2023.10.6 UP
和食の基本である「だしをとる」という調理法。昆布をひと晩水に漬けて、沸騰したらかつおぶしを入れて……。そう、これこそがおいしい和食への第一歩。でも最近、すっかりその作業から離れつつある私がいる。だって、「だしパック」という便利な商品が、すっかり生活になじんでいるのだ。昆布やかつおぶしを粉末にしてシンプルにパック詰めしたものから、塩味が調整されたものまで。ひと袋があれば、気軽に本格的なだしがとれてしまう。
たちのぼる湯気から香る、かつおや昆布の旨みの気配。忙しい毎日の中で、このやさしい湯気の香りを吸い込むだけでホッとする。そう、昔ながらの方法ではないかもしれないけれどなんだか今自分ができることを応援してくれているような気になるのだ。最近は、便利な調味料としてだしパックを使うことも多い。袋を破り、中の粉を炒め物に少しかけたり……。だから私の冷蔵庫には、保存容器に入った使いかけのだしパックが入っている。お気に入りは、炊き込みごはん。ひとパック、封を破って米に混ぜて炊き上げる。「これぞだしパックの神髄!」と言いたくなるほど濃厚なだしのごはんが出来上がる。
今回はひじきとさつまいものごはんを紹介したけれど、だしパックと細切りの油揚げだけもおすすめ。見た目はとんでもなく地味だけれども。
今回の主役アイテム
<味の兵四郎>あご入兵四郎だし(9g×30袋入)2,268円
伊勢丹新宿店 本館地下1階 シェフズセレクション
あごなど6種のだし素材をブレンドしただしパック。
<大高醤油>関東仕込京仕立淡口醤油(120ml)605円
伊勢丹新宿店 本館地下1階 シェフズセレクション
素材のおいしさや色を際立たせる薄口しょうゆ。
<魚勢>三陸産 アカモク(30g×3個)299円
伊勢丹新宿店 本館地下1階 フレッシュマーケット
スーパーフードとして注目される海藻のアカモク。
<萬藤>花麩(30g/1袋)400円
伊勢丹新宿店 本館地下1階 シェフズセレクション
浅草の乾物問屋による、汁物を華やかに彩る花麩。
根みつ葉(茨城県産/1袋)540円
伊勢丹新宿店 本館地下1階 フレッシュマーケット/青果
茎まで香り高い根三つ葉。爽やかな風味を味わえる。
<ドメーヌメイエ フォンネ>ジョンティ(フランス製/750ml)2,640円
伊勢丹新宿店 本館地下1階 グランド カーヴ
和食にも寄り添うおだやかな味わいのアルザスワイン。
さつまいも 1/2 本(約200g)
ひじき(乾燥) 大さじ2
油揚げ 1枚
米 2合
水 360㎖
【A】
・だしパック(袋を破る)1袋
・酒 大さじ2
・しょうゆ 大さじ1
作り方
①さつまいもは2㎝角に切り、水にさらす。ひじきはたっぷりの水で戻す。油揚げは5㎜幅に切る。米は洗ってざるに上げる。
②炊飯器に米、〔A〕、さつまいも、ひじき、油揚げ、水を入れて炊く。
材料(4人分)
てまり麩 8個
アカモク(好みの海藻) 1パック
だしパック 1袋
三つ葉(ざく切り) 適宜
水 600㎖
作り方
①鍋に水とだしパックを入れて火にかけ、3分ほど煮出す。てまり麩は水で戻し、水気をしぼる。
②だし汁にアカモク、てまり麩を入れて1分ほど煮る。三つ葉を加えて火を止める。
定期的に、冷蔵庫の野菜を整理するような料理を作る。その筆頭が、炒めびたしだ。
ほんの少しずつ余ったれんこんやピーマン。それらを少しずつ個別に調理するのは大変だけれど、一気に炒めてしまえばみな兄弟。夜のおつまみ、昼のお弁当などに大活躍してくれる。
そんなときに、全体をまとめてくれるのがだしパック。袋を破ってパラパラかけるだけで、一気においし
さを底上げしてくれる。
「兵四郎だし」なら塩分も調味されているので、ほぼ味付けなしで出来上がるのもうれしい。野菜がもつおいしさを尊重しながら、和食屋さんのような一品が出来上がる。
材料 (作りやすい量)
なす 2本
れんこん 50g
カラーピーマン 2個
万願寺唐辛子 2本
ごま油 大さじ1
【A】
・だしパック 1袋
・水 200㎖
作り方
①なすは乱切り、れんこんはいちょう切り、カラーピーマンは2㎝幅、万願寺唐辛子は斜めに3等分する。
②フライパンにごま油を中火で熱し、野菜を炒める。全体に油が回ったら〔A〕を加えて水分がなくなるまで炒め煮にする。
※生鮮品は天候などの諸事情により入荷がない場合、また収穫状況により、産地、価格、販売期間が変更になる場合がございます。
※20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されています。
写真:福田喜一
スタイリスト:野村奈央
文:ツレヅレハナコ