イセタン ザ・スペース

【Eames Office: 80 years of design】イームズ・デミトリオス氏インタビュー

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チャールズ&レイ・イームズご夫妻の孫にあたるイームズ・デミトリオス氏(現・イームズオフィス ディレクター)に、イセタン ザ・スペースで開催されるイベント「Eames Office : 80 years of design innovation」についてのインタビューを行いました。

 

 

イームズ・デミトリオス

作家、マルチメディアアーティスト、映画製作者として活躍し、1989年からイームズオフィスのディレクターを務めています。また、学校などで広く使用されている、3か国語で利用できるイームズ入門書を含む11冊の本を執筆しています。

イームズオフィスでは、デミトリオスと彼の4人の兄弟が、歴史的なパートナーであるハーマンミラーとヴィトラと緊密に協力し、家具やその他の製品の信頼性の確保に努めています。

彼はイームズの遺志を引き継ぐような新しいパートナーシップや世界的展示会を追い求めています。 さらに、彼はイームズ財団の理事長を務めており、ランドマークであるイームズハウスの保全活動をしています。 デザインの講師である彼は、妻と2人の息子と一緒にロサンゼルスに住んでいます。

 

Q1:伊勢丹とのプロジェクトについての感想をお聞かせください。

 

イームズオフィス80周年を迎え、日本と世界に私たちのストーリーを伝える素晴らしい機会を与えてくれた伊勢丹に心から感謝しています。このイベントは、私たちがチャールズとレイの偉業に沿って振り返ることを可能にしてくれただけでなく、私たちの世代が何をしようとしているのかを感じさせます。

 

伊勢丹の空間はとても魅力的で、イームズと伊勢丹は長く関わってきたこともあり、まるで友人の家を訪ねるように感じます。体験という面では、チャールズとレイの歴史を掲示するだけでなく、私たちが取り組んでいるエキサイティングな新しいプロジェクトを初めて一般公開します。

 

もう1つの非常に重要な点は、すべてのパートナーがこのイベントをできるだけ豊かにするために多大な努力を払ってきたことです。もちろん、パートナーの伊勢丹も含めて。そして、パンデミックの真っ只中に、私たちのパートナーであるHerman Miller, Vitra, Reebok, Globe, Art of Play 、Ravensburgerのみなさんは多大なる時間とエネルギーを費やしてくださいました。

イームズオフィスの献身的なスタッフと、サポートチームもその一員です。この展示会は、年間を通して私たちのメインイベントでした。全体として、この素晴らしい体験を可能にしたのは、10か国の、4大陸と40を超える様々な都市の人々でした。

 

最後に、日本人は何世代にもわたってイームズの作品を支持してくださいました。伝統を尊重しつつ、イノベーションを模索するという共通の感覚があると思います。

チャールズとレイには、ここ日本にたくさんの親愛なる友人がいました。そして、1994年、レイの死後のイームズオフィスの最初の主要なプロジェクトは、富士通の教育プラットフォーム向けのPowers of Tenに基づくマルチメディアプロジェクトでした。私たちの制作パートナーは札幌を拠点としています。

 

長年にわたり、日本で多くのイベントに招待されてきましたが、伊勢丹での本イベントは、イームズオフィスからの非常に多くの新しいコンテンツが1か所で初公開された数十年ぶり(世界どこにおいても)のものとなります。ありがとう、伊勢丹、そしてありがとう、日本。

 

 

Q2:あなたの家族、チャールズ&レイとのエピソードを教えてください。

 

私自身と4人の兄弟全員が、祖父母との大切な思い出をたくさん持っています。

チャールズとレイと過ごした時間はいつでも素晴らしかった。しかし、特に重要な思い出の1つは、2人が私に特別なカメラをくれたときです。しかし、そのカメラの特別さはみなさんを驚かせるかもしれません。

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14歳くらいの時、サンフランシスコの市立水族館でボランティアをしていました(あなたも行ったことがある場所かもしれません、ゴールデンゲートパークにある水族館です)。

私は海の生き物の世話をするのが大好きでした。

ある日、地元のテレビ局から電話がありました。簡単に言うと、ラグーンに9mのジンベイザメが閉じ込められていたため、私ともう1人子供がカントン島(現キリバス)への旅行に招待されました。 テレビ局はサメと一緒に泳ぐ2人の子供という風景を撮影したかったのです。(ジンベイザメは人を食べません)

