お餅が大変身!「トッポッキ風」おつまみと「いちご大福」 ―樋口直哉さんの『料理のツボ』―

2025.1.15UP

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 お正月が過ぎると余りがち、という声も聞きお餅。意外と使い道は多いので、上手に料理して、おいしく食べ切りましょう。今日は切り餅を使ったおつまみ料理とかんたんな和菓子をご紹介します。

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昔、お餅はあまり日持ちしない食べ物の代表で、すぐにカビが生えてしまうものでした。カビの発生を抑えるために水に漬けて水餅にしたり、乾燥させて油で揚げて食べたりしたものでしたが、最近の切り餅は格段に日持ちするようになりました。菌やホコリなどが入らないクリーンルームで製造されるようになったからです。とはいえ冷蔵庫で2週間。それよりも長く保存したい場合は冷凍をオススメします。

 

餅は米作りが盛んなアジア圏の料理で、中国では旧正月に年糕(ねんこう)という餅菓子を食べます。韓国ではトックという餅を料理したトッポッキが有名です。トックはうるち米からつくりますが、日本のお餅を使うと歯応えがあり、また違ったおいしさが出ます。

 

◼️お餅のトッポッキ風

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<材料>

切り餅     2枚

しょう油    大さじ1

ごま油     大さじ1/2

砂糖      大さじ1

韓国産唐辛子粉 小さじ1

長ネギ     1/6本分

サラダ油    大さじ1

 

<作り方>

韓国料理のキルムトッポッキという料理のアレンジです。ちなみにキルムとは油のこと。唐辛子のうま味、から味、香りを移した油をソース代わりに絡めます。

 

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韓国唐辛子の細挽きを使います。

 

必要な材料は韓国産の唐辛子です。日本と韓国では唐辛子の品種が異なり、日本では鷹の爪系統の辛味が強い唐辛子が主流。一方の韓国産唐辛子にもいろいろな品種がありますが、基本的には中型〜大型で、甘みとうま味が特徴。まろやかな辛さで、独特の味わいが生まれます。また、韓国の唐辛子の使い方には粗挽きと細挽きがありますが、今回は後者を使います。

 

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味付けはシンプル。長ネギは縦半分に切ってから細かく刻んでおきましょう。

 

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餅は火が通りやすいように、7〜8mm幅に切ります。餅はすでに火が通っている食べ物ですが、再加熱することでやわらかく食べられます。

 

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唐辛子、砂糖、しょう油、ごま油を絡めます。

 

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長ネギを加えてさらに和えましょう。全体に絡まればOKです。

 

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フライパンにサラダ油をひき、中火にかけます。

 

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フライパンにボウルに残ったたれごと加え、弱火に落とします。

 

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蓋をして、時々、お餅を裏返しながら餅がやわらかくなるまで火を通していきます。箸でつまんでやわらかさを感じる状態になれば出来上がりです。

 

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キルム(油)の名前の通り、赤い油が絡んだネギのタレが絶品です。韓国では箸を使わずに爪楊枝で食べるようです。ビールにあう味わいですが、おやつにもなります。お正月、お雑煮に磯辺焼き……という風に食べてきてところに辛味が加わることで飽きない味わいに仕上がっています。

 

トッポッキ風はモチモチした食感がおいしい料理ですが、やわらかく食べるには電子レンジにかけるのが一番です。次にご紹介するのは餅をレンジにかけて、水分と砂糖を足し、イチゴとこしあんを包んだいちご大福です。

 

◼️いちご大福

 

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<材料>

切り餅  2枚

砂糖   大さじ1/2

水    30ml

こしあん 60g

イチゴ  2個

片栗粉  適量

 

<作り方>

作り方は、かんたんです。

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いちごは大粒のものを使っていますが、小粒であれば3〜4個分の分量です。

 

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いちごは洗い、包丁でヘタをくり抜きます。

 

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こしあんを手で伸ばし、いちごを包みます。

 

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ボウルに切り餅と砂糖、水を入れ、ラップをかけて600wの電子レンジに1分かけます。

 

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1分経ったら一度取り出し、上下を裏返したら、同様に600wの電子レンジでもう1分加熱します。ゴムベラでよく練って、餅に水分を加えましょう。

 

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片栗粉をひいたバットに移します。上からも片栗粉を薄く振ると手につきづらくなります。

 

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餅を丸く伸ばして、あん+イチゴをのせ、下から包んでいきます。

 

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最後につまんで餅同士をくっつけ、表面に片栗粉をふれば出来上がり。

 

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餅に砂糖を加えたので冷めてもある程度のやわらかさは保てますが、それでも時間が経つと硬くなってくるのでできたてを食べましょう。ふつうのいちご大福には餅ではなく、求肥が使われます。求肥は粉にしたもち米に水と糖を加え加熱し、練り上げたもの。糖分の働きで硬くなりにくいのです。

 

一方、切り餅からつくるいちご大福はモチモチ感が魅力。また、いちご大福は作ってから時間が経つとイチゴの表面に付着している酵母があんの糖分と出会うことで発酵がはじまり、フレッシュ感がなくなります。たまにイチゴの酸味を強く感じるイチゴ大福があるのはこのため。自分でつくれば最高に新鮮なイチゴと出会える、というわけで、そこに作る価値があります!

 

Text&Photo : Naoya Higuchi

 

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