2024.3.29 UP
私の台所では、主に3種の塩を使い分けています。1つ目はメインの味つけに使う藻塩。サラサラと小粒で旨みがあり、振り塩にもぴったり。2つ目は袋入りの1kg塩。天然塩だけれども比較的安価なので、パスタをゆでるときなどにバサッと加えています。そして、3つ目は英国<マルドン>のシーソルト。大粒のフレーク状の塩で、焼いた肉や魚料理の仕上げに欠かせません。
この<マルドン>、中世から英国の塩の産地として知られる町マルドンで生まれた老舗製塩所が販売しています。かくいう私も使い続けて早20年近くでしょうか。
出会いは、とあるステーキハウス。ジュージュー焼けるステーキにフレーク状の塩が添えて提供され、少し
つけて食べるとその味わいに感激。脂とともにじんわり溶けていくけれど、マイルドな塩味なので甘みだけが残るのです。完成した肉が、よりおいしくなる仕上げの塩!そのほか刺し身や冷ややっこにオリーブオイルとともに添えたり、濃厚なチョコレートケーキにも合います。
じっくり溶けるので、私は塩豚のときこそ<マルドン>。肉にすり込んで数日置くだけで、旨みを上手に引き出してくれます。ただ塩豚をゆでただけでもほどよい塩味ですが、オススメはタレやソースを添えて葉もので巻く食べ方。旨みが凝縮された塩豚の主役ぶりを味わえますよ。
今回の主役アイテム
<マルドン>シーソルト(英国製/250g)1,026円
伊勢丹新宿店 本館地下1階 シェフズセレクション
イングランド東部、エセックス海岸の自然の恵み。
<小島商店>白金豚肩ロース(加熱用)(岩手県産/100gあたり)780円
伊勢丹新宿店 本館地下1階 フレッシュマーケット
きめ細かくやわらかい肉質と甘い脂を持つブランド豚。
<コスモファーム>レタスリーフミックス(香川県産/1袋)594円
伊勢丹新宿店 本館地下1階 フレッシュマーケット/青果
葉ものを中心に色鮮やかなサラダ向き野菜をミックス。
<あぶまた味噌>割烹赤だし(愛知県製/500g)810円
伊勢丹新宿店 本館地下1階 シェフズセレクション
濃厚赤みそにみりんなどを加えたやわらかな調合みそ。
<石渡商店>気仙沼旨味帆立とコラーゲンのXO醬(145g)2,376円
伊勢丹新宿店 本館地下1階 シェフズセレクション
気仙沼産帆立に金華ハムなどを調合したXO醤。
<ラ シャブリジェンヌ>シャブリ ラ ピエレレ(フランス製/750ml)3,300円
伊勢丹新宿店 本館地下1階 グランド カーヴ
洋梨のようなエレガントでまろやかなアロマが特徴。
豚肩ロースブロック肉 500g
塩 小さじ2
しょうがの薄切り 3枚
にんにく 2かけ
長ねぎの青い部分 1本分
好みの葉野菜など 各適宜
酒 1/4カップ
【A】XO 黒酢だれ
・XO醤 大さじ2
・黒酢 大さじ1
・砂糖、しょうゆ 各小さじ1/2
【B】赤だしだれ
・赤だし 大さじ2
・みりん、白すりごま 各大さじ1
【C】ねぎ塩だれ
・長ねぎのみじん切り 10㎝分
・しょうがのみじん切り 1/2かけ分
・塩豚のゆで汁 大さじ1
・ごま油 小さじ1
・塩 少々
・粗びき黒こしょう 少々
作り方
①豚肉全体に塩をすり込み、ラップで包み冷蔵庫で3日ほど置く。鍋に入れてかぶるくらいの水を加え、にんにく、しょうが、長ねぎの青い部分を加え、中火にかける。沸騰したら弱火で30分ほどゆで、火を止めゆで汁の中で粗熱がとれるまで置く。(ゆで汁は捨てず「ゆで塩豚汁うどん」のレシピなどに活用)。各たれの材料を器に混ぜる。
②豚肉を食べやすく切り、葉野菜と共に器に盛る。各自で葉に豚肉、たれをのせて巻きながらいただく。
塩豚をゆでたゆで汁は、決して捨ててはいけません!なぜなら、塩豚からの最高においしいだしがたっぷり出ているから。
一緒に煮た薬味類を濾すだけで(にんにくだけは、やわらかくなっているのでペースト状にして戻し入れる)、黄金色の極上スープに早変わり。ひと口いただけば、その旨みにおどろくはず。
私が塩豚を作るなら、初日は「塩ゆで豚の葉っぱ包み」でいただき、翌日のランチはゆで汁を使った「ゆで塩豚汁うどん」が定番。むしろ、このうどんがお目当て?味を見て、少し足りないようならナンプラーを加えるとコクが増します。豚肉と相性の良いキャベツを加えてどうぞ。
材料 (2人分)
塩豚のゆで汁 4カップ
ナンプラー
キャベツ 2枚
長ねぎ 1/4本
ゆで塩豚 100g
うどん(ゆで麺) 2玉
七味 適宜
作り方
①キャベツはざく切り、長ねぎは斜め薄切り、塩豚は食べやすく切る。
②塩豚のゆで汁を鍋に入れて沸かし、ナンプラー、キャベツ、長ねぎを加えて2~3分煮る。
③うどんを加えて温まったら器に盛り、塩豚をのせて七味を振る。
※生鮮品は天候などの諸事情により入荷がない場合、また収穫状況により、産地、価格、販売期間が変更になる場合がございます。
※20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されています。
写真:福田喜一
スタイリスト:野村奈央
文:ツレヅレハナコ