【伊勢丹式 マメガイドvol.15】
「かけら」をつなぎ、軌跡をたどる。伊万里焼に魅せられた<Mame Kurogouchi>2024 Spring Summer Collection

【伊勢丹式 マメガイドvol.15】<Mame Kurogouchi>2024 Spring Summer Collection

<Mame Kurogouchi/マメクロゴウチ>2024年春夏のテーマは「Fragments」。デザイナーの黒河内真衣子が佐賀県有⽥町を訪れ、初期伊万里の陶片や、旅の途中で出会った情景からインスパイアされたコレクションを展開します。

<Mame Kurogouchi>
2024 Spring Summer POP UP

□2024年3月6日(水)~3月12日(火)
□伊勢丹新宿店 本館3階 センターパーク/プロモーション
□三越伊勢丹オンラインストア

※オンラインストアでの販売は、3月6日(水) 午後8時からを予定しています。

17世紀初頭、日本ではじめてつくられた磁器といわれる初期伊万里。デザイナー黒河内真衣子の心を捉えたのは、400年も昔に操業していたという古い窯跡で見つけた陶片でした。その色、柄、質感、そして陶工たちのものづくりに思いを馳せて生み出したコレクション。 なかでも、さまざまなトーンで表現されたホワイト、エクリュ、ミントグリーンのファブリックは、かつての陶⼯たちが恋焦がれた素地の⾊、「⽩」を追い求める過程で⽣まれた色にインスパイアされたもの。情感豊かな涼やかさで、今季のコレクションを彩るキーカラーとなっています。

マメ クロゴウチジャケット&スカート
佐賀で出会った建物や動物などの風景を、唐風のグラフィックで表現したロングコート。初期伊万里のやわらかいカラーパレットと、繊細なジャカードがエレガント。
<Mame Kurogouchi/マメ クロゴウチ>
ドレス 196,900円 商品を見る
ハイネックトップス 38,500円 ※5月頃の入荷を予定しております
バッグ 104,500円 ※4月頃の入荷を予定しております
md01
シルクの楊柳に職人が1点ずつ手作業で豆絞りを施したアシンメトリードレス。立体感のある豆絞りと、釉薬の溜まりのようなグラデーションを、流し染めの技法で表現。
<Mame Kurogouchi/マメ クロゴウチ>
ドレス 288,200円 ※店頭のみのお取り扱い
ハイネックトップス 38,500円 ※5月頃の入荷を予定しております
md01
マニッシュな印象のオーバーサイズのボックスシルエットコートは、初期伊万里の絵付けからインスピレーションを受けたコード刺繍のディテール使いがポイント。
<Mame Kurogouchi/マメ クロゴウチ>
コート 107,800円 商品を見る
ハイネックトップス 38,500円 商品を見る

伊万里焼と聞くと、鮮やかに色付けされた豪華なうつわを思い起こすかもしれませんが、初期の伊万里焼は淡い水色でおおらかな絵付け。デザイナーも「私の思い描いていた焼き物とは違って、消えそうな青い絵が白い肌に滲んでいて素朴な柄をしていた」と記しています。 時代を経るごとに技術が進化し、さまざまな表現が生み出された伊万里焼。そこには陶工たちのたゆみない努力とものづくりへの情熱が込められています。 今回の「伊勢丹式 マメガイド」の舞台は、国内でも数少ない陶磁器専門の美術館である「戸栗美術館」。伊万里焼の貴重な収蔵品が数多く並ぶ場所です。インスピレーション源である伊万里焼の変遷やものづくりを知ることが、コレクションの楽しみをもう一歩深めてくれるかもしれません。

マメ クロゴウチジャケット&スカート
ネックラインに沿うゆるやかなカーブパターンが印象的なノーカラーダブルジャケット。落ち感が美しいセンタープリーツのパンツを合わせれば、アイコニックなスーツスタイルが完成する。ネイビーは伊勢丹新宿店だけの限定カラー。
<Mame Kurogouchi/マメ クロゴウチ>
ジャケット 83,600円【伊勢丹新宿店限定】 商品を見る
ハイネックトップス 38,500円 商品を見る
パンツ 53,900円【伊勢丹新宿店限定】 商品を見る
md01
絞り染めのようなやわらかな風合いをニットで表現。コンパクトなトップスとアシンメトリーなデザインのスカートを合わせて、セットアップの着用も。
<Mame Kurogouchi/マメ クロゴウチ>
クロップトトップス 38,500円 商品を見る
スカート 64,900円 商品を見る
グローブ 13,200円 商品を見る
バッグ 42,900円 ※4月頃の入荷を予定しております
md01 md01
陶片のようなパーツを幾重にも重ねた、今季を象徴するデザイン。ハイウエストのフレアデニムには、陽刻(柄を浮かび上がらせる伊万里焼の技法)を思わせるエンボス加工が施されている。
<Mame Kurogouchi/マメ クロゴウチ>
ニットトップス 59,400円 商品を見る
パンツ 93,500円 商品を見る
バッグ 86,900円 ※店頭のみのお取り扱い
 
