にとても重宝します。

 

この大鉢は、ロイヤルコペンハーゲンのものです。日本の書を真似ていますね。そして描かれているのは鯉でしょうか?ニールス・トーセンの晩年の作品なのですが、トーセンが惹かれた和のイメージが伝わってきて面白いですね。北欧のジャパネスクの鉢を日本の食卓で使うのもまた楽しいですね。

 

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☝お茶目で愛らしい表情の龍に思わず笑みがこぼれます

 

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☝今の作品からは想像できないテイスト・質感が面白いロイヤルコペンハーゲンのヴィンテージ作品

 

ー実際に器を使うとなると難しく感じることもあります。コーディネートのコツなどはありますか。

コーディネートのコツは特にありません。一人の人がいいと思うものを揃えれば統一感が自然と出ると思います。ただ、私の好みとしてはお膳自体に模様のないものの方が器は活きると思います。目立つものとそれを目立たせるために引くものがあるとメリハリが出ますね。

 

器の使い方は人それぞれ。北欧の人たちは小ぶりの鉢などに蝋燭をたてて使う人もいます。

お気に入りの器を小物入れとして使ってもいいし、おしゃれなレース皿に買ってきたマフィンを置くだけで女王様になったような気分になりませんか。そうやって、好きな使い方で自分のテンションを上げるのが器を楽しむコツだと思います。だから、器はしまいこまないで、好きなものを組み合わせて毎日使ってほしいですね。

 

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ー今回のイベント「器のチカラ」に込めた思いを教えてください。

最近は家で過ごすことが多くなり、自分の周りのインテリアや器類に励まされることがより多くなりました。好きな器を普段に使うことがどれだけ楽しいか、励まされるかを感じていただければ幸いです。心理学でも箱庭療法というものがあります。今流行りのゲームでも自分の理想の空間をバーチャルで作れます。私たちを取り巻く社会は不安だらけですが、せめて家の中だけでも好きなものに囲まれたいですね。

 

 

こちらの記事でご紹介した器を含め、米山さんの思いで集まった器のコレクションが売り場に勢ぞろいします。おうち時間を楽しくするお気に入りの1枚に出逢えるはず。それぞれの器がもつ“器のチカラ”をご覧ください。

 

伊勢丹新宿店リビング・ライフデザイン公式インスタグラムアカウントでは、イベント情報やおすすめ商品の紹介を随時アップしています。

ルーサイトギャラリーのコーディネート写真もアップされますのでこちらもぜひご覧ください。

☟@life_design_isetanshinjuku☟ 

※数量に限りがある商品もございますので、品切れの際はご容赦ください。

※ギャラリーは不定休のため、開催日時等はルーサイトギャラリーHPをご覧ください。

※古物は装飾品としてご使用ください。

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