イセタン ザ・スペース

Nerhol Naturalized Species

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2022/04/13

レイヤーを⽤いた⼿法で、時間や存在のゆらぎを提⽰した作品を制作し、注⽬を集めているアーティストデュオ・Nerhol(ネルホル)が伊勢丹で初のエキシビションを開催。
イベントタイトルにもなっている「Naturalized Species」をテーマに、帰化植物などの生物をモチーフとして新たに制作された作品を含む圧巻のラインナップです。

また、会期に先駆けて4月1日(金)より伊勢丹新宿店の周壁にあるウィンドウ11面をジャックし、作品の一部をご覧いただけます。

 

ーウィンドウディスプレイ 2022/4/1(Fri)~4/12(Tue)

■イベントコンセプト

 

普段何気なく歩いている散歩道、道端でよく見られるような植物の中には、多くの外来種が存在しています。 中でも人為的な手段で運ばれて野生化した帰化植物と呼ばれる移入種は、日本全土に1200種ほど存在していて、伊勢丹新宿店の屋上を歩いてみても、たくさんの帰化植物に出会えました。適応力の高い植物は、畑地、 樹園地、牧草地、芝地、路傍、荒地など、日本全国に分布しているようです。

少し前に、日本の沖合から流された海洋生物が、何年もかけてアメリカ西海岸に辿り着いていることを、米 オレゴン大学などの研究チームが明らかにしていました。『サイエンス』に発表された論文によると、貝類やイソギンチャク、カニなどの生物種が、東日本大震災の津波で発生した大量の漂流物にのって、アメリカ大 陸にまで到達したというのです。漂着物から見つかった生物は分かっているだけでも300種近く。これは 漂流物のなかで生物が共生する生態系が生まれ、少なくとも3回の世代交代を経験して生息し続けたことを意味します。

 

「Naturalized Species」と銘打った今回の展示では、帰化植物を中心に、様々な因果関係によって日本に自生した生物をモティーフに選んでいます。長い時間をかけ、新しい土地に定着する様を紐解いていくこ とは、あるいはパンデミック以降の現代社会に向き合う上で大きなヒントを与えてくれるかもしれません。

 

■アーティストプロフィール

 

 

Nerhol(ネルホル

 

田中義久と飯田竜太の二人からなるアーティストデュオ。それぞれの活動を展開していた二人は、現代においていかにして問題を提起し、人に伝えていくかという方法論において共通項を見出し、2007年より Nerholを結成。書物やそこに記された文字、世界に存在する図像の定型を異化する探究に始まり、2011 年、数分間かけて200カット以上撮影したポートレートを束ねて彫刻することで生み出される歪んだ人物像 の立体作品《Misunderstanding Focus》を発表し、大きな注目を集める。その後、国内外の美術館やギ ャラリーの展覧会への参加を重ね、街路樹、動物、水、ネット空間にアップされた画像データや記録映像等、 様々なモチーフを選びながら、それらが孕む時間軸をも歪ませるような作品を制作。

一貫して、日常の中で 見落としがちな有機物が孕む多層的な存在態を解き明かすことを試みている。

近年では、物理学者や生態学者との対話から自作の姿や制作行為を顧みることで、作品がもつ各要素を開放し、あらたな作品形態へと展開させている。

 

主な展覧会に、「第八次椿会 ツバキカイこのあたらしい世界」(2021年、資生堂ギャラリー、東京)、

「New Photographic Objects 写真と映像の物質性」(2020年、埼玉県立近代美術館)

「Interview Portrait House and Room」(2017年、ヨンウン現代美術館、光州)、

Promenade」(2016年、金沢21世紀美術館、石川)、 「Index」(2015年、Foam Museum、アムステルダム)など。

 

主な受賞歴にベーコン・プライズ(2013年)、 Foam Talent Call(2014年)、VOCA賞(2020年)がある。

 

 

■インタビュー

 

Q1:ISETAN THE SPACEで展示を行うにあたり、ここでしかできない何かを考えたいと言うことで、Nerholの「練る」を担う、田中さんと最初にお話ししました。

何を一緒にやるか、考えることにが、今回一番時間をかけた部分だと思います。

「何となく見逃してしまっている差異、何気ないことが、とても面白いことにつながるかもしれないから、何でも話してください」とおっしゃっていましたが、その些細な点から、私たちも思いがけない切り口に繋がりました。

一見何気ないことを面白く掘り下げていく田中さん=Nerholとしての視点の基準や、その発想の転換はどのように生まれるのでしょうか。

 

A1:当たり前のように存在しているように見えても、視点を変えてみるとほとんどのことが奇跡の連続で存在していることだということに気づきます。バタフライエフェクトはその典型的な例だと思いますし、偶然と必然が混ざり合うような出来事に、私たちは様々なレジデンス先で出会うことができました。大事なことはいかにそれに注力できるかだと思います。それらは私たちの世界をより豊かにしてくれます。

 

 

Q2::実際に、日芸のアトリエにもお邪魔させていただきましたが、作品のディティールに圧倒されました。離れてみる美しさと、近くでわかる美しさが両方あり、作品にじっと張り付いてしまう魅力があります。Nerholの「彫る」を担う、飯田さんは、彫っていかないとどうなるかわからない(素人から見ると)、即興的な要素も感じますが、この連続した写真の層に、どのように向き合っているのでしょうか。

 

A2::私たちの素材は、物質的には紙ですが、印刷されている写真は動画をコマ撮りしたものになります。選んだ動画時間に合わせ、大きさと厚みの関係から枚数を決め、動画を分割し、それぞれを時系列に積み重ねたものが素材となっています。それらは、動画を時間として彫刻するという感覚で考えています。彫ることによって見えてくる被写体は、本来の写真とは大きく違った形になります。花でも人でも静止していることはないからです。止まっているようでも微妙に動くあわいが、半立体的な平面を作っているという独特な表現につながっていると思っています。

 

画像

 

Q3:お二人の今回の企画への思いと、今後のプランがありましたら教えていただけますか。

 

A3::今回のモチーフの多くは帰化植物と木化石です。帰化植物への取り組みは数年前から続いていますし、木化石は2016年に金沢21世紀美術館で発表したroadside treeの延長線上にあると言えます。植物は移動を、石は静止を表しており、私たち人間という種が考える時間軸とは異なって時間をどちらも持ち合わせているように思います。早く動きすぎることで見えていないこと、普通すぎて見落としていること。違った視点、考えを常に二人で相談しながら紡ぎ出していくスタイルは自分達も制作を通じて驚かされることが多いと思っています。これからもさまざまな主題に対して議論し協働しながら物事の捉え方の柔軟性、多重性、多方向性について考えていきたいと思っています。

 

■Art piece

 

※店頭販売のみとなっております。
※詳細は店頭にてお問い合わせください。

※LINEにてもお問い合わせいただけます。

 

 

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Zephyranthes candida No.001, 2022

Inkjet print

90.0 x 62.0 x 1.0 cm

 

 

 

 

 

 

 

 

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Iris japonica, 2022

Inkjet print

90.0 x 62.0 x 1.0 cm

 

 

 

 

 

 

 

 

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Zephyranthes candida No.002, 2022

Inkjet print

90.0 x 62.0 x 1.0 cm

 

※数量に限りがある商品もございますので、品切れの際はご容赦ください。

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