これはチャールズとレイに何の関係があるかというと、次のようなことがありました。

さて、2人は旅行のことを聞いていたので、私が出発する前の夜、チャールズは突然カメラを持って私たちの家に現れました。

チャールズとレイは旅行について、何か心配事があると私に伝えました。

チャールズは、私が両親のニコンを借りて持って行くような気がしたと言ったのです。祖父母が心配していたのは、私が貴重なニコンを水に落とすのが怖くて、ホテルから持ち出せないのではないかということです。 (驚くべきことに両親がニコンを持って行っても良いと言ったので、これについて非常に心配していました。私はそのニコンがどれほど価値のあるものなのかを知っていたので、それは私にはストレスでした。)

 

チャールズが私に手渡したカメラは、市場に出たばかりのものでした。

そしてそれは非常に安いもので、小さく折りたたまれたレンズの初の35mmカメラの1つでした。そして彼は「水に落としても問題はない。とても安いものだよ。これでシャッターチャンスをつかめるぞ。」と語りました。

そう、そのカメラの特別な点は、高い価値であることではなく、低い価値であることでした。 派手な機能ではなく、シンプルな機能だということです。

イームズはしばしば、妥当性がデザインの重要な側面であると言っていました。

私はいまニコンを使っていますが、その時は必要ではありませんでした。その時の私には、9mのサメが下にいる小さなロッキングボートに乗せても大丈夫なほど安価なものが必要だったのです。

私はまだそのカメラを生涯大切にしています。

そして、それを使って私の最初の写真作品を撮りました。しかし、チャールズとレイが私が本当に必要なものを理解していなければ、そのカメラを手にすることすらできなかったでしょう。 それがデザインです。

 

 

Q3:伊勢丹でお客様に見ていただける特別なアイテムの見どころは何ですか。

 

多くの限定品と独占コンテンツがあるので、たくさんの見どころがあります!イームズジャイアントハウスオブカードで作られた部屋もあり、これは写真に最適です!(そこにみなさんがいることがわかるように、写真をポストしてくださることを願っています!#eamesxisetanと#eamesoffice80をつけてくださいね。

 

なかでも、いくつかのお気に入りを紹介します。

 

私が知っている最も美しいオブジェクトの1つである、1943年にチャールズとレイがプライウッドで製作したスカルプチャーの限定版を世界先行販売できるようにします。(エディションで12しかありません)

それは20世紀のデザインの要であり、テクノロジーと美しい芸術作品の試金石です。

熱心なコレクターやデザインミュージアムは、そのスカルプチャー自身が魔法のように自身のストーリーを語りかけてくるのできっと検討せざるを得ないでしょう。そして、先述のカメラストーリーのように、チャールズとレイが複数の意図をどのようにうまくバランスを取っているかをみてとれます。

美のための道具です。それは、美意識がどのように機能の一部になり得るかを示しています。また、アートがテクノロジーの最良のテスト方法であることが多いことも示しています。 そして、伊勢丹のコミュニティは、それを直接目にする最初の人々になるでしょう。 誰もチャンスを逃さないことを願っています。

 

もう一つの宝物は、イームズユーカリスケートボードデッキの限定版の世界先行販売です。

これらはイームズハウスに生えていて、根の部分が私たちの歴史的建造物を脅かしていたために伐採しなければならなかった木の1つから作られました。

その美しい木を無駄にしたくなかったので、考えたのですが、スケートボードのデッキよりも素晴らしいものは無いと思いませんか? そして、オーストラリアのスケートボードブランドGLOBEとの最初のコラボレーションとなりました。とてもエレガントです。 このデッキはとても丁寧に作られており、非常に素晴らしいです。

 

 

おもしろい事実として、デッキが作られている木は、カリフォルニア州ベニスの創設者であるアボットキニーによって150年以上前に植えられました。 そしてもちろん、ベニスはスケートボードの始まりの地であり、イームズオフィスがあった場所です。 イームズもドッグタウンのスケートボードを撮影しました。

 

ということから、彫刻とデッキは素晴らしいオブジェクトです。

 

次に、誰もが一緒に時を過ごしたいと思う素晴らしい模型がいくつかあります。

そのうちの1つは、イームズモジュラーハウスのモデルです。これは、イームズが1951年に開発したプレハブ住宅の設計です。実際に建設されたことはありませんが、魅力的なプロジェクトであり続けています。 祖父母からヒントを得て、最初のステップは、理解を深めるために、1:12スケール(ドールハウススケールと呼ばれることもあります)で非常に詳細なモデルを作成することであると判断しました。

アーカイブ内の写真、立体画像、青写真を何年にもわたって調査した後、モデルを完成させました。伊勢丹のお客様が最初に模型を覗き込み、イームズのビジョンを実際に感じることができます。

 

その小さなサイズにもかかわらず、家具がついた完全な状態です。 アーチ型の屋根とオープンプランは魅力的です-そしてあなたがイームズエレファントを見つけられるかどうか、見に来てください。 きっと楽しんでいただけると思います!

