オーダーするとき、その日の主役の笑顔が思い浮かぶ。<ロリオリ365 by アニバーサリー>のデコレーションケーキほど幸福感あふれるスイーツはないだろう。デザインのインスピレーションはどこから?
「ヒントになるのは、ファッションなどさまざまです。昔は婦人雑誌をよく参考にしていましたね。たとえば、ボタン一つとっても、このブランドのものはかわいいなとか、細かいところまで見ていました」
こう話すのは本橋雅人シェフ。国内のパティスリーでパティシエを務めたのちに、シュガークラフトを学ぶべくイギリスへ渡った。好きだったウェディングケーキ作りを極めるには、シュガークラフトの技法を修得することが欠かせないと感じたからだ。マンチェスターでは英国王室のウェディングケーキを手がけた職人にも出会い、その技術や考え方に触れることができたという。
オーナーシェフ 本橋雅弘さん
渡英して本場のシュガークラフトを修得したのち、1990年に日本初の記念日をテーマにしたパティスリーをオープン。現在、3ブランドをプロデュースしている。
帰国後、日本で初となるウェディングやデコレーションケーキの専門店をオープンする。
「私がデコレーションケーキを手がけ始めた頃、日本はまだ、ウェディングケーキは食べないのが前提という時代でした。それでは寂しいですよね。見て美しいだけではなくて、食べておいしくなければ」
華やかなビジュアルとおいしさの両立を叶えたのは、独自の卓越した技術。通常ならシュガークラフトでなければ形づくれないような繊細なデコレーションを、本橋シェフは生クリームを使って再現してみせる。その唯一無二の手仕事から生み出されるのが、<ロリオリ365 by アニバーサリー>のデコレーションケーキだ。
「私の原点はウェディングケーキですが、その技法やデザインは、記念日のケーキにも通じるものです。『ラブリーリボンピンク』は、初めウェディング用にとデザインしたものを、バースデーなどのお祝いにもいいなと考えてアレンジしました」
ラブリーリボンピンク(1台/直径約13cm)5,292円
白とピンクの2色のクリームを使用していて、ピンクのクリームはイチゴのピューレ入り。4〜5名用の13cmから、9~11名用の19cmまでの3サイズ。リボンはホワイトも。
口溶けの良い生クリームのショートケーキに3種のベリーとチョコレートのリボンをあしらった、ギフトにぴったりのケーキ。大きなリボンのモチーフは、当初ウェディングケーキにと考案したものだが、バースデーをはじめ、あらゆるお祝いのシーンに贈られる定番になった。
しっかり泡立てたホイップを絞り袋に移し、一定のリズムでバラ模様を描いていく。1周してピッタリと収めるのは熟練の技。
チョコレートのリボンをパーツごとにのせていく。
箱を開けた瞬間のわくわく感が好きだと語るシェフ。今でこそ、カラフルなクリームやチョコレートは珍しくないが、イギリスから帰国した当時、そういったお菓子を作るパティシエはほとんどいなかった。
「チョコレートもシックで大人っぽいものが人気でした。ところが、伊勢丹新宿店のバレンタインフェア用に作ったピンク色のチョコレートが売り上げ2位になったのです。手応えを掴んだ出来事でしたね」
現在、スタッフとのデザイン会議は毎週行っている。ウェディングやホールケーキはもちろん、小さなケーキやクッキーに至るまで、スタッフ皆が細やかなデザインへのこだわりを持っている。
「学生にお菓子作りを教えにいくこともあるのですが、今の若い人はとてもカラフルなケーキを作りますね。これからはそういう時代。私たちも、もっと突き抜けたデザインにも挑戦していきたいです」
スイートレディホワイト(1台/直径約13cm)5,292円
ドレスをまとったプリンセスをイメージした夢のある一品。レース1枚1枚のひらひらとした薄さを生クリームを絞る技術で表現し、砂糖菓子の人形をトッピング。ドレスの中はスポンジにイチゴと生クリームをサンドしたドーム型ショートケーキ。女の子の誕生祝、七五三、結婚祝などに。
3花弁のようなレース1枚1枚がホイップクリームを絞ったもの。360度、後ろ姿までも麗しい。
グレースホワイト(1台/直径約10cm)2,970円
ふわふわのスポンジに口溶け滑らかな生クリームをたっぷり使用し、新鮮なイチゴなどのベリーをトッピングした、万人に愛される王道のショートケーキ。ケーキから花びらが溢れるような、華やかでいて大人っぽさも感じられるデコレーション。お祝いにはもちろん、人が集う日のお持たせにも。2~3名用から9~11名用までの4サイズから選べる。
プティデコクッキー クラシック M(11個入)2,592円
丁寧に焼き上げた一口サイズのデコレーションクッキー。箱を開けた瞬間、美しさに驚くのはケーキと同様。さながら小さな宝石のようにそれぞれがデザインされている。「フラワーショコラ」「アマンドフロランタン」「ストロベリーコンフィチュール」「柚子パッション」と、味わいも食感も異なる4種のバリエーションを楽しめる。
「柚子パッション」の仕上げは柚子のへたに見立てたピスタチオをトッピング。
あまおうのジャムをストロベリークッキーでサンドした「ストロベリーコンフィチュール」。
ロリオリとは、四季折々の「OLIOLI」に、フランス語の定冠詞をつけたブランド。365日、いつの記念日にも目と舌を楽しませてくれる洋菓子を手がけている。
Text : Aya Kurosawa
Photo : Yoshinori Kurosawa,Yuya Wada