2021.7.25 UP
百貨店ならではの定番商品はもちろん、ほかではなかなかお目にかかれないおいしい掘り出し物まで。伊勢丹新宿店の地下の食品フロアに行くと、いろいろなアイテムが一度に手に入るので便利ですね。妄想ですが『1万円で好きなものを買ってきてください』という企画があったら、すごくいいものを見つける自信があります」楽しげに話してくれたのは、スタイリストの大橋利枝子さん。洋服に限らず、“いいもの”を見極めるセンスの持ち主である大橋さんの推薦品は、〈MINOSUKE〉の豆腐や油あげ。
「今までいろいろなお豆腐を食べてきましたが、普段使いに常備したいと思ったのが木綿豆腐です。冷ややっこで食べるなら、お醤油をかけずに塩やオリーブオイルをちょっと振って食べてもおいしいです。シンプルなのに奥が深くて、贅沢な気分になれるんです。油あげはお味噌汁に入れたり、あぶったり、炒めて食べたり。いろいろな調理法ができるので重宝しています」
さらにもう一つのお気に入りは、ふっくらとした食感のがんもどき。「定番の『京がんも』も好きですが、私は特に、冬限定で販売されている『ゆり根がんも』の大ファン。ただ、人気商品なので夕方には売り切れてしまっていることも多く、買う時は朝一番に気合を入れて行きます。グローサリーに併設された売り場には専用のレジがあるので会計も楽ですし、種類も充実しているので、ショーケースに商品がきれいに並んでいるのを見るだけでも楽しいです」
〈MINOSUKE〉
特選三之助(木綿)(370g)411円、油あげ (2枚入)260円、京がんも (3個入)292円
伊勢丹新宿店本館地下1階 シェフズセレクション
〈三之助〉では、選りすぐりの国産大豆、伊豆大島産の天然にがり、ミネラルを含んだ地下水を使用。毎日食べても飽きのこない、深みのある味わいが特長。
そんな大橋さんに伊勢丹新宿店との思い出を尋ねてみると…。
「数年前、『FLW』というアパレルブランドの仕事をしていた時に、伊勢丹新宿店の階で催事を開いたことがあるんです。私も臨時スタッフとして店頭に立たせてもらいました。事前にきちんと販売研修を受けて、『伊勢丹・大橋』というバッジも作っていただきました。なんだか嬉しくて、『記念に持って帰ってもいいですか?』と聞いたのですが、それはさすがにNGでしたね(笑)」
'18年からは、自身のブランド『fruits of life』をスタート。シルエットや着心地にこだわり、独自の審美眼で自分が「これだ」と思う素材を全国から厳選。そんな大橋さんの哲学が詰まった洋服を、穏やかな光の入るショールームで見せてもらった。
取材をお願いした日は、秋冬シーズンの展示会中。
『fruits of life』とは“生活の実り”という意味。「大人の女性が素敵に見える服」がコンセプト。
オリジナルのタグやポストカードには、友人の写真家・森本美絵さんの写真を使用。
素材選びやデザイン、商品の出荷から事務作業までを一人で行っている。
ショールームはアポイント制。一人一人のお客さまに向き合い、スタイリングのアドバイスも行う。
秋冬新作のワンピース。オリジナルのシルク生地を使用。
カシミヤ100%のコート。
「卯の花色」など、日本をイメージした色の表記が素敵。
「売れるものではなく、自分が着たい洋服を作っています」と大橋さん。
つい長居したくなるアットホームな空間。
家具はすべて福岡にある『杉工場』のもの。ショールームで販売もしている。
(プロフィールテキスト))
大橋利枝子
スタイリスト
雑誌『オリーブ』で活躍ののち、スタイリストとして『FLW』デザイナーに就任。2018年『fruits of life』をスタート。著書に『おしゃれっていいもの』(文化出版局)などがある。「甘の味」でおやつを吟味するのも至福のひとときなのだとか。
写真:太田隆生、福田喜一(商品)
スタイリスト:西﨑弥沙(商品)
フード :木村遥
取材・文:瀬尾麻美