
この秋、アメリカントラッドなラグジュアリーメゾン<ハンティング・ワールド>が三越伊勢丹オンラインストアに登場。
なかでも今年、新たに誕生した新ライン「デイリーサーパス」が話題となっている。ブランドのDNAともいえる軽さと耐久性を備えながら、スタイリッシュかつオーセンティックなデザインを継承する新たなコレクションは、ブランド初のバチューコレクションのセカンドラインと定義され、今後さらに拡充する予定だ。
そこで今回、日本橋三越本店の紳士雑貨担当バイヤーが、<ハンティング・ワールド>の担当者に詳しい話しを聞く機会を得た。
ブランドのDNAを継承する「デイリーサーパス」とは
画像手前:「キャリーオール」S 63,800円(H18×W27×D9cm) 商品を見る
画像奥:「キャリーオール」M 79,200円(H26×W38×D12cm) 商品を見る
高塚<ハンティング・ワールド>というと、あの軽くて丈夫なバチュー・クロスと、使い込むほどに味わいが増すレザーのコンビがすぐに思い浮かびます。
井上 1972年のバチューコレクション誕生依頼、今も変わらず<ハンティング・ワールド>のブランドアイコンです。誰もが<ハンティング・ワールド>といえば、あのグリーンのバッグを思い浮かべることでしょう。
髙塚 グリーン、ネイビー、ブラックの他、時代ごとに限定モデルやカプセルコレクションを発表してきましたね。
<ハンティング・ワールド> ジャパン 商品政策・企画・販促統括部 部長 井上 大輔氏
井上 ここ最近は著名デザイナーとの協業により、新たな試みにも挑戦してきました。
髙塚 そんな中で、いま新作のコレクションが話題となっていますね。
井上 今年8月にリリースした「デイリーサーパス」は、創業者 ボブ・リーの「サファリで使う機能的で軽く耐久性の高いバッグ」というDNAを継承しながら、街中でもスマートに持ち歩ける現代的なデザインとなっていて、「バチューサーパス」のセカンドラインという位置づけなんです。
日本橋三越本店 紳士雑貨バイヤー 高塚佳伸
髙塚 「バチューサーパス」のディテールを随所に受け継いでいるようですね。男女問わず持てそうなデザインで、パートナーとシェアすることもできそうです。
井上 定番のキャリーオールやショルダーバッグのデザインをアップデートしつつ、機能素材に「バチューサーパス」同様のナチュラルなレザーをトリミングに使っていたり、ベルトの剣先デザインや、ギボシ金具で留めるオーセンティックな仕様も継承しています。
ブランドの創業当初に想いを馳せるオリジナルカラー
画像手前:「ショルダー」63,800円(H19×W27×D8.5cm) 商品を見る
画像奥:「トート」88,000円(H31×W36×D16.5cm) 商品を見る
髙塚 ところで、グリーンは<ハンティング・ワールド>のアイコンカラーを継承しているものとわかるのですが、ベージュもラインナップされていますね?
井上 じつは<ハンティング・ワールド>のオリジンはベージュなんです。
髙塚 それが、このキャンバスのバッグですか。
井上 いまから55年前、ブランドが誕生した際、初期のバッグはベージュのコットンキャンバスバッグでした。ブランドのルーツにあるこのベージュを今回のカラーバリエーションに加えたんです。
髙塚 そうだったんですね、ベージュのコットンキャンバスバッグは、私の生まれる前のモデルなので、存じ上げませんでした。
井上 私より上の世代にはよくご存じの方もいらっしゃるようです。
髙塚 ファッション的に年齢、性別を問わず持ちやすそうで、ベージュをラインナップしたのはとても好感です。これはキャンバスのようですが、ナイロンですか?
井上 国内大手の合成繊維メーカーが生み出した優れたナイロン素材を採用しています。耐久性が抜群で、圧倒的な強度をもっています。そして現代のバッグに求められる軽さも併せ持ちます。毛羽立ちが少なく上品な光沢感が長持ちしますし、汚れもつきにくくケアも簡単で、女性のお客さまからも好評いただいています。
髙塚 高強度素材というと、ビジネスバッグなどによく使われている1680デニールのナイロンが思い浮かびますが・・・。
井上 今回採用したナイロンは、一般的に強いとされる1680デニールナイロンの2.5倍にあたる、4200デニールの太さを誇ります。引張強度は1.8倍、摩擦強度は10倍以上で破れにくいです。それでいて繊維は中空構造なので見た目よりも軽いんです。
髙塚 本当だ、持ってみると意外なほど軽いですね!定番の「バチューサーパス」も、あの軽さが当時としては斬新だったんですよね!
井上 今でこそナイロンのバッグは多くのブランドが採用していますが、当時の鞄の多くはコットンキャンバスかレザーが主流でした。そこへポリウレタンコーティングされた3層構造のバチュー・クロスの登場は画期的でした。軽くて丈夫で汗や油にも強い機能素材は、当時とても珍しかったのです。
これまでも、そしてこれからも変わらないモノ作りへの思い
髙塚 <ハンティング・ワールド>のポリシーともいえる、高機能でスタイリッシュなバッグというスタンスは当時から変わっていません。
井上 いいものを長く使ってほしいという思いは、創業当初からのアイデンティティです。時代に合わせてアップデートしていくことは必要ですが、ブレないモノ作りこそが<ハンティング・ワールド>にとって最も大切なことだと考えています。
髙塚 サステナブルやSDG'sの考え方が広まるにつれ、良いものを長く使いたいというお客さまが増えています。そういった方々には、昔からあるデザインや、揺るぎないブランドのコンセプトに惹かれて購入されています。
<ハンティング・ワールド>は、まさにそういったお客さまからの支持が厚いブランドです。とくに日本橋三越本店には、モノを大切に使われるお客さまも多く、<ハンティング・ワールド>のコンセプトは高く評価されています。11月末には、日本橋三越本店紳士フロアで、ポップアップショップを予定しています。
井上 私たちもその声に応えるモノ作りを大切にしていきたいと考えています。
髙塚 ファッションの世界は目まぐるしく移り変わりますし、新しいブランドが生まれては消えていく世界ですが、残っているブランドは必ずしっかりとしたアイデンティティを持っています。<ハンティング・ワールド>のブレないモノ作りは最大の魅力です。これからも素晴らしいコレクションが登場することを期待しています。
<ハンティング・ワールド>ポップアップショップ
□開催期間:2020年11月25日(水)~12月8日(火)
□開催場所:日本橋三越本店2階 紳士イベントスペース
Photograph:Tatsuya Ozawa
Text:Yasuyuki Ikeda
撮影協力:<ハンティング・ワールド> 帝国ホテル店
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