2023 Winter
MITSUKOSHI Art Selection

今井龍満 特集

エナメルを垂らす「ポアリング」という技法で、動物たちの生命力や躍動感を表現する今井龍満氏。
日本橋三越本店では2度目の開催となる今回は、屏風や100号の大作を含む新作約30点を展示いたします。
鮮やかな色彩と意図しない偶然を活かした描写で、圧倒的なオーラを放つ今井氏の世界観をぜひご堪能ください。

今井龍満氏 コメント

展示開催にあたって

日本橋三越本店での展示は2回目となります。前回は5年前に2点出品でした。
今回のように数多くの私の作品を見て頂ける機会を頂き、私自身もこの度の三越アートセレクションを
楽しみにしております。また、ご来場される皆様に少しでも喜びや楽しみを感じて頂けたら幸いです。

技法とコンセプトについて

私はポアリングという技法を用いて、“偶然を生きるものたち”を描いています。エナメル等の塗料を床に置いた紙や
キャンバスに垂らすことにより、完全にはコントロールしきれない少しの偶然性を帯びた線が生まれます。
その線からは、私の意図とは反する線が生まれたりするのですが、それは我々が生きていく上で思い通りにしたくとも、
完璧にはその通りには生きることができないことと似ているように思います。現実がそうであるように
そのコントロールしきれない線がかえって面白い結果を生むと肯定して、その生命力ある線や思わぬところに
垂れてしまった塗料の染みさえも活かしながら人物・動物をモチーフに使い、
生きものたちの存在感とある種のリアルさを追求したいと制作しています。