リビング パーク
文庫屋「大関」さんの工房におじゃましてきました。
色彩豊かな柄が特徴の文庫屋「大関」さんの文庫革。
伝統的な和柄から、いちご柄のような可愛らしい柄まで、どれも細かく彩色された素敵な作品です。
このとっても細かで繊細な色柄は全て職人さんの手しごとによる賜物でした。
なんとひとつ商品を仕上げるのに十数人の職人さんの手を経て作られています。
製作工程を撮影させて頂いたのでご紹介いたします。
一見真っ白に見える革も一枚一枚丁寧に目視で傷や汚れがないかチェックし、ぴったりと無駄を出さないように裁断、そして型押しをします。
型押しされた革は、皮革用の塗料でひと筆ずつ彩色されていきます。
色の種類は多い柄だと20色!
型押しされているとはいえ、真っ白な革にサッサッサッっとリズムよく色をのせていく様子はまさに職人技でした。
職人さんによって、好きな柄や得意な柄が違い、好きな柄を彩色するときはテンションが上がるそうです。
彩色された革は、色止めをし、その後文庫屋「大関」の文庫革特有の風合いを生む、「錆入れ」という工程を施します。
革の表面に漆を塗り、仕上げに真菰(まこも)の粉をふり、定着させます。
色を塗らずに残しておいた部分に真菰の茶色い色が入ることで、古美と呼ばれる、新しくも使い込んだような風合いが生まれます。
この錆入れについて職人さんにお話しを伺うと、天候気候との戦いとおっしゃっていました。
その日の温度や湿度によって、漆の乾き具合も異なるため、この作業を受け持った最初の頃は、日々翌日の天候を確認してはそれに合わせてイメージトレーニングを行っていたそうです。
彩色の部分でも、白い革の微妙な風合いに合わせて色の調合でも調整しているなど、長年の感覚にたよる部分が多く、まさに機械ではできない仕事でした。
最後に、スタッフの方々の愛用品も伺ってみると、文庫屋「大関」さんの50年のロングセラーの「天溝がまぐち」は社内でも人気とのこと。
柄に関しては、マニアックな柄を選ぶ人が多いそうです。
スタッフの方は、文庫革という伝統工芸品ではありながら、「ぱっと見て『可愛い』と思って使って頂ける機会をつくって欲しい。柄を見て選んでもらった上で、工芸としての魅力を知って使って欲しい。工芸品の面白みを感じて欲しい。」そうおっしゃっていました。
簡単には作れないもの。
50年前から試行錯誤され育まれた技術が土台にあり、今職人さんの技となって作られている「文庫革」。
まずは手に取って、その細やかな手しごとを是非ご覧いただきたいです。
▶文庫屋「大関」
7/6(水)-19(火)まで2週間ご出展です。
【カタル×てしごと-CRAFT MANIA-】
会期:7/6(水)-7/19(火)
場所:伊勢丹新宿店本館5階=センターパーク/ザ・ステージ5
手しごとが揃う2週間。
器やオブジェ、うつわ、革小物…などなど、総勢43の作家・ブランドの作品が集います。
つくりての想いやその背景、そしてその技術を「知って」「共感して」選んでほしい。
『カタル×てしごと』ではつくりての想いや背景を丁寧に語り、CRAFT MANIAたちに、より愛着の湧く「ものとの出会い」をご提案します。
※作品には限りがございます。
同じもの出品が無い可能性もございますので予めご了承くださいませ。
※数量に限りがある商品もございますので、品切れの際はご容赦ください。
※価格はすべて、税込です。
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