定番だけじゃない! 伊勢丹のあんぱんを実食レポート。バゲット、食パン、豆パンも
伊勢丹新宿店のベーカリーコーナーから、定番のパンにフォーカスする企画第6弾。食パン、バゲット、クロワッサン、カレーパン、レーズンパンに続き、今回のテーマは「あんぱん(あんパン)」です!
あんの種類ひとつとっても、小豆の粒あんやこしあん、いもあんなど、ブランドによってタイプもガラリと変わるあんぱん。今回はあんの種類と甘さ、パン生地のタイプや食感に注目して、バイヤーイチオシの6品を比較しました。
約150年愛され続ける王道のあんぱんから、フランス発のブーランジュリーが手掛けるバゲットタイプのあんバター、さらには小豆がゴロッと粒のまま入ったハード系の豆パンまで、多彩なラインアップでお届けします!
【あんぱん①】自家製粒あんと酒種生地の黄金バランス! クラシカルなあんぱん<銀座木村家>
あんの種類 | 北海道産小豆の粒あん(つぶし餡) |
あんの甘さ | しっかりとした甘さ |
パン生地 | しっとり歯切れのよい酒種生地 |
あんぱんの生みの親ともいわれる<銀座木村家>。粒あん入りの「酒種 小倉」は1874(明治7)年に発売して以来、世代を超えて愛され続けるひと品です。
毎日工場で練り上げる自家製粒あんは「つぶし餡」と呼ばれ、粒あんとこしあんの間のようななめらかな食感。北海道産の小豆を特別な豆煮の方法で炊き上げ、小豆の風味とコクがしっかりと感じられます。米と麹と水から作る酒種(さかだね)を酵母に使った昔ながらの生地は、しっとりと歯切れがよく、単体では甘みの強いあんを上品にまとめあげています。おやつにパクッと食べやすい、小ぶりなサイズも魅力です。
【あんぱん②】フランス風アレンジがおしゃれ! 個性豊かなあんぱん3種<メゾン・ランドゥメンヌ>
あんの種類 | 北海道十勝産小豆の粒あん、他2種(瀬戸内レモン抹茶あん、さつまいもあん) |
あんの甘さ | 甘さ控えめ |
パン生地 | 豆乳入りのやわらかな生地 |
フランス・パリ発のブーランジュリー・パティスリー<メゾン・ランドゥメンヌ>は、日本生まれのあんぱんをフランス流にアレンジして、3種の味わいに。北海道十勝産の小豆で仕上げた粒あん入りの「クラシック」、瀬戸内レモンコンフィと抹茶あんを組み合わせ、酸味とコクを絶妙なバランスでまとめた「瀬戸内レモン抹茶」、福井県産「とみつ金時」のさつまいもあんにシナモンや生クリームを加えてアレンジした「スイートポテト」と、個性豊かな顔ぶれが楽しめます。
生地は豆乳を使ったやわらかな生地で、軽やかでさっぱりとした甘みがあんと好相性。ゆずの皮や黒ごまなど、トッピングにこだわった華やかなビジュアルにも注目です!
【あんぱん③】流行りのバゲットスタイル! あんバターの黄金コンビに香ばしい生地が融合<エディアール>
あんの種類 | 北海道産小豆のこしあん |
あんの甘さ | 甘さ控えめ |
パン生地 | 適度な硬さのあるバゲット生地 |
バゲット生地を使ったあんぱん「あんジャポネ」は、フランス・パリに本店を構える<エディアール>ならではのひと品。なんと、形が悪く焼き上がってしまったバゲットに、バターとあんこを塗ってみたらおいしかったという偶然から生まれたそう。
あんは北海道産小豆と白ザラメ糖で練り上げた、甘さ控えめのこしあんを使用。酸味のある香ばしいバゲット生地に、たっぷりのこしあんと有塩バターの甘じょっぱいハーモニーがクセになります。生地の歯ごたえがあるので、満足感もたっぷり。
おやつによし、朝食によしな和洋折衷の味わいは、何度もリピートしたくなること間違いなし。最近、このスタイルのあんぱんがジワジワ増えてきているので、まだ食べたことがない人はぜひお試しを!
【あんぱん④】ふんわり生地にあんを美しく巻き混んだ、まるで和菓子のようなあん食ぱん<obi-sand by はせがわ>
あんの種類 | 北海道十勝産のこしあん |
あんの甘さ | 上品な甘さ |
パン生地 | ふんわりしっとりとした食パン生地 |
高級食パンブームの火付け役、<はせがわ>の伊勢丹新宿店限定ブランド<obi-sand by はせがわ>の「十餡」は、自慢の食ぱん生地に特製こしあんを練り込んだあん食ぱんです。断面の美しい渦巻き模様は、特注の型を使って丁寧に巻き上げることで生まれるそうで、職人技が随所に光ります。
オリジナル小麦粉を使用した生地はふんわりやわらかく、北海道十勝産小豆を使った上品な甘さのこしあんとも相まって、口あたりなめらか。そのままいただくと、まるで和菓子を食べているよう! 少し厚めに切ってトーストしたパンにバターを合わせ、サクじゅわ食感のあんバター風にアレンジするのもおすすめです。
【豆パン①】大納言小豆やごま、鳴門金時いもを巻き込んだ食感豊かなハードパン<リチュエル ル グラン ド ブレ>
小豆の種類 | 北海道産小豆(あん状ではなく、粒そのまま) |
小豆の甘さ | 小豆そのものの上品な甘み |
パン生地 | しっかりとしたクラストのバゲット生地 |
フランスの伝統的な製パン技術にこだわったブーランジュリー<リチュエル ル グラン ド ブレ>の「パタート・アリコ」は、バゲット生地で北海道産小豆、鳴門金時芋、黒ごま、白ごまを巻き込んで焼き上げた、具材たっぷりのハードパン。
定番の「バゲット トラディション」をベースにした生地は、しっかりと焼き上げたクラスト(外皮)が特徴で、小麦の風味がなんとも豊か。小豆の上品な甘さ、甘く煮た鳴門金時いもの風味とのコントラストも絶妙です。具材のゴロゴロした食感もいいアクセントになっています。甘さ控えめなので、食事のおともにどうぞ。
【豆パン②】十勝産の金時かのこがゴロゴロ! 豆のやさしい甘みにほっこり<アンデルセン>
豆の種類 | 北海道十勝産の金時豆 |
豆の甘さ | やさしい甘み |
パン生地 | しっとり食感のソフトな生地 |
最後にご紹介するのは、小豆あんを使ったパンとは異なりますが、北海道十勝産の金時豆を甘く煮た「金時かのこ」を主役にした<アンデルセン>「マメパン」です。生地からはみ出るほど金時かのこを混ぜ込み、どこを食べてもホクッとした食感や風味が楽しめます。
ほんのり甘みのある生地は、上下を天板ではさむようにして焼くことで、しっとりやわらかく仕上げています。ホクホク食感の金時かのことも好相性で、食べるほどに生地と金時かのこのやさしい甘みが口いっぱいに広がります。日本茶と合わせて、秋のティータイムを満喫して。
素朴なおやつのイメージがあるあんぱんですが、バゲット生地と合わせた洋風タイプやまるで和菓子のようなものまで、そのポテンシャルの高さに改めて驚かされました。あんの種類や生地のタイプから、ぜひお気に入りのひと品を見つけてみてください!