2022.03.13UP
最近は日本で専門店も登場したガパオライス。今回ご紹介する人気弁当は、バンコクで1994年にオープンしたハイエンドなタイ料理のレストラン、マンゴツリーのテイクアウト専門店として誕生した<マンゴツリーデリ>の「鶏のガパオボウル」です。カフェご飯でも人気のガパオライスですが<マンゴツリーデリ>の「鶏のガパオボウル」は一味違います。伊勢丹新宿店で人気の理由を探ってみました。
レストラン マンゴツリーがバンコクから日本にやってきたのは2002年。当時、タイ料理といえば屋台ご飯、辛いエスニック料理のイメージでした。「辛みだけではないタイ料理の総合的な甘・辛・酸の塩梅、そしてハーブの香りの魅力をタイの上質な食文化として伝える」。ことがレストラン マンゴツリーのミッションでした。この方向性は、テイクアウト専門店として誕生した<マンゴツリーデリ>にも共通しています。なので、ガパオライスはタイ本国で屋台飯として親しまれているご飯なのですが、<マンゴツリーデリ>の「鶏のガパオライス」は、パンチはあっても全体的に品良くバランスの取れた味わい。唐辛子の辛みやナンプラーの風味が突出することもありません。これが人気の理由の一つかと思います。
そして、まだまだ知られざるタイ料理の大きな魅力が、香り高い多様なハーブ類。パクチーなどは日本で随分栽培されるようになりましたが、ガパオライスの要となるハーブはホーリーバジルです。実はガパオとはタイ語でホーリーバジルのこと。しかし、日本で入手しやすいのは、西洋料理でも馴染みのあるスイートバジルです。スイートバジルは、爽やかで甘さがあり、クセは強くありません。対してホーリーバジルは、お香のような高貴な芳香性が独特です。<マンゴツリーデリ>の「鶏のガパオボウル」には、タイ産のホーリーバジルがたっぷりと使われています。人気の秘密は、このホーリーバジルの独特な香りに病みつきになる魅力があるからなのかもしれません。香りといえば、お米も“香り米”と言われるジャスミンライスを使用。<マンゴツリーデリ>では、タイ産ジャスミンライスの中でも味や香りが特に良いと言われているものを使用しているそうです。
ガパオには、色々な種類があります。日本では挽肉が定番ですが、要はガパオ(ホーリーバジル)炒めであれば全てがガパオなのです。タイでは鶏、豚、牛、シーフード、野菜などのガパオ炒めがあり、肉も挽肉に限りません。そして「鶏のガパオボウル」ですが、鶏ひき肉。こだわりの粗挽き肉を使用しています。あっさりとした味わいの鶏肉ですが、これを粗挽きにして歯応えを出すことで、調味料類とのバランスが良くなりお肉の旨味をしっかりと感じられます。もう一つ特記したいのが、目玉焼き。本国式に油で揚げ焼きにしています。揚げ焼きすることで出る玉子のボリューム感が、シンプルな料理であっても食べ応えに繋がっているのではと思います。鶏ひき肉と目玉焼きは抜群に相性が良く、別々に食べても、しっかりと混ぜ合わせて食べても、それぞれに美味しいのです。
(おまけ)より美味しい食べ方を教えてもらいました。
最後に「鶏のガパオボウル」のさらに美味しい食べ方です。ひとつは「フライパンなどで炒め直して食べる」こと。タイ料理は香りの料理です。少々手間でもフライパンで火を入れれば、レンジで温め直すよりも香りが立ち、より一層美味しく味わえます。もう一つが、追い調味料で“プリックナンプラー”(唐辛子入りのナンプラー)をかけること。より本場らしさが増した味わいになります。
そして、おまけのおまけですが、伊勢丹新宿店の<マンゴツリーデリ>にはレストランデリの<mango tree Tokyo SELECTION>のラインナップもあります。屋台的なご飯とは一線を画したレストランならではのメニューもお試しいただければと思います。
〈マンゴツリー〉丸ごとソフトシェルクラブの玉子カレー炒め 1,566円
タイでも人気の玉子カレー炒め。旨みたっぷりのソフトシェルクラブを丸ごと殻ごと使用し、ターメリックのきいたふわふわとろとろの玉子炒めに仕上げました。辛みは少なくマイルドな一体感が自慢の一品です。
Text : ISETAN FOOD INDEX編集部