2022.10.31 UP
1965年に開店した欧風料理店「レストラン・フック」から、歴史がスタートしている<ロック・フィールド>。その後、ヨーロッパ視察でデリカテッセンの存在を知ったことが契機となり、72年に<ロック・フィールド>創業につながった。提供するのはハレの日のご馳走。高級デリを家庭で食べるスタイルが、高度経済成長で豊かになった日本の食卓にフィットした。
92年に、百貨店に出店していた惣菜ブランドを<RF1>に統一。このブランド名にはモータースポーツのF1にちなみ、「惣菜で世界最高峰を目指す」との思いが込められている。ブランド創設にあたり、取り扱う惣菜を「ハレの日」から「ケの日」へとシフト。86年に施行された男女雇用均等法により、共働き家庭が増える中で「これから求められる惣菜は日常生活に寄り添うもの」と判断。健康志向も高まっていたが、まだ家庭で作られるサラダはポテトサラダやマカロニサラダが主流であった点に目をつけ、野菜をたっぷりと取れるサラダを多く取り揃えた。
そうした背景で、94年に登場して以来<RF1>の看板商品といえば、「緑の30品目のサラダ」だ。「30品目」とは、当時の厚生省が健康づくりのための食生活指針で目標とした数。この考えに共感して作られたのがこの商品だ。
緑の30品目サラダ(100g) 411円〜432円 ※素材によって価格が変わります。
旬の野菜を組み合わせて作る30品目サラダ。およそ年に5回ほど、入っている野菜の構成が変わる。
「緑の30品目のサラダは発売直後から人気でした。でも当初は作れば作るほど赤字だったんです」と関係者は振り返る。野菜の種類が多いことで、製造工程も複雑になっていたからだ。改善すべく、製造工程を何度も見直したことが、同社の今のサラダの品質向上を支えている。
2000年に静岡ファクトリー第二棟が竣工。「下処理ではなく、下ごしらえ」をモットーに、家庭で行う”下ごしらえ”のような丁寧な加工ができるようになり、採れたての野菜の風味を損なわない加工が可能になった。
ごぼうやじゃがいもは、土つきのまま運ばれる。直前に土を落とした方が、香りが圧倒的に強いからだ。じゃがいもの芽とりは、人の手で確認しながら行われる。
新鮮な野菜を、鮮度を保ったまま調達し、丁寧に下ごしらえ。葉物は優しい水流で傷つけないように洗い、いたみや虫の残留がないか、手作業で一枚ずつ確認する。
緑の30品目の野菜は、香りの強さ、見た目の色合い、カット、味わいのまとまりなど、何度も作っては試食しを繰り返し、バランスの良さを導き出している。
ドレッシングだって手を抜かない。「お客さまの”最後の一皿”を作るという意気込みで作っている」と、各々のサラダにベストマッチなドレッシングを作り分けている。30品目のサラダには、緑の野菜の味わいを引き立てる和風ガーリックドレッシングのほか、季節のドレッシングのどちらかから選べる。
ジャガイモやレタスは契約農家から直送される。安心・安全の面で信頼のおける生産者との絆は強く、適正価格で買い取り、困っていたらできる限り支援をするなど、強い信頼関係ができている。産地から店頭まで一定温度を保った輸送網も自社で賄うなど「おいしい野菜を、おいしいままで」届ける情熱は、同社の大きな特徴の一つだ。たかがサラダと侮るなかれ。どれも食卓の中心を飾れる1品なのだ。
ローストビーフと揚げごぼうのサラダ 旨みソース(1パック)940円
約3分でできたてサラダが作れるキット。ごはんやお酒のお供になる味わい。この袋分けの方法、鮮度を保つパック詰めの技術に<RF1>の技術と経験が詰まっている。
サラダキッドの完成図。
ほうれん草&ベーコンのキッシュ(1個)476円
アパレイユの割合を増やしたふんわり食感のキッシュ。ソテーしたベーコンがアクセント。
宮城県産フレッシュ牡蠣のフライ(100g)799円
毎年人気の産地指定の牡蠣フライ。冷凍ではなくフレッシュを使用しているからこそ、3つの旬を味わえる。10~11月は「はしりの旬」、12~2月は「さかりの旬」、3~4月は「なごりの旬」。味のうつろいも楽しんでいただきたい商品。(2022年10月中旬~2023年3月中旬販売予定)
牛肉のグリル 霜降りひらたけのロースト添え(100g) 897円
牛肉を贅沢に味わえるご馳走メニュー。牛肉をグリルした後にじっくりと加熱し、表面の香ばしい香りと柔らかな食感、牛肉の旨みを引き出した。ブイヨンベースのソースが、牛肉とローストした霜降りひらたけの味わいを一層引き立てる。
撮影・岩本慶三
文・柿本礼子