メンズテーラードクロージング

【インタビュー】パリ在住のベルギー人、ジャン-バティスト・ロソーさんがこだわる“フランスらしさ”とは?知る人ぞ知るブランド<リュテス>の魅力に迫る

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2023/02/27

ベルギー人のジャン-バティスト・ロソーさん(以下、ジャンさん)が、フレンチクラシックスタイルを提案するブランド<リュテス>を設立したのは2020年のこと。イセタンメンズのメンズテーラードクロージング担当、バイヤーの稲葉はその当初から注目をしていたが、海外出張がままならない中で、念願叶って取り扱いを開始出来たのは2022年。その年の秋、ジャンさんの来日に合わせて開催された初のオーダー会は大盛況だった。次回の開催を約束しつつ、色々なお話を伺った。商品のこと、ブランドのこと、そしてジャンさん自身のこと。フランスのファッションって、魅力的だけどなんだかうまく言葉で表現できない・・・そんな想いが晴れていくような気がした。もっとジャンさんのお話を聞きたい。

そして2023年1月、パリ市内のアトリエを訪れ、改めて<リュテス>の魅力、フランスらしさに拘る理由について、じっくりとお話を伺うことができた。

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法律を学んでいた学生がファッションの道へ

 

―どのような学生時代を過ごしたのですか?

学生時代はベルギーで法律を勉強していました。法律はとても合理的、そして創造的で、そこに魅力を感じていたのですが、そのうち、ものづくりとその職人技にも同じ魅力があることに気づいて。それからは、メンズウェアに携わることを夢見るようになりました。昔から不思議と、美しいものやそれを生み出す技術には何でも興味深々だったんです。

 

―ファッションに携わるようになったきっかけを教えてください。

ベルギーを離れたのは10年前。ビスポークのシューズメーカー<コルテ>にインターンで入ったのがきっかけで、それ以来パリに住んでいます。 その後は<ボッテガ・ヴェネタ>に。そしてその経験を買われて、クチュールグローブの名門<ラヴァブール・カデ>のディレクションを担当することになりました。

パリは優秀な職人が集まる街です。パリに息づく文化に魅力を感じて、世界中の才能が集まります。だからパリには素晴らしいブランドがたくさんありますよね。<ラヴァブール・カデ>もその一つです。

 

―パリでブランドを立ち上げようと思ったのはなぜですか?

イタリアやイギリスの”らしさ”はイメージしやすいですが、フランスの“らしさ”って難しいですよね。だからこそ、誰にでも伝わる明確なコンセプトとプレゼンテーションが必要だと感じていました。

ベルギーはフランスの隣にあって、言葉も文化もすごく似ているけど、やはりどこか違う。だから、フランスのファッションを客観的に見ることができるんです。フランスのファッションブランドの多くは、ベルギー人をクリエイティブ・ディレクターに迎えていますよね。大事な視点だと思います。

 

―ブランドのメインアイテムであるカジュアルジャケットは、どのようにして誕生したのですか?

仕事でも、プライベートでも、そして旅行先でも、いつでも着たい服を提案したいと思っていました。

だから、着心地が良くリラックスできて、なおかつ上品で美しいメンズのカジュアルジャケットを作ることに。それには、テーラリングはフォーマルすぎるし、シャツは柔らかすぎる・・・そこで、フランスのクチュール技術を取り入れることにしたんです。

つまり、クチュール技術を取り入れた究極のメンズカジュアルジャケットを作る、そしてフランス“らしさ”とその魅力を伝えていく、この2つを目標に、2020年に<リュテス>を設立しました。

 

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フレンチクラシックを追求し、オートクチュールアトリエでつくられるメンズウェア

 

―ブランド名にはどんな意味があるのでしょうか?

<リュテス>という名前は、パリの昔の名前であるLutèceが由来です。東京が昔、江戸と呼ばれていたのと同じような意味合いだと思います。

過去から現在、そして未来へ続くフレンチスタイルを提案したいと思って、<LUTAYS/リュテス>というモダンな綴りにしました。

 

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―メンズウェアでは聞きなれないのですが、「クチュール技術」について教えていただけますか?