 

イームズモジュラーハウスに加えて、イームズ建築の別の表現をモデルにしたものがあります。実際、これまでに作られたイームズハウスの最も美しいモデルの1つが展示されます。モデルの製作は、イームズ事務所とイームズ財団の全面的な協力を得て、建築家の白川 裕信氏が指導しました。ディテールが絶妙です。

カリフォルニア州パシフィックパリセーズのイームズハウスに行ったことがある方ならば、その記憶がよみがえるでしょう。それほどにディテールが具体的です。そして、行ったことのない方であれば、なぜ世界中の人々にとってそこが重要な意味をもっているかリアルに感じ取ることができるでしょう。

 

 

これらの2つの模型、スカルプチャー、スケートボードデッキ、およびヴィンテージのイームズのレッグスプリントとグラフィックスが一堂に会することは非常に貴重な機会です。それに加えて、レイ・イームズの絵画とチャールズ・イームズの写真の限定版のプリントもあります。また、おもちゃやパズル、そしてセレクトされたイームズの家具などが世界先行販売となります。

 

レッグスプリント

 

伊勢丹でのイベント「Eames Office: 80 years of design innovation」をぜひ、直接体験して欲しいです。

イームズハウスの模型の写真をみることは、実物から数インチの距離であなた自身のユニークな視点で見ることとは同じではないですし、スケートボードの画像をみるだけでは、その木の質感やその100年の歴史を直接感じることは難しいでしょう。同様に、プライウッドスカルプチャーの彫刻の写真を見ても、ローズウッドの木目の形や色のすばらしい豊かさに気づくことはできません。

 

直接伊勢丹の会場で、間近でみることによりチャールズ&レイのクリエイティブな精神が目の前に表現されているのを感じることでしょう。

 

11月5日伊勢丹でお会いしましょう。

 

 

 

Eames Demetrios answers to 3 Questions

 

Q1: Please let us know your thoughts for the project with Isetan.

 

We are very grateful to Isetan for reaching out in the 80th anniversary year of the Eames Office with an incredible chance to tell our story to the people of Japan--and the world.  It allowed us to reflect on the arc of what Charles and Ray accomplished--but also give a sense of what our generation has done and intends to do.

 

The Isetan space is so inviting--and we have such a long history with Isetan-- that it is like visiting a friend's house.  In terms of the experience, we wanted to share some of the history of Charles and Ray, but also show the exciting new projects we are engaged in.  We are presenting some major projects to the public for the very first time.

 

Another really important point is that all of our partners have put a huge amount of effort to get this show to be as rich in texture as possible. Our partner Isetan has been tireless, of course. And, in the middle of a pandemic, our partners Herman Miller, Vitra, Reebok, Globe, Art of Play and Ravensburger have all been quite generous with their time and energy. That includes the dedicated staff of the Eames Office and the teams who help us regularly—this exhibition as been our main event all year.  Altogether, it was people from 4 continents in 10 countries and over 40 different cities who made this incredible experience possible.

 

Lastly, the Japanese people have been supportive of the Eames work for generations.  I think there is a common feeling of respecting tradition and yet exploring innovation. Charles and Ray had many dear friends here in Japan. And, in 1994, the first major project of the Eames Office after Ray's death was a multimedia project based on Powers of Ten for a Fujitsu educational platform. Our production partner was based in Sapporo.

 

Over the years, we have been invited to do many events in Japan, and yet this show at Isetan is the first time in decades (anywhere in the world) that so much new content from Eames Office has premiered in one place.  Thank you, Isetan, and thank you, Japan.

 

 

 

Q2: Could you please share with us your episode with your family, Charles and Ray.

 

Myself and all four of my siblings have many treasured memories with our grandparents.  Any time spent with Charles and Ray was amazing.  But one particularly important memory is the time they gave me a special camera--but what was special about the camera may surprise you.

 

When I was about 14 or so, I was a volunteer at the municipal aquarium in San Francisco (you might have been there--it is the one in Golden Gate Park).  And I loved taking care of the sea creatures.  One day I got a call from the local TV station--and, to make a long story short, I and another kid were invited to  a trip to Canton Island (now part of Kiribati) because there was a 30 foot whale shark trapped in a lagoon and the TV station wanted to film 2 kids swimming with it (whale sharks do not eat people).

 

What does this have to do with Charles and Ray? Well, naturally they heard about the trip and so, the night before I was going to leave, Charles unexpectedly showed up at our house with a camera. He told me that he and Ray had been thinking about the trip and they were worried about something .

