バイヤーが語る!伊勢丹の名物弁当シリーズ"コベントウ"の道のり

2021.9.14 UP

春と秋、伊勢丹新宿店の食品では、日頃のお客様からの声やバイヤーたちの思いを新作として発表するオンリーエムアイという企画があります。この秋は、9月15日(水)~27日(火)で開催。 “コベントウ”は、数年前からの継続企画の一つで、その意義も内容も変化してきました。これまでの道のりや今回の新作についてバイヤーに話を聞きました。

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旨の膳(惣菜)バイヤー 久保田 浩之

 

2004年伊勢丹入社。入社当初は新宿店婦人服を担当。3年目より新宿店食品催事商品担当、地域店セールスマネージャー等を経て、2018年より現職。業務上大切にしていることは、「お客様がどんなシーンで購入していただける商品か」を主語に商品開発を行っている。

最初は「お子様が大人と一緒に食べられるお弁当」が目標だった

編集部「小さなサイズのお弁当“コベントウ”は、いつ、どういうきっかけでスタートしたのでしょう?」

 

久保田「スタートは2018年5月でした。オンリーエムアイの企画にする前に、実はトライした機会がありました。きっかけは、自分の子供に買いたいお弁当がなかったことです。子供向けサイズで品質は百貨店クオリティのお弁当って意外にない。イメージしたのは小学校の低学年くらいのお子様ですが、家族でお弁当を食べようという時、背伸びして大人と一緒のものが食べたいお年頃。各社にお子さま向けのお弁当作ってもらえないか相談したのですが、手間はかかるのにサイズが小さくなると価格は安くしないといけないのでは?という声も多くなかなか進みませんでした。そんな中で、やろうと言ってくれたのが<浅草今半>さんでした。」

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<浅草今半>お手軽弁当 648円

伊勢丹新宿店本館地下1階 旨の膳

秘伝の割り下が沁みた牛肉と卵とじ。<浅草今半>の魅力がぎゅっと凝縮したお弁当。

 

久保田「最初の2ヶ月くらいは売れなかったのですが、夏休みに入ったあたりから売れ始め、口コミで評判になっていったようです。結局8月の売れ筋弁当のトップ5に入って、各社も反応が変わり始めました」

 

編集部「つまり、作ってもらいやすくなったということですか?」

 

久保田「そうです。それで2019年3月のオンリーエムアイで企画を実施しました。大事なのは、お子様でも食べやすく、食べきれること。サイズが小さくなっても、中身のクオリティはむしろ上げてくださいと。そうしたら、お子様以外にも女性、ご高齢の方々が買われるようになったのです」

たくさん入っているより食べきれる、が嬉しい時代。

久保田「この時、事前商品説明会をしたのですが、色々なメディアの方にこれはサステナブルなお弁当ですねと言われました。残さないで食べきれるということが、自分の想像以上に社会にとっては価値になってきたと思いました。それなら容器も、もっと環境対応にしていかなければと。それまでも、脱プラ(脱プラスチック)の容器を調べていたのですが、レンジ対応できないとか、しみてしまうとか、汁物に弱いとか、まだまだ発展途上なものが多かった。しかも価格は高いので導入しあぐねていたのです」。

 

編集部「2019年、当時は翌年がオリンピックということでSDGs(サステナブル・ディベロプメント・ゴールズ 持続可能な開発目標の略)などの認知も上がってきた時でしたね」

 

久保田「容器に関しては、なかなか一気には難しくて、できるところからやっていこうと思いました。まずはプラスティックを減らす(減プラ)、そしてやめる(脱プラ)。最初からや山が高すぎると疲れてしまいます。色々調べていくうちに、ファルカタ材といって成長の早い竹木材でレンジ対応もできる容器を見つけることができました」

 

久保田「この時、食材として着目したのが大豆ミートでした。海外ではすでにベジタリアン対応が進んで、大豆ミートや擬似肉の需要が広がっていますが、日本は元々大豆を食べてきたので、大豆ミートとか言われると何か抵抗があるのかなという気がしました。それで、大豆ミートに限らず、大豆の加工品のバラエティでヘルシーなお弁当を増やせないかなと思ってやってみたのが今回です」。

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<米屋(めしや)>とり&大豆ミート 餃子弁当(一折)1,080円

伊勢丹新宿店本館地下1階 旨の膳

大豆ミートと鶏肉を餡にしたヘルシー餃子のお弁当。餃子弁当だけれど、食後感が軽い。

かわいい、おいしい、サステナブルな「コベントウ」

久保田「脱プラと同じ発想なのですが、大豆商品も、最初からルールを厳しくしすぎないようにして広げられたら良いと思いました。それで、大豆油や大豆加工品のラインナップが豊富で歴史もある不二製油さんの大豆ミートに加え、「マメマージュ」という豆乳を発酵させたチーズの代替的な食品や、新たに開発されたウニと大豆ペーストを合わせた「うにペースト」などを使ったお弁当を開発しました」。

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<Sushi AvenSushi Avenue K's>豆乳ROLLといなり詰合せ(一人前)1,001円(税込) 各日30点限り

伊勢丹新宿店本館地下1階 旨の膳

「不二製油」の新開発による「うにペースト」を混ぜたご飯、豆乳の発酵食「マメマージュ」を使った稲荷寿司は新しい寿司の可能性にトライ。

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<佐賀牛Sagaya銀座デリカテッセン>佐賀牛のミートソースと大豆ミートのドリア(一人前)1,296円

伊勢丹新宿店本館地下1階 旨の膳

牛肉と大豆ミートのミックスは、最初しっかり牛肉の旨味が来て、最後は大豆ミートのスッキリ感でしまる。

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<醸す>おいしいを我慢しないヘルシー弁当(一人前)897円

伊勢丹新宿店本館地下1階 旨の膳

展開期間:3月16 日(火)まで

肉も魚も食べた感が欲しいという気持ちに応えるお弁当。肉は大豆ミートを使ったハンバーグ。

久保田「ヘルシーな内容にしたとしても、満足感があることを大事にしました。既にベジタリアンを選択されている方々は、ご自分で食材から探して作られる方が多いのではと思うのです。対して、お弁当をよく買う方は、普段よりもちょっとヘルシーなものが食べられたら嬉しい、少し体に気遣いしたいという方が多いと思います。あまりそこはストイックにしないで、続けられる感じに。今後も、大豆商品に限らずヘルシーで美味しい食材の選択肢を増やしていきたいと思っていますし、脱プラも進行中。まだまだコベントウから離れられません」。

 

「伊勢丹のお弁当」を見る

 

Text:ISETAN FOOD INDEX編集部

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