【伊万里焼の歴史を知ろう】
〜〔1〕日本磁器のあけぼの〜
1610年代に朝鮮半島から技術が伝わり、日本での磁器づくりがスタート。伊万里焼のなかでも草創期にあたる17世紀前期につくられた作品は「初期伊万里」と称されています。装飾技法は染付や青磁、銹釉、瑠璃釉などが中心。この頃は技術が未成熟なため、白磁でも青味がかった発色で、焼成時に歪みが生じてしまったものも多くみられますが、素朴なあたたか味を感じさせます。

染付 鶴文 鉢(伊万里/江戸時代(17世紀前期)/口径33.5cm/戸栗美術館所蔵)

〜〔2〕色彩豊かな色絵の登場〜
誕生から半世紀も経たないうちに、染付だけでなく、赤、緑、黄色などの上絵付けによる色彩豊かな磁器が登場します。この17世紀中期につくられた初期の色絵作品を「古九谷様式」と称しています。鴛鴦(おしどり)と松竹梅を表現した画像の皿のように、伊万里焼には吉祥を意味する花鳥のモチーフが多く見られます。

色絵 鴛鴦文 捻花皿(伊万里(古九谷様式)/江戸時代(17世紀中期)/口径29.0cm/戸栗美術館所蔵)

〜〔3〕海外で人気を博した「柿右衛門様式」〜
17世紀後半頃から伊万里焼の輸出が盛んに行われるようになりました。この頃の輸出伊万里の典型的な作風が「柿右衛門様式」です。乳白色の素地(濁手)に施された赤は朱色に近く、明るい色彩の上絵付けが特徴。余白を広く取り、絵画的な構図で文様が描かれています。ドイツ・マイセン窯で伊万里焼の模倣品がつくられるなど、ヨーロッパでの人気がうかがえます。

色絵 双鶴文 輪花皿(伊万里(柿右衛門様式)/江戸時代(17世紀後半)/口径22.5cm/戸栗美術館所蔵)

〜〔4〕染付や成形の技術が発達〜
染付や成形の技術が発達したのも17世紀後半頃。濁手のような色絵専門の素地、染付用の素地と、絵付けの色が最も美しく見えるよう素地からつくり分けられていました。染付が美しく発色するためには少し厚みのある釉薬が必要。画像の鉢には、染付用につくられた青味のある素地が用いられています。

染付 団龍文 輪花鉢(伊万里/江戸時代(17世紀後半)/口径13.5cm/戸栗美術館所蔵)

〜〔5〕町人文化で発達した豪華絢爛なうつわ〜
町人文化が栄えた元禄年間には、贅を好む風潮のなか、色絵を施した豪奢なうつわを求める気運が高まりました。この頃生まれたのが、「古伊万里金襴手様式」。色絵と金彩を施した豪華絢爛な器は富裕層の間で大変好まれ、以降、伊万里焼の色絵を代表するものとなります。

色絵 花鳳凰文 皿(伊万里/江戸時代(18世紀前半)/口径54.1cm/戸栗美術館所蔵)

伊万里焼についてもっと詳しく知りたい、実際のうつわを見てみたいという方は、ぜひ渋谷区松濤の戸栗美術館へ。2024年3月21日(木)まで「花鳥風月―古伊万里の文様―」を開催中です。

花鳥風月ポスター公益財団法人戸栗美術館

撮影/取材協力:公益財団法人戸栗美術館
〒150-0046 東京都渋谷区松濤1-11-3 / 休館日:月曜日・火曜日
伊万里、鍋島などの肥前磁器および中国・朝鮮などの東洋陶磁を主体として所蔵する、日本でも数少ない陶磁器専門の美術館です。年4回の企画展では、コレクションから約100点を展示しています。

※価格はすべて税込です。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。