クチュールとは、フランスで誕生して発展した職人技です。テーラリングが英国で誕生して発展したのと同じですね。フランス文化と哲学がルーツなんです。

例えば、トワル(マネキン)に生地をのせて、立体的なシルエットを生み出していくのがクチュール。私たちのアトリエでは、パソコンに接続されたシリコン製のトワルを使っています。数ミリの精度でシェイプをコントロールできて、シルエットの可能性は無限大です。このトワルは、偽造されないようにすべてフランス国内で製造されていて、1体10万ユーロ以上するそうです。

<リュテス>は、最新のテクノロジーやミシンを用いながら、いつも新しい方法を模索しています。これもクチュールの特徴です。伝統的な技術をベースにしつつ、現代にフィットする最良の方法に挑戦し続けています。

 

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―フランス“らしさ”って言葉で表現するのが難しいですよね。

フレンチクラシックとは何なのか?はいつも意識しています。歴史のリサーチや膨大な資料の調査にはじまり、生地のリサーチや、職人探しまで・・・、各モデルにフランスのエッセンスを凝縮させるのに何年もかかりました。

もちろん、パターンも縫製も地元の熟練の職人によるオール・メイドインフランスです。

 

―フランスのものづくりにこだわるのは大変なことではないですか?

例えば、女性向けであるクチュールのノウハウを、メンズウェアに取り入れた独自の製法。これを実現するためには、クチュールとテーラリングの両方に精通した職人が必要でしたが、そのような職人は数少なく、さらにこの挑戦に協力してくれる職人を探すのにはとても苦労しました。

 

 

こだわりの追求を理解してくださるお客さまにも、フランスのエレガンスを取り入れてみたい方にも楽しんでもらえるブランドでありたい

 

―日本でも<リュテス>のファンが増えてきていますよね。

こだわりの追求を理解してごお買い上げしてくださるお客さまはごく僅かですが、そのような皆さまのお陰で一目置かれ始めているのはとてもありがたいことです。とはいえ、フランスのエレガンスをスタイルに取り入れてみたい方にも楽しんでもらえるよう、遊び心を忘れないようにしています。

 

―これからチャレンジしていきたいことを教えていただけますか?

<リュテス>が目指すのは、メンズウェアにおけるフレンチクラシックスタイルの基準になること、そして、高品質のカジュアルエレガントワードローブを提案することです。私たちはカジュアルジャケットのスペシャリストとしてブランドをスタートしましたが、現在はトラウザーズとニットウェアをラインナップ。<リュテス>のトータルコーディネートを提案し始めました。そして今、初のオーバーコートの製作に取り組んでいて、近日中に発売予定です。楽しみにしていてください。

 

―ところで、前回来日された際の日本の印象はどうでしたか?

<リュテス>のものづくりの姿勢や僕の個性が日本でも受け入れられ、理解され、そして喜んでもらえていると感じ、素晴らしい体験になりました。そして、ものづくりに対する前向きな姿勢や情熱を分かちあえる、親切で楽しい仲間たちと出会うことができました。共にメンズウェアの未来を目指していけることがとてもうれしいです。

 

イベント情報

<LUTAYS/リュテス>オーダー会

  • □開催日:3月4日(土)
  • □開催時間:午前10時30分~午後6時
  • □開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館5階 メンズテーラードクロージング

 

当日は、デザイナー ジャン-バティスト・ロソー氏来店 

*都合により来店が中止または、変更になる場合がございます。また時間帯により不在の場合がございます。

 

オーダー詳細

■価格:ジャケット429,000円から、パンツ132,000円から、セーター132,000円から、エスパドリーユ22,000円から

■お渡し:2023年6月上旬予定

 

※ご予約いただいたお客さまが優先となります。ご希望のお客さまは下記までお問合せください。

メンズ館5階 メンズテーラードクロージング 03-3352-1111(大代表)

 

 

※掲載の情報につきましては、諸般の事情により予告なく変更・中止させていただく場合がございます。予めご了承ください。必ず事前にホームページをご確認いただき、ご来店ください。
※新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から、お客さまのご入場を制限させていただく場合がございます。予めご了承くださいませ。

 

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

※数量に限りがある商品もございますので、品切れの際はご容赦ください。
※価格はすべて、税込です。

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