地球を救うために。環境のために取り組む<パタゴニア>の魅力と人気の秘密

親子で着られる「レトロⅩ」シリーズをはじめ、機能的でデザイン性の高いウェアが揃うアウトドアブランド<Patagonia /パタゴニア>。環境に与える悪影響を最小限に抑えるだけでなく、環境をより良くすることも目指し“ 私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。”を企業理念に掲げています。機能的で耐久性があり修理が可能。責任ある方法で製造される事で大切な人への贈り物としても人気の<パタゴニア>の魅力と秘密を探るべく、パタゴニア日本支社の平井 直子さんにお話を伺いました。
世代を超えて愛される名作「レトロX」人気の理由
──モコモコとした生地感がかわいい「レトロX」シリーズですが、人気になったきっかけはあるのでしょうか。
2~3年前に著名な方にSNSで取り上げていただいたことがきっかけで、人気に火が付いた印象があります。その方は昔から変わらないデザインを気に入ってくださっていたのですが、デザインだけでなく機能性も伴っている製品なので、着てみたら手放せなくなったという方も多いのではと思います。<パタゴニア>製品で、最初に手に取った製品という方も多いのでとても嬉しいです。

もう一つの人気の理由としては、気候の問題もあるかもしれません。5年くらい前まで冬の一番の人気製品はダウンでしたが、冬がそこまで寒くならないため、フリースだけでシーズン通して過ごせるようになってしまいました。環境の変化もあって、「レトロX」の人気が加熱したと思います。
──デザインは昔から変わらないのでしょうか。
色の変更や毛足を5mm短くした、などといったマイナーチェンジはありますが、1993年の誕生からほとんど変わりません。ベビーから大人まで同じデザインで展開していますが、ベビー&キッズと大人の機能で異なる点は裏地。大人用は防風性の高い生地が使われていますが、ベビー&キッズの「レトロX」は、動きやすいように柔らかな裏地にしています。またボアの毛足がベビーは13mmと長めで、キッズと大人は6mm。ベビーはボアが大きいのでかわいらしい仕上がりに。フード付きやベスト・ジャケットなど、いくつかのモデルを展開し、家族お揃いで着ることができます。
──お揃いで着られるのもいいですよね。お手入れも簡単なのでしょうか。
丸洗いできるので、お手入れも楽です。このボアの風合いを長く保たせるには、裏返して洗濯をすることがポイントです。また服が擦り合わされることで摩耗したり毛抜けしたり、ほかの服の繊維が付着したりしてしまうので、裏返したらネットに入れて洗っていただきたいです。そして洗濯ネットも、推奨しているものがあるんです。それがこの“グッピーフレンド”の洗濯ネットです。
衣類を洗濯すると、目には見えないマイクロファイバーという繊維がどうしても出てきてしまうんです。その繊維は排水路へと流出してしまい、それらはやがて川や海へ。最終的には食物連鎖によって人間の体に取り込まれる可能性もあります。それを防ぐために、<パタゴニア>では編み目がとても細かいこのネットの使用を推奨しています。フリースの風合いを損なわないために使うだけでなく、ファイバーの河川や海への流出を減らすためにも“グッピーフレンド”の洗濯ネットを選択肢に入れていただけると嬉しいです。

<パタゴニア>が考える“責任ある製品”とは?

──<パタゴニア>のダウンはリサイクル・ダウンを使用していると聞きました。
リサイクル・ダウンは、クッションや寝具、またそのほかの再販不可能な中古製品から回収された600または700フィルパワーのグースダウンとダックダウンを組み合わせた素材で、フィルパワーごとに選別して分けたダウンを製品に使っています。2016年から段階的にリサイクル・ダウン製品を増やしており、2021年の秋冬シーズンでは、31製品でリサイクル・ダウンを使用しています。

──なぜリサイクル・ダウンを使い始めたのでしょうか。
私たちには、責任ある企業でありたいという想いがあります。埋立地行きになるはずだったものを再利用する事で廃棄物を削減させる事に繋がり、リサイクル・ダウンの使用は、バージン・ダウンの使用に比べて、二酸化炭素の排出量を約44%削減する事が出来るとわかったからです。

