2021.5.10 UP
スカーレットダンス、ロロロッサ、エディブルフラワー。伊勢丹新宿店のフレッシュマーケット(生鮮食品)の一角にあるファーマーズクリエイションには、聞き慣れない名前の野菜がきれいに袋詰めされて並んでいます。<コスモファーム>は、これらの目新しい品種とともに彩り豊かに袋詰めされたパッケージでも評判。これらの野菜たちはどのように生まれているのでしょう? 香川県高松市にある農場へと足を運びました。
高松市中心部から南へ車を走らせること約30分。市内でも屈指の稲作が盛んな地区・川部町に<コスモファーム>のビニールハウスはあります。晴天率全国No.1で温暖な瀬戸内式気候を活かし、先述した野菜のほか、ジューシーケール、レッドロメインレタス、紅くるり大根、京紫大根といったカラフルな大根など約200種を栽培しています。従来のハウス栽培のように、単一の野菜を一斉に効率よく育てるというのではなく、多品種の作物をゆっくりと育てているのが<コスモファーム>の特徴です。
「環境と人に優しい野菜づくりがモットー。香川の恵まれた気候をうまく利用し、旬のものをその時期に育てるようにしています。自然のリズムに合わせた栽培は、環境への負荷を少しでも軽くできると考えています」と話してくれたのは、<コスモファーム>の中村裕太郎さん。
高松市で生まれ育った中村裕太郎さんは、設計の仕事を経て2009年から現職。趣味は野菜の食べ比べ。根っからのベジラバーです。
<コスモファーム>のある川部町。のどかな田園風景の中にビニールハウスを構え、約200種もの野菜を育てています。
農業の道へと進んだ中村さんはある葉野菜と出合い、衝撃を受けたと言います。
「ピンク、オレンジ、黄色の茎を持つスイスチャードのカラフルな野菜に心を奪われたんです。そこで僕もこういった存在感のある西洋野菜を作ってみたい! と、一念発起しました。香川県は実はヨーロッパの地中海気候とも似ているとも言われていて、こういった地の利に恵まれていることも大きいんです。野菜づくりを始めてさまざまな品種に触れるうちにすっかり虜になってしまいました。野菜が持っている魅力を、少しでも多くの方に知っていただきたいと思っています」
取材で訪れたのは3月上旬。サニーレタスやイタリアンレタスの一種・ロロロッサなどの苗がずらりと並んでいました。
やわらかな歯ごたえが定評のイタリアン野菜・ロログリーンの芽。
3月に訪ねた折に咲き誇っていたエディブルフワラーのビオラ。矢車草、美女撫子、金魚草など可憐な20〜30種を栽培しています。
野菜とエディブルフラワーの作付けはほぼ1人で行なっているそうです。
ハウスの中にはアトリエのような雰囲気が漂う作業スペースが。次のシーズンに向けた種の仕込みなども行います。
店頭に並んだ<コスモファーム>の野菜は、彩りも美しく、ひときわ目を引きます。パッケージに対する想いをたずねると、「野菜を買って食べてくださる方の気持ちも潤す存在でありたいんです」と中村さん。
「野菜を通じてたくさんの方とコミュニケーションを図っていきたい。店頭での出合いから食卓を囲むまでのストーリーを想像しながら、1袋にまとめています。また、一部の商品は、袋ごとにわかりやすいネーミングにしています。例えば『グリル野菜MIX』と名付けることで、中に入っている野菜は焼くとおいしくいただけることがイメージできますよね。そこから、手にした方ならではのメニューも浮かんでもらえると嬉しいなと。そんなことを考えながら、袋詰めを練るのもまた楽しくてしかたがないんです」
みずみずしいリーフレタスの葉。まるで、ブーケを手にしているかのようです。
ハウスの隣ではハーブ園を造成中。なんと、中村さんご自身のDIYだとか。チャレンジ精神旺盛な中村さんに、今後、挑戦したいことを伺いました。
「野菜の滋味を堪能できるブイヤベースの開発も計画しています。野菜の奥深さと多様性をあらゆる形で伝えていきたいですね」
伊勢丹新宿店では5月10日(月)〜5月16日(日)に香川フェアが開催されます。<コスモファーム>の野菜をこの機会にぜひご賞味ください。
<コスモファームの商品>
<コスモファーム>
彩り春大根 各種/香川県産(1袋 )432円から
フレッシュマーケット/青果
<コスモファーム>
ベビーリーフMIX/香川県産(1袋) 378円
フレッシュマーケット/青果
<コスモファーム>
グリル野菜MIX/香川県産(1袋) 648円
フレッシュマーケット/青果
※生鮮品は、天候等の諸事情により入荷がない場合、価格等が変更となる場合がございます。
*画像はイメージです。内容は変更になる場合がございます。
※イベントは中止・日時が変更になる場合がございます。
写真 福田喜一
取材・文 松岡真子(FOODIE編集部)