ブランドが好きだから、作り手も好きになる。作り手が好きだから、ブランドも好きになる。お客さまからだけでなく、伊勢丹新宿店のスタッフからも「お会いしてみたい」と名前があがる方へのインタビュー連載。今回は経営者として、ひとりの女性として輝く〈BORDERS at BALCONY /ボーダーズアットバルコニー〉のデザイナー、柴田陽子さんです。
PROFILE
柴田陽子
神奈川県生まれ。さまざまな業態開発を経験し、2004年に「柴田陽子事務所」を設立。ブランドプロデューサーとして、多岐にわたるコンサルティング業務を請け負う中で培われた感性を活かし「自分が本当に納得のできる、ものづくりがしたい。」という思いから2013年秋に〈BORDERS at BALCONY〉を立ち上げる。
1日のスケジュールは分刻みだと思いますがオンとオフの過ごし方は?
柴田:仕事柄、オンもオフもないですね。先日、〈ボーダーズアットバルコニー〉の来年のコレクション構想のために2泊3日でホテルに籠もったことがあったんです。それだけ長く家を空けてしまったので、週末は子どもと一緒の時間を作ろうと別荘に行きました。ただ、天気には恵まれなかったので「ママの仕事の研究に付き合って」って子どもたちにお願いして健康、美容、ファッションとアウトレットでさまざまなショップ巡りを一緒に楽しみました。子どもが遊ぶために買ってあげたオモチャでも不思議な仕掛けがあったりして、そんなオモチャと出会うことも勉強になりました。つい最近、半分仕事、半分プライベートで伊勢丹新宿店にも行きましたよ。
伊勢丹新宿店の印象はどうでしたか?
柴田:自分の買い物をする時間が30分も作れないような生活なので、店頭でも私がゆっくりと服を見ないことにアテンダントの方も驚いたかもしれません。〈ボーダーズアットバルコニー〉のショップ滞在時間も2分ぐらいでした(笑)。どうしてもインターネットで買い物をすることが多くなるのですが、久しぶりに伊勢丹新宿店に訪れて、やっぱり百貨店もいいなって思いました。
そんな忙しい柴田さんの時間管理の方法は?
柴田:私は「習慣の向上は、人としての向上につながる」という考えなので、毎年、年末年始に「仕事ができる人になるために」、「きれいな人になるために」、「体力のある人になるために」と自分の習慣を見直してアップデートするようにしています。毎日1時間はトレーニングをするって決めたとしたら、それが都合によって40分で中断したとしても残りの20分は1日のどこかで必ず消化します。自分に課した習慣を一年中スケジュール通りに達成できれば、自分が向上できたという証拠になりますから。
具体的にどんなトレーニングをされていますか?
柴田:ずっとピラティスとヨガはやっていたんですけど、最近はダンベルも始めました。トレーニング方法も同じことの繰り返しではなく、アップデートさせるためにいろんな書籍から理論を学んで気になったモノは取り入れるようにしています。
トレーニングを続けているモチベーションはなんですか?
トレーニングのモチベーションは自分が〈ボーダーズアットバルコニー〉のマネキンであり続けるためですね。ブランドをスタートさせたとき、ファッションビジネスについてまったくの素人でした。それでもこれから自分が理想とする服を作っていくわけですから、自分はその服を常に着られる体型でいようと思いました。サンプルが完成したときに修正をお願いするにしても、試着したうえでなら素人の自分の意見でも説得力があるはずだと思ったので。
いまの女性は、これまでなら100,000円あったらハイブランドのパンツを買っていたけれど、いまは10,000円のパンツを美しく、かっこよくはくために90,000円をトレーニングに投資するって方向になっているような気がします。特に時代を引っ張るリーダーほど、そうなんじゃないでしょうか。
〈ボーダーズアットバルコニー〉を始めようと思ったきっかけは?
柴田:ブランディングやコンサルティングという仕事というのはあくまでクライアントさんの課題を解決する、戦略のもとに利益を生み出すことで、自分のやりたいことや好きなことを世の中に提案することではありません。そんな仕事を続けて10年目のときに、自分の好き嫌いだけでクリエイティブをやってみたいと思いが生まれて、それなら大好きなファッションでいこうと〈ボーダーズアットバルコニー〉を立ち上げたんです。
洋服の仕事をしたいと相談した方が百貨店やセレクトショップのバイヤーの方をご紹介してくださって、そのファーストコレクションの時にお買い付けくださったのが伊勢丹新宿店だったんですよ。「伊勢丹さんも買ってくれました」って言うと、そのあともポンポンと他のショップとも商談がまとまりました(笑)
〈ボーダーズアットバルコニー〉の服をどんな想いで作っていますか?
柴田:ファッションは自己表現という意見は多いと思いますが、私にとってファッションとは「人から評価を取り付けるためのツール」です。なので聡明で、チャーミングで、健康的で、女性らしい服というのがブランドの根底にあって、人からほめてもらえるような服を作りたいと思っています。
色っぽい服を作ろうとしても着るときはいいけれど、脱ぐときの姿がかっこ悪ければ台無しです。なので、着るときも脱ぐときも色っぽくあるようにデザインからディテールまで突き詰めます。〈ボーダーズアットバルコニー〉の服は七分袖が多いんですけど、それは身に着けるアクセサリーや腕時計が自然と人の目に留まるようにするためなんです。実はとても考え抜かれているんですよ。
柴田さんのように何事もやり遂げるにはどうしたらいいでしょうか?
柴田:今回みたいに自分の仕事のことやライフスタイル、時間の使い方を話すと、どうしてもストイックな生き方のように思われがちなんですけど、そんなことないんですよ。本来は怠け者ですし、出不精ですから。ただ自分で自分のことは頑張り屋だとは思います。その頑張りを支えているのは、心配性だからです。頑張って、頑張って、「私は大丈夫なんだ」って自分でも思いたいですし、まわりからも認めてもらえたらうれしいですからね。次に生まれ変わったら、心配性とは無縁の強い人になりたいです。
美容と時短のための柴田さんの愛用グッズ
※掲載品は全て柴田さんの私物です。
美容のために柴田さんが毎日かかさないサプリメント、ローション、電気バリブラシ。速乾ドライヤーは時短の必需品だそう。
〈ボーダーズアットバルコニー〉POP UP
□12月2日(水)〜8日(火)
□伊勢丹新宿店本館2階=センターパーク/ザ・ステージ#2
※イベント内容など、詳しくはアーバンクローゼットインスタグラムにて順次お知らせいたします。
伊勢丹新宿店 本館2階 URBAN CLOSET インスタグラム
@isetan_shinjuku_urbancloset