 

Charles said that they had a feeling I would borrow Mom and Dad's Nikon to take with me.  What worried my grandparents is that I would be so afraid of dropping the precious Nikon in the water I would never even take it out of the hotel room.  (The amazing thing is that I was VERY worried about this, because my parents had said I could take the Nikon.  I knew how valuable it was--and it was stressing me out.)

 

The camera Charles handed me was new to the market. And it was very cheap--it was one of the first 35mm cameras that folded up small and had a reasonable lens.  And what he said was: "If you drop it in the water, it is no problem. It is very cheap. You can take chances with it." So what was special about the camera was not high value, but low value. Not fancy features, but simple features.

 

The Eameses often said that appropriateness was a key aspect of design. I use a Nikon today, but it was not what I needed then. Then I needed something inexpensive enough that it was okay to take it on a small rocking boat with a 30 foot shark underneath!  I still protected it with my life, but I needed that permission.  And I took my first published pictures with it--but I wouldn't have even had a camera in my hand without Charles and Ray understanding what I really needed.  That's design.

 

 

Q3: What is the highlights of the special items our customer will be able to see at Isetan.

 

There are many highlights--quite a few limited editions and exclusive content.  There is  even a room made of the Eames Giant House of Cards--perfect for a photo! (And we hope you post your pictures on line so we'll know you're there! #eamesxisetan and #eamesoffice80). 

 

So I will call out some of my favorites:

 

For the first time ever, we are making available a limited edition (Total series Just 12) of one the most beautiful objects I know: the 1943 sculpture Charles and Ray made in molded plywood.  It is a pivot point of 20th Century design--it is a test of the technology and a beautiful work of art.  Any serious collector and design museum should be considering it because it tells its own story so magically.  And, like the camera story, it shows how Charles and Ray balanced multiple intentions so well. 

 

It is a tool for beauty.  It shows how aesthetics can be a part of function--and also shows art can often be the way technology is best tested. And the Isetan community wil be the first people to see it in person.  I hope no one misses their chance.

 

Another treasure is the limited edition of 100 Eames Eucalyptus Skateboard Decks.  These have been made from one of the original trees at the Eames House that had to be cut down because its roots were threatening our historic structure.  We didn't want to let that beautiful wood go to waste and we decided: What would be more wonderful than a skateboard deck? And thus it became the first collaboration with the Australian skateboard brand GLOBE--so elegant.  This deck is so carefully crafted it is amazing.

 

Fun facts: the tree the decks are made of was planted over 150 years ago by Abbot Kinney--the founder of Venice, California.  And Venice, of course, is where skateboarding started and the Eames Office was located. The Eameses even filmed some skateboarding in Dogtown.

 

So the sculpture and the decks are incredible objects.  Then we have some amazing models that everyone will want to spend time with.

 

One of them is a model of the Eames Modular House--a design for a pre-fabricated house that the Eameses developed in 1951.  It was never built, but remains a tantalizing project.  Taking a cue from our grandparents, we decided our first step would be to build an incredibly detailed model at 1:12 scale (sometimes called the dollhouse scale) so that we could understand it better.

 

After years of exploring photographs, stereoscopic images and blueprints in the archives, we have completed the model and Isetan audiences will be the first to peer into it, getting a real sense of the Eamesian vision. Despite its tiny size, it is fully furnished.  The arching roof and open plan are compelling--and see if you can find the elephant.  You will enjoy your visit!

 

In addition to the Eames Modular House, there will be another representation of Eames architecture.  In fact, one of the most beautiful models of the Eames House ever made will be on display.  The making of the model was guided by architect Hironobu Shirakawa, with the full co-operation of the Eames Office and Eames Foundation.  The detail is exquisite. 

 

If you have been to the Eames House in Pacific Palisades, California, memories will come flooding back--the specifics are so strong.  And if you have not been there, this will give you a real sense of why this place is so important to so many people around the world. 

 

Having these two models, the sculpture, the skateboard decks–as well as vintage Eames splints and graphics–all in one place is going to be a rare alignment.  Beyond all of those items, there will be limited edition prints of Ray Eames paintings and Charles Eames photos.  There will be toys and puzzles never available ever before. And some select editions of Eames furniture and other designs.

 

Our Isetan show Eames Office–80 Years of Design will be an experience that must be had in person.  Seeing a photo of the model is not the same as being inches away, taking in our Family's home through your own unique vision; seeing an image of the skateboard deck is nothing to the way the texture and one hundred year history of the wood reveals itself to you in person; and seeing a picture of the Molded Plywood Sculpture  will not prepare you for the glory richness of shapes and colors in the rosewood grain. Standing in the gallery you will feel Charles and Ray's creative spirit expressed before you.

 

We hope we will see you at Isetan November 5th.

 

 

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