ニッポンの海から山から。岡山県

晴れの国・おかやまを愛称に持つように、瀬戸内の温暖な気候によって明治時代から果物の栽培が盛んです。その筆頭はぶどうと白桃です。

「果物の女王」として名高いマスカット・オブ・アレキサンドリアは生産量の90％を岡山県が占めています。大粒の実は透き通った宝石のようなエメラルドグリーンで、豊かな芳香、気品溢れる食味が特長です。

マスカットと巨峰を交配し、ニューピオーネは誕生しました。種なしで大ぶりの実は、とってもジューシーな味わい。北部と南部の気温差が大きい岡山県の特性を活かして、栽培の時期をずらすことで長期間にわたっていただくことができます。

濃厚な香りととろけるようなやわらかさがたまらない、白桃。岡山県で主流の直射日光を当てない有袋栽培で熟した実は、うっとりするほど美しい佇まいです。ひと口に白桃と言っても、たくさんの品種があります。そして旬も微妙に異なるため、シーズン中はさまざまな銘柄が店頭に並びます。この機会に味比べをしてみてはいかがでしょうか。

標高400〜600mに位置する真庭市蒜山。昼夜の寒暖差が大きく、農業には絶好の環境です。1982年から栽培をする〈ひるぜん農園〉では、甘さを保つために早朝に収穫。みずみずしい1本をご堪能あれ。

「食べることは生きること」をモットーに、岡山市東区浅川で岡本尚子さんが営んでいます。年間を通じてカラフルな野菜がたくさん。夏を迎えた今は、オレンジのパプリカや紫色のオクラなどの旬が真っ盛りです。

ほどよい霜降りと赤身が特徴の千牛屋は、蔓牛（系統牛）の血統を受け継ぐ黒毛和牛で銘柄肉のルーツともされています。自然豊かな中国山地でのびやかに育ち、やわらかな食感に。肥育数が少ないゆえに、ほとんどが県内で消費されています。そんな岡山を代表するお肉が伊勢丹新宿店に登場します。

シャキッとした歯ごたえと上品な甘みに舌鼓を打つ黄ニラは、実は緑のニラと同じ種です。光を遮断して生長させることで葉緑素の発生を抑えて栽培。収穫後に太陽に当て、鮮やかな黄色に仕上げます。

一方のマイルドパクチーは『黄ニラ大使』も務める植田輝義さんが7年の歳月をかけて栽培法を考案。通常のものと比べると糖度も高く、根も料理に使えます。常識を超える2種の滋味をお楽しみに！

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写真：黒川ひろみ（白桃料理）　和田裕也（オリーブオイル）