
イタリアのシチリア島を拠点に、食と食の物語をテーマに活動するイラストレーター兼クリエーティブディレクターのAnna Takahashiさん。伊勢丹新宿店で開催される初の個展を前に、作品づくりの原点や、アーティスト活動へ向けた想いなどを聞きました。
モナ・リザを見てアーティストを志した幼少期
日本、イタリア、アメリカを中心に、食とアートを掛け合わせたユニークなイラストレーションで活躍するAnna Takahashiさん。アメリカで暮らしていた6歳の頃、すでにアーティストとして生きることを決めていたと言います。
「小学校でモナ・リザを模写するアートの授業があって、その作品を見た瞬間、頭が真っ白になるくらいの衝撃が走ったんです。その瞬間『ダ・ヴィンチみたいなアーティストになる!』って(笑)。ダ・ヴィンチと私の間には何光年もの距離がありますが、アーティストとして世界のハッピーに少しでも貢献できることがあればすごく幸せ」

食と人、そのストーリーを描くことがテーマ
現在食をテーマに作品づくりを行っているのは、17歳の頃小児ネフローゼという腎臓病にかかったことがひとつのきっかけになったそう。
「食事制限があったため、入院中も食べたいものを思い浮かべてはベッドの上で絵を描く毎日。その後も食生活の大改革を行い、幸い体調は回復しましたが、その経験で何より食べ物の力を実感しました。イラストレーターになってからも食にまつわる仕事とご縁があり、私と食は切ってもきれない仲。あるとき、雑誌の仕事で『料理外交』をテーマにイラストを描いていたんです。一つのテーブルを色々な国の人が囲み、自国の食を持ち寄って交流を深めるという作品。そのときにハッと気づいたことが、私がイラストレーターとして伝えたいのは、人と食の関係と、それぞれのストーリーなんだということ。自分が一番幸せを感じるテーマはこれだと確信しました」

(キャンバス、油彩、アクリル/70×50cm)
スイーツに彩られたさまざまなキャラクターが登場
今回、アーティストとして初の個展開催となるAnna Takahashiさん。スイーツを夢見ること、それらが見させてくれる夢をテーマに、ファンタスティックな世界を描きました。

(油彩、アクリル/F6号)
「イラストレーターとしてのお仕事はクライアントとのコラボレーションで行いますが、今回はアンナワールドをいかに表現するか、自分と対話しながら制作しています。お客さまとお話ししながらたくさんのインスピレーションをいただけたらうれしいです」
色彩にあふれ、見る人が思わず笑顔になれる作品たち。ぜひ会場でお楽しみください。

Anna Takahashi Exhibition ーSweet Dreamsー
□2024年1月10日(水)~1月16日(火) [最終日午後6時終了]
□伊勢丹新宿店 本館6階 アートギャラリー