コラボレーションで叶えるDesign Diversity 〜受け継いでいくもの編〜

コラボレーションで叶えるDesign Diversity 〜受け継いでいくもの編〜

「Design Diversity」を合言葉に、世界の素晴らしいブランドと協業することでデザインの多様性を創造する「Dear Friend, Department」。<ミナ ペルホネン>とのものづくりの軌跡、そこから生まれたものとは…。「受け継いでいくもの」をテーマに、<ニーチェアエックス><嘉門工藝>とのコラボレーションをご紹介します。

時を超えて愛される暮らしの道具|Nychair X/ニーチェアエックス

1970年の発売以来、世界各国で愛されつづける日本生まれの名作チェア「ニーチェアエックス」。デザイナーの新居 猛氏が、置く場所を選ばず、どこでも手軽にくつろげるよう開発した折りたたみ式のチェアです。
「自転車のように多くの人に使われ、カレーライスのように多くの人に好かれる椅子をつくりたい」「世代を超えて愛されつづける、良い暮らしの道具でありたい」という思いが引き継がれるニーチェアエックスにとって、はじめてのコラボレーションとなるのが今回の<ミナ ペルホネン>。
「時が経っても決して色褪せることのないデザインをされる<ミナ ペルホネン>さんといっしょに、トレンドではなく、“記憶”に残るものづくりをしたいと思いました。ニーチェアエックスの特性をよく理解していただき、座り心地の要である生地を大切にコラボレーションしていただけたことに感謝しています」と語ります。

チェアイメージ

<ミナ ペルホネン>オリジナルで染めた「ブルーグレー」。このほか、定番色のホワイト、キャメルに刺繍を施したバージョンも。
<ニーチェアエックス>
ニーチェアエックス 61,600円
ニーチェアエックス オットマン 39,600円

ニーチェアエックスは、たった6つのパーツからつくられる極めてシンプルな構造。背もたれから座面まで一体となったシートは、座り心地の要であり、十分な強度が必要とされるパーツです。今回のコラボレーションでもこの素材をそのまま生かし、“choucho(チョウチョ)”の刺繍を施すこと、<ミナ ペルホネン>オリジナルのカラーをつくることなどを軸に制作が進められました。

作業工程イメージ

生地づくりを担当する国内工場では、原糸から糸を撚り、布を織りあげるまでのすべての工程を一貫して行う。

作業工程イメージ

40年近く大切に使われる織機。厚地で丈夫かつ、伸縮性のあるやわらかな風合いに仕上げることができる。

「かなり厚手の生地なので柄がきちんと刺繍されるか不安がありましたが、美しく仕上げていただきました。<ミナ ペルホネン>の世界観を踏襲するため、肘かけにはソープフィニッシュのビーチ材を使い、肘かけを留める紐も今回のために用意した特別なもの。さらに記念のタグも作成することになり…とコラボレーションを進めるなかで、どんどん<ミナ ペルホネン>ならではの軽やかさやかわいらしさがプラスされていくことにワクワクしました」と話してくださいました。

布イメージ 布イメージ

折りたたみ時に肘かけを留めるための紐。今回は特別に、シートのカラーに合わせた3色のオリジナル紐で製作した。

日本を代表するニーチェアエックスに、<ミナ ペルホネン>で長く愛される“choucho(チョウチョ)”が舞う姿。きっと時をこえて暮らしになじみ、なくてはならない景色になっていくはずです。

チェアイメージ

茶の湯の楽しみを深め、広げ、つなげる|嘉門工藝

漆芸家三代目村瀬治兵衛氏の漆芸作品をはじめ、茶籠など茶道具の製作を手がける<嘉門工藝>。日本の漆器の魅力、茶の湯の楽しみや文化を次の世代へつなげていきたいという思いでスタートしました。

茶室イメージ

今回の<ミナ ペルホネン>コラボレーションは、皆川氏と親交のある陶芸家・造形作家の内田鋼一氏、陶作家の安藤雅信氏を迎えた夢のコラボレーション。村瀬氏が皆川氏の好みの茶器を製作し茶道具を入れる袋(仕覆)を<ミナ ペルホネン>のテキスタイルで仕立てています。

茶道イメージ 茶道イメージ

内田鋼一氏の茶碗で抹茶を楽しむ茶籠セット。皆川氏が選定した村瀬治兵衛氏の茶器を取り合わせ、袋物は仕覆師による仕立てという本格派。手編み籠と漆、テキスタイルが道具を守り、ひきたてます。

茶道イメージ

<ミナ ペルホネン>の金彩モチーフが施された安藤雅信氏の茶碗は、2碗組。抹茶とコーヒーどちらにも使えるよう、ドリッパーもセットになったカジュアルな茶籠セット。籠、真田紐の色合わせは今回のために特別に仕上げました。

「皆川さんの趣向に合わせ、籠の色、籠に付ける真田紐、仕覆の緒や裏地にいたるまで一から選定。お茶碗、茶入れ、茶杓、ドリッパー袋も、すべて<ミナ ペルホネン>の布で製作しました。表の布と裏の布の合わせも、一切の妥協なし。想像以上の細やかな色合わせをされるところを間近で拝見して、新しい発見がたくさんありました」と語る<嘉門工藝>の村瀬亜里氏。

「茶道具の世界では、お気に入りの道具に袋を誂え、それらを何世代も大切に引き継ぐもの。皆川さんの布はワクワク、ドキドキするものばかりで、とても素敵なセットができあがりました。お茶碗に対して茶入れ、茶入れに対して茶杓と、すべての道具がコラボした『取り合わせの妙』が茶道具の醍醐味。この籠の中に凝縮されたお茶の世界を、ぜひ楽しんでいただきたいです」と語ります。

ご自宅はもちろん、ご友人の家や旅先など、手軽に持ち運んでどこでも抹茶が楽しめる茶籠セット。日本文化を受け継ぎ、広めるコミュニケーションツールとして、暮らしに取り入れてみてはいかがでしょう。

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