柴功一さんは隠岐の島町で数少ない、園芸専作経営を行っている青年農業士です。また、島根県のGAP認証である＜美味しまね認証＞を取得しています。元々は野菜の苗づくりをメインで行っていましたが、島内のスーパーに並ぶ野菜のほとんどが島外から仕入れられている現状をなんとかしたいという思いから本格的に野菜栽培を開始しました。トマト、きゅうり、いちごに絞った専作栽培を行っていますが、今回は収穫シーズンのきゅうりをご紹介します。青臭さが苦手という人でも食べることの出来る、瑞々しくパリッとした食感のきゅうりです。

藻塩は古来より存在する塩で、作る地方によって原料となる海藻が異なり味わいも異なります。隠岐の藻塩は島で古くから食べられてきた海藻「あらめ」とローソク岩付近の海水から精製します。1トンの海水を1週間かけて煮詰めていき20kgしかとれない貴重な塩。色は茶色でにがり成分を多く含みますが渋みはありません。温暖化の影響であらめの採集量も激減し、藻塩の生産者も減ってしまったことから非常に貴重な塩です。まずは塩むすびなどで食べてみると、塩の特長がよくわかります。今回は島の文化の紹介を目的とした限定数での販売です。

「島の香り　隠岐藻塩米」は、隠岐の島の特色を生かして作られた特別栽培米（減農薬、減化学肥料）です。真夏の暑い時期に藻塩の水溶液を田んぼに散布して栽培しています。古来より伝わる、海藻のあらめを肥料として播いていた隠岐の島の伝統農法を現代版にアレンジし、平成15年からブランド化の取り組みを開始しました。日本では珍しいアルカリ岩から構成される隠岐の島のきめ細かい土には、マグネシウムが島根県内の平均よりも1.5倍前後多いとされています。さらに特徴的なのが、藻塩を薄めた水溶液の噴霧です。稲に極限までストレスをかけ、海からのミネラル成分を根と葉の上下両方からたっぷり吸収させて、養分を蓄えることで美味しいお米に育ちます。

「あらめ」は主に日本沿岸海域で収穫される海藻でワカメともコンブとも少し違います。食する部分がワカメより肉質が厚く、表面が荒々しいことから「あらめ」と呼ばれています。乾燥のあらめはぬるま湯で20分ほど漬けてふやかすとつやつやと黒光りします。ヒジキのように炒め煮すると食感があって美味しいごはんのおかずになります。