イセタン ザ・スペース
岐阜県瑞浪市に窯を構え、緑豊かな環境で自然や四季から影響を受けながら作陶を続けている現代陶芸作家・川端健太郎の個展「wrinkle freckle / 皺・そばかす」を、8月5日(水)より伊勢丹新宿店 本館2階「イセタン ザ・スペース」で開催します。
手捻りによる磁土にガラスの破片を混ぜ込み、釉薬をかけて焼成する独自技法。その技法で新たに制作された作品を中心に、作家自身による空間デザインとともにお楽しみいただけます。
ぜひこの機会にお越しください。
=Statement=
本展のタイトル 「wrinkle freckle / 皺・そばかす」 は、会場の向かいに化粧品売り場があることから着想されたものです。化粧には、顔の印象を変え、表情を引き立て、肌を整えるさまざまな働きがあります。その一方で、皺やそばかすもまた、一人ひとりの顔に異なる表情を与えるものです。
これは、皺やそばかすを肯定し、化粧を否定するという単純な対立を示すものではありません。川端が目を向けているのは、表面を整えることで生まれる美しさと、そこに現れたものを覆わずに残すことで見えてくる美しさです。
川端氏が主に用いる磁器土は、白さやきめの細かさ、均質さを特徴とする素材です。制作を始めた頃、磁器土に異なる物質を加えることについて、せっかく白くつくられた土をなぜ汚すのか、と問われたことがありました。
しかし川端氏は、それを磁器土の価値を損なう行為とは考えず、釉薬やガラスなどを組み合わせることで、純白で均一な磁器土だけからは生まれない色、濁り、にじみ、斑点を引き出し、磁器という素材の別の可能性を探ってきました。
川端氏の作品は、作家が思い描く表情の方向性に、磁器土や釉薬、ガラスが焼成のなかで見せる変化が重なることで生まれます。歪みや流れ、濁り、色の重なりといった想定を超えた結果についても、単純に成功や失敗として分けるのではなく、それが作品に必要な要素となり得るかを慎重に見極めながら制作されています。
素材を一方的に制御するのではなく、そこに起きた変化を注意深く受け止める川端氏の穏やかさと粘り強さは、こうした制作への向き合い方にも表れています。
そうして生まれた作品では、ひだ状に寄せ重ねられた磁器土の起伏が身体に刻まれた皺のようにも見え、磁器土からにじみ出る釉薬やガラスの色と斑点は、そばかすやシミのように表面に現れます。
それらは完成した形の上に付け加えられた装飾ではなく、異なる素材が混ざり、溶け、流れ、焼き締まるなかで生まれる作品そのものの表情であり、その部分にこそ、川端氏の手の働きと素材の反応、そして制作のなかで重ねられてきた判断が最も率直に現れています。
「wrinkle freckle / 皺・そばかす」 は、川端健太郎氏が磁器土の白さやなめらかさの内側から引き出してきた、複雑で多様な表情を通して、磁器の可能性を示す展覧会です。
Undulating, 2025
12.1 x 16.5 x 22.5 cm
tea bowl, 2025
8 x 16.5 x 15 cm
Abandonment, 2025
磁土、スラグ、ガラス、シルバー、プラチナ (Porcelain, Slag, Silver, Platinum)
37 x 48 x 27 cm
= ARTIST BIOGRAPHY =
川端 健太郎 / Kentaro Kawabata
1976年、埼玉県生まれ。岐阜県を拠点に制作。1998年に東京デザイナー学院陶器科を卒業し、2000年に多治見市陶磁器意匠研究所を修了した。
磁器土に釉薬やガラスなどの異なる素材を組み合わせ、焼成によって生じるにじみ、濁り、斑点、亀裂、歪みを取り込みながら、複雑な色彩と独自の形態を持つ作品を制作している。
2004年に益子陶芸展加守田章二賞、2007年にパラミタ陶芸大賞、2024年度日本陶磁協会賞を受賞。
日本をはじめ、アメリカ、ブラジル、フランス、スイスなど国内外で個展、二人展およびグループ展を重ね、国際的に活動している。作品は国内外の美術館および公的コレクションに収蔵されている。
【企画概要】
川端 健太郎 <wrinkle freckle / 皺・そばかす>
会期:2026年8月5日(水)~8月30日 (日)
会場:伊勢丹新宿店 本館2階 イセタン ザ・スペース
https://www.mistore.jp/shopping/feature/women_f3/isetanthespace_w
企画協力:Nonaka-Hill
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