2024.9.13 UP
「この売り場の前を素通りできない」「伊勢丹の惣菜売り場の隠れ番長」なんてささやかれる洋惣菜店<レブレ>。きらきら輝くような惣菜が並ぶ冷蔵ケースには、サラダから冷前菜や肉料理、アルザス・ロレーヌ地方の郷土料理のキッシュなど、フランスのエッセンスを取り入れた料理がぎっしり。色味や盛り付けが華やかで、その充実ぶりは圧巻である。
伊勢丹新宿店、三越日本橋本店、三越銀座店に店舗を構えるが、中でも伊勢丹新宿店は販売面積が一番広く、アイテム数も扱い量も多い。
店名<Raible(レブレ)>は、ぶどう「raisin」と小麦「ble」を意味するフランス語を掛け合わせた造語で、ワインとパンにあう料理をコンセプトにしている。
自分で作るには難易度が高かったり、使っている素材の組み合わせに工夫があったり、見映えがよくボリューム感もある、といったお店で食べるような本格的な料理を手軽に買えるのがありがたい。
お客さまを招く日、ちょっと贅沢したい日、あるいはワインが飲みたい気分の日といったシチュエーションはもちろん、「ご飯を作る気力はないけれどおいしいものが食べたい」なんて時にも心強い味方になってくれる。
断面が美しいテリーヌをはじめ、セントラルキッチンで丁寧に作られた惣菜を店舗併設のキッチンでカットし、見映えよく陳列する。
海老とサーモンのバジルチーズテリーヌクレープ包み(100g)735円
バジルソースとレモンで爽やかに仕上げたチーズのムースに、海老、スモークサーモンとアスパラのアスピックを組み合わせた定番のテリーヌ。それぞれの味わいが立つよう、バジルの風味は控えめに。色鮮やかで食感も多彩、食卓が華やぐ一品。
ケースに並ぶ惣菜の中でも目を引き付けるのは、銚子沖で水揚げされたイワシやアジなど近海で揚がった魚介の料理が多彩に展開されていること。一般的な惣菜店で鮮魚を使った料理を積極的に扱う店はそう多くないが、真鯛のカルパッチョや鯵と香味野菜のマリネ、さばのはさみ焼きなど、食欲をそそるものばかり。
メニュー作りについて、企画部の長谷川未来さんはこう語る。
「新宿店はとくに幅広い年代のお客さまが集うため、トレンドを取り入れながら様々な洋惣菜を展開しています。皆さまが食べなれている魚介、たとえば鮪のような魚だけでなく、少し高価で珍しい素材を積極的に使っています」
魚介は野菜と組み合わせたり、インパクトのあるソースにしたりと食欲をそそる内容。地味さとは無縁。
魚介のみならず、野菜や肉類の素材選びにも心をくだいている。「レストランのクオリティでいて、外食よりリーズナブル」「入院中の母への手土産にしたら、とても喜んでもらえた」といったお客さまの声が聞かれ、リピートする方も多い。
肉料理も厚切り牛タンや黒毛和牛のすね肉、牛ほほ肉など多種の部位を用いている。
「フレンチ料理のブランドなので現地の味付けをなるべく再現出来るよう心がけています」と語る、長谷川さん。
季節の食材を多用するため、種類はどんどん変わるが、リピートする方の多い人気の定番品もある。
炭火焼みすじのローストビーフ きのことトリュフのソース(100g)1,458円
希少部位のみすじを炭火で香ばしく焼き上げながらも、柔らかな食感を実現。きのこソテーとトリュフソースを合わせて香り高く!
パテ ド カンパーニュ(100g) 594円
衛生管理と飼育環境に配慮した千葉県産の豚肉とレバーを使用。ハーブや香辛料を加えたフランスの田舎風テリーヌで、凝縮した肉の旨みが相乗する人気商品。
自宅での食事は、外食ほどお金もかからず、リラックスしながら味わえるのがいいところ。気候のいい季節なら、近場のピクニックでも楽しめそうだ。
ちょっと疲れた日や時間のない時でも、食卓のごちそう感を高めてくれる料理は、心の英気まで養ってくれる。上手に頼れば、メリハリのある生活につながるだろう。普段使いから、みんなが集まるハレの日までどんとこい。「<レブレ>がある」という心強さがある。
Text : Yumiko Numa
Photo : Yu Nakaniwa , Yuya Wada