
日本の夏は、お化けの夏。
江戸時代、歌舞伎小屋が夏に「涼み芝居」と称し
怪談物を特集したことがきっかけで、
夏に怖い話を愉しむ文化が広がったと言われています。
この夏、銀座三越には不思議なあやかしたちが大集合。
妖怪画の祖と呼ばれる浮世絵師・鳥山石燕の作品を着想源に、
令和の絵師があらたな解釈で描きだした百鬼夜行が、
みなさまをお出迎えいたします。
心で涼を感じる、江戸の文化をお楽しみください。
2025年6月25日(水)~8月19日(火)
本館1階 ライオン口
銀座三越の2025年夏のシーズン装飾「あやかし銀座」では、アーティスト・栗田有佳さんが描く、不思議なあやかしたちが館内を彩ります。登場するあやかしのルーツは、江戸中期に活躍した浮世絵師・鳥山石燕(1714~1788)が描いた日本古来の妖怪たち。WEBコンテンツ「あやかし図鑑」ではすべてのキャラクターの正体をご紹介します。また、サウンドデザイナー・TWOTHスダシンイチさんによるオリジナルBGMや、装飾に合わせてセレクトした妖しく涼しげなアロマの演出も実施。ぜひあやかし銀座の世界観をご体感ください。
鳥山石燕『百鬼夜行3巻』より
出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」
Illustration
栗田有佳 Yuka Kurita
COMMENT
古くから伝わる妖怪たちと現代の交差をポイントに、にぎやかで不思議な世界を目指しました。細部まで楽しめるよう構成し、空間全体に物語が広がるよう心がけています。
PROFILE
イラストレーターとして活動し、パッケージ、広告、書籍の装画などに携わっています。有機的なフォルムや鮮やかな色使いで、生き物や自然の"かたち"を追求しております。伝統的な表現に現代的な感覚を重ね、自分なりの世界観を模索しています。
Sound Design
Twoth(スダシンイチ)
PROFILE
音楽家・デザインディレクターとして、音とデザインを結びつけた独自の視点で活動。ハイブランドからストリート、NHK Eテレまで、多彩なプロジェクトに挑み、新たな音楽体験を追求している。
アヌシー国際アニメーション映画祭で日本人初の音楽賞を受賞後、GoogleのCM、SONY『toio』の音場デザイン、NHK『オトッペ』の音楽制作などを手がけ、国内外で高い評価を獲得。「ALTERNATIVE KYOTO - もうひとつの京都」では、元伊勢籠神社を舞台にしたインスタレーションの音響演出をはじめ、ISSEY MIYAKE PARIS COLLECTIONやGoogle AR & VRプロジェクトといった、ジャンルを超えた革新的な取り組みに挑戦している。Twothのサウンドは、音楽の原初的要素である『聴く』『響く』『叩く』を出発点に、環境や身体と共鳴する新たな感覚を模索するとともに、クラブフロアにも通じるビートと空間性を取り入れることで、音楽の枠を超えた独自の共鳴と体感を引き出している。
環境への取り組み
東京生まれの木材を、再利用まで。
<東京チェンソーズとの協業>
「あやかし銀座」の装飾に使用されている木材は、すべて東京都の檜原村産です。今回木材を使用するにあたり、銀座三越は装飾期間の終了後に木材を有効活用できないかと考えました。そこで出会ったのが、東京都西多摩郡檜原村にある林業会社<東京チェンソーズ>です。今回の装飾に使用したのは東京産の杉。適正な森林の管理の一環で作られた木材で、展示終了後は解体し再利用します。彼らとの協業により、東京で育ち、加工された木材を使用し、再利用まで行うという「地産地消」型の装飾を実現することができました。かつて江戸の町はすぐれた循環型社会であったと言われます。木材の質感や情緒を楽しみながら、そこにある小さな自然の循環も感じていただければ幸いです。
檜原村にある地元の森林組合から独立した4名が「誇りを持って働ける労働環境を実現したい」、そして「新しい林業にチャレンジしたい」との想いで、2006年に創業しました。森づくりを軸に、これまで未利用で放置されていた根株や枝葉まで、商品として見える化し販売する「1本まるごと販売」や、多くの人に木や山に親しんでもらうための「森デリバリー」「6歳になったら机を作ろう!」などさまざまなプロジェクトを展開。地域や企業を巻き込みながら活動している。
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