<赤坂柿山> 繊細なつぶつぶ食感と共に楽しむ、希少米の旨みと香り。

2022.10.31 UP

もち米の粘りだけで成型することでほどけるような繊細な食感と風味で名高いおかき「慶長」は、本格米菓の代表的な存在だ。おいしさの秘密を聞くと、材料となるもち米も、製造工程にも、さまざまなこだわりが。伝統を守るいっぽうで次々と生み出される革新的なおかきからも目が離せない。

 

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もち米一粒一粒の風味がダイレクトに伝わる伝統的なおかき

本格米菓で名高い<赤坂柿山>の看板商品「慶長」。薄焼きでつぶつぶとしたもち米の一粒一粒が見てとれ、サクッと程よい食感。噛むほどにもち米の香りが立ち、甘さが広がる。思わずもう1枚、あと1枚と手に取りたくなる。代表取締役の川合寛妥さんは言う。

「『慶長』は、富山県産の新大正もち米の美味しさがダイレクトに堪能できるおかきです。香りや旨み、コシが強く、独特の風味や食感を出すために、特別なもち米を使っています。」

 

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株式会社赤坂柿山代表取締役・川合寛妥さん

伝統を守りつつおかきの品質の向上、米菓としての地位の向上に努めている。

新大正もち米は富山県の一部でしか栽培されていない、希少性が高く、高価なもち米だ。なぜ栽培が少ないかというと、稲の丈が長く、細くて倒れやすいため育てるのが非常に難しい。また、稲には早稲(わせ

)、中稲(なかせ)、晩稲(おくて)といって、成長の速度の違いがあるが、新大正もち米は晩稲で稲穂の状態が長い。そのぶん陽光の恵みをたくさん受けておいしいもち米になる。

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慶長 ブラックウォッチ缶(14枚入) 1,080円 

伊勢丹新宿店限定品 

うすくち醤油、昆布だし各7枚入。お米に極力負荷をかけずに作られた薄焼きのおかき。お米1粒1粒の香り、コシ、食感が堪能できる。

その貴重なもち米の1粒1粒が持っているおいしさを最大限に生かして作られるのが、「慶長」だ。もちろん、製造工程にもさまざまなこだわりがある。まずは、精米。玄米は精米するとその直後から香りが飛び始めるため工場内の精米機で翌日使う分だけを精米する。そして一晩浸水し、翌朝、蒸し器で蒸す。

 

「おいしいおかきを作るうえで、もち米の状態が安定する精米から蒸し上げるまでの過程が、とても大切で、もち米に極力負担をかけないよう、ていねいに、やさしく扱います。もち米の1粒1粒を生かす「慶長」では、蒸す際は昔ながらの木枠の蒸し器を使っています。木が水分を含むのでもち米へのあたりがやわらかく、おいしくなるんです。データなどはありませんが、経験から良いと思われることを、手間が省けるからという理由で変えるべきではないのではないでしょうか。」

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富山県産の希少米、新大正もち米。香りを守るため翌日の分だけを毎日精米する。

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せいろはもち米への当たりが柔らかい昔ながらの木枠。

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もち米のおいしさを最大限に生かす3ミリの厚さでスライス。

蒸し上がったもち米は、ふつうのおかきの工程で行われる杵でつくことをせず、粒を壊さないように職人が絶妙な力加減で樋(とい)を使って押し固める。そして、3ミリの厚さにスライスする。

 

「これ以上、厚くても薄くても食感がよくない。コンマミリ単位で調節しています。

そして焼き上げ、風味も食感も類を見ないおかきが完成する。

創業者が掲げた“類ありて比なし”とは厳選した原料で良質なおかきを作ることです。そのためにお米に優しい製法を守ってきました。結局それは昔ながらの製法なんです。」

おいしさに見合う、高級感のある美しいパッケージに。

<赤坂柿山>は、米どころとして名高い富山県南砺市に現社長、寛妥さんの祖父が起こした日の出屋製菓産業がルーツだ。1955年に父が東京進出。その際に高級贈答用品として通用する新しい米菓ブランドつくりを目指し1971年に柿山銘菓株式会社を創業。1991年に現社名になった。今でこそ、高級といわれる米菓は少なくないが、その先鞭を切ったのが<赤坂柿山>といわれている。<赤坂柿山>のパッケージは、気軽に手に取ることができるモダンなデザインのものもあるが、黒地に金や銀の装飾を施した和をベースに西洋が感じられるものなど意匠性に富んだ美しく高級感あふれるものが有名だ。貴重な材料を使い、ていねいに作られたおかきであることが、パッケージからも伝わってくる。

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(左)缶の意匠にも高級感が。蒔絵の小箱のような化粧缶「赤坂慶長 紅缶」

(右)東京国立博物館とのコラボレーション「赤坂慶長 見返り美人図缶」

「お菓子は五感で味わうものなので、手間をかけ、ていねいに作ったおかきをお届けするのに、同じ包むなら視覚要素としてのデザインも重要なはずです。でも、おかきは昔から庶民が気軽に親しむもので、格が高いお菓子とはみなされていなかった。そのため今のように改まった席でお出ししたり、手土産にしたりする習慣がありませんでした。そこで、先代である父が「出掛けて行って心を伝えるなら、それなりの身だしなみで行くように、お届けするものも気持ちにふさわしいものにするべきだ」と考え、和紙加工の個包装やデザイン性を重視したパッケージを使うようになりました。」

 

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昔のカタログ。高級感のあるパッケージやモダンな色や模様が、おかきへの認識を新たにせしめた。

「無駄な装飾をするというわけではなく、中身にふさわしい装いに」は、当時としては革新的なことで、はじめは社内からもお客さまからも異論があったそうだ。

パッケージのように新しい提案を商品開発でも行っている。「慶長」の新フレーバーもそのひとつ。糀醤油や赤飯、抹茶、カレーなどのほか、『ぼる塾』の田辺智加さんとコラボレーションを行い、パクチー、ガーリックなどもある。1枚ずつ買うことができ袋のデザインも今風とあって若い層にも人気だ。

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シン慶長(1枚) 87~184円 

伊勢丹新宿店限定の「シン慶長」には"ぼる塾"の田辺さん監修の燻製、パクチーなど新感覚のフレーバーがある。

「慶長」と並び<赤坂柿山>の代表的商品であるアーモンドをおかきで包んだ「慶凰」も、コンパクトなサイズでモダンなデザインのパッケージ入りの商品をつくり、自宅用やプチギフトに重宝されている。

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慶凰 (各1袋5粒)各648円

あられの衣を纏ったアーモンドが香ばしい。プチギフトに最適なパッケージ入り。(左)「醤油」、(右)「塩」の2種。

伝統を基本としながら新しい試みで進化を遂げ、おかきの文化を伝承し、さらに発展に貢献する「赤坂柿山」。伝統的なおかきも、新感覚のおかきからも、目が離せない。

 

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