──製品づくりで大切にしていることは?
“私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。”というミッションがあるなかで、<パタゴニア>の製品作りの理念は、アウトドアでの使用に適した機能的で耐久性が高く、修理が可能な製品を作るということと、もうひとつは環境に与える悪影響を最小限に抑えることです。製品作りにおいては、この2つの使命を両立していくことが、難しいけれど目指していることです。例え100%リサイクル素材でも、防寒着であれば保温性が備わっていなければ機能的ではありません。高機能でも環境や労働者へ大きな負荷を与える素材だったら私達の理念に反してしまいます。<パタゴニア>のいくつかのデザイン理念の中で作られたものが、今、店頭展開している製品になります。

またフェアトレードの製品も増やしています。フェアトレードとは、開発途上国でつくられた農作物や製品を、適正な価格で継続的に取引することより、生産者の生活を支える貿易のありかたです。<パタゴニア>では、アメリカのフェアトレード認証を得た商品作りを推進しており、今季それは約87%の製品にのぼります。私たちは、<パタゴニア>の衣類を作るすべての労働者が生活資金を稼ぐための、恒久的な解決策を探し続けています。お子さんの衣類を含め、ギフトとして選ぶものは、環境やその製品を作る過程での労働環境に配慮したものを贈りたいという方も増えてきています。自信をもっておすすめの出来る製品を増やしていきたいです。

いつの時代も変わらない、普遍的なデザイン

──定番アイテムが多いイメージですが、シーズンごとに新作は出ているのでしょうか。
いくつか新製品はありますが、基本的には定番の形が継続で出ていることが多いです。その服の目的を考えて機能性を備え、長く使用できるデザインである事を念頭に製品を作っているので、少ない型数に必要なものを凝縮しているイメージです。“この目的ならこの形が一番いい”という製品を揃えているので、無駄に型を増やすことはありません。

──シーズンで何かテーマは設定されているのでしょうか。
2021年秋冬製品のカラーや柄は海面上昇による影響が著しい北極圏の生態系の変化にフィーチャーし、ノルウェーなどの北極圏にいる動物やそこに咲く花、街並みなどの色合いにインスピレーションを得ています。
──定番アイテムが多いなか、今シーズンの新作でおすすめはありますか。
ベビーのこちらの中綿セットアップがおすすめです。<パタゴニア>のアウターは「レトロX」などのフリース・ダウン・化繊のわたのウェアと3種類あるのですが、こちらは保温性の高い化繊のわたが入っていて、内側がベロアのような素材で肌触りも心地よい製品。前身頃も2重になっているので保温性もあります。同素材でボトムスもあり、アウトドアシーンでも使える機能性を備え、カジュアルすぎないデザインと落ち着いたカラーが特徴です。ベビーギフトにもおすすめです!
──最後に、お客さまに伝えたいメッセージはありますか。
地球規模で環境を護るというととても大それたことのように感じますが、まずは堅苦しく考えずに、日々纏うものを選ぶ際は、修理しながらずっと使えるウェアを選んでいただけたら嬉しいです。意外と知られていないかもしれませんが、フリースはもちろん、中わたウェアも、ご家庭でお洗濯ができます。

ダウンは専用洗剤や中性(または弱アルカリ性)の洗剤で洗い、濡れるとぺっちゃんこになるので、乾燥機にかけるかドライヤーで乾かすとふっくらと膨らみます。皮脂汚れなどが付いたままですと衣類は傷むので、メンテナンスをしながら、長く使っていただけたら嬉しいですね。ベビー・キッズはすぐサイズアウトしてしまいますが、<パタゴニア>製品は修理しながら世代を超えても長年使えるように作られています。まずは信頼できる一着に出会うところから始めてみるのもいいかもしれません。

素材選びや製品づくりの過程において、環境のために積極的に取り組んでいる<パタゴニア>。デザイン性や機能性の高さはもちろん、アイテム一つひとつに込められた想いを知ると、愛着を持って長い間着たくなるアイテムばかり。ぜひ大切な方への贈り物やお子さまに<パタゴニア>のウェアを選んでみませんか。
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