「気温が15度になったら、恋しくなるのがニットウェア・セーター」です。“肌触りの良いニットウェアが着たくなる”季節に突入して、ベーシックな定番品を新調するもよし、新しいカラーにチャレンジするもよし。秋冬コーディネートの主役となるアイテムだからこそ、お気に入りに出合い、装うことを楽しんでいただきたい。オンでもオフでも着られるデザインや、色・素材で楽しめるものなど、2023-2024年冬に伊勢丹メンズがおすすめするニットウェアを、ブランド別にご紹介いたします。

1.＜ヨーク＞

2018年秋冬シーズンに、ニットウェアをメインにユニセックスで着こなせる上質なアイテムを提案するブランドとしてスタートした＜ヨーク＞。ブランド名には、「繋ぐ」「絆」「洋服の切り替え布」などの意味が込められています。洋服作りの原料→糸→生地→裁断→縫製→仕上げという一連の工程に多くの人が関わり、「繋がる」ことでできあがるのが洋服で、そのアイテムがいろんな人たちに繋がってほしいという思いが込められています。

モヘアカーディガンとプルオーバーニットはともに、伊勢丹新宿店 メンズ館 20周年を記念するスペシャルな限定品。カーディガンは＜ヨーク＞が得意としているモヘアニットを、伊勢丹タータンチェックの色糸をミックスして編み立てました。メランジ感の強いカーディガンとパネルボーダーのクルーネックは、丹色(にいろ＝赤土色)を表す赤いラインが美しいコントラストを描きます。

2.＜ブルックス ブラザーズ＞

アメリカを代表するファッションブランド＜ブルックス ブラザーズ＞。1818年ニューヨークで創業以来、初めて既製服を売り出し、さらにオリジナルポロカラーシャツなどの象徴的なアイテムの数々を世に送り出してきました。2世紀以上にわたり、変わらぬ伝統と価値を守り続け、世代を超えて紳士淑女が愛用するブランドです。

左：暖かみのあるクルーネックセーターは、2PLY(ツープライ)の柔らかいイングリッシュラムズウールを使用。全面にクラシックなケーブル編みを用いて上品な印象に仕上げ、左胸にはGF(ゴールデン フリース)マークを刺繍。シャツとのコーディネートはもちろん、アウターのインナーとしてもアクセントにもなる便利なアイテムです。

右：＜ブルックス ブラザーズ＞のロゴ入りボタンを使用し、太めの前立てが特徴のVネックカーディガンは、原毛を4本で撚る4PLY(フォープライ)のメリノウールを使用したしっかりした編み地のローゲージ(5ゲージ)で、脇部分は編み地の変化でパネル切り替えのようなデザインを加えています。長めの着丈でボクシーシルエットなので、ジャケットのようにコーディネートでき、無地でオンオフ問わず使えるデザインは着回しにおすすめです。

3.＜トゥモローランド＞

トラディショナル・マインドを大切にしながら、カジュアルからドレスまで、男の新しいエレガンスを提案する＜トゥモローランド＞。メンズのニットメーカーとして創業したことから特にニットウェアへのこだわりが強く、人気の高い定番デザインやカラー・素材であっても毎年見直しをするなど、ニットウェアが持つ無限の可能性にチャレンジしています。

左：流行り廃りのない定番ニットウェアで、ウォーム感と長い期間着用できるミドルゲージのクルーネックニットは、カジュアルからドレスまで幅広くカバーできるクセのないシンプルな形が人気。伸びダレしにくい編み地でスウェット感覚で気軽に着られる一着は、うれしい8色展開です。

右：毎シーズンマイナーチェンジを繰り返しながら定番展開されるハイゲージニットシリーズのタートルネックニット。オーストラリア産メリノウールのSuper120’S相当の17.5ミクロン原毛を使用しています。万人に似合うすっきりとしたほど良いスリムシルエットで、今シーズンはさらにタートルネックの長さを調整しました。肩の継ぎ目を一目ずつ手作業で拾うことでシームレス仕様になり、見た目の美しさはもちろん、インナーに使用した際のゴロツキもなし。過剰なデザインを排した、潔いルックスが特徴。豊富な6色展開です。

４.＜ウールリッチ＞

アメリカ生まれのアウトドアブランドとして世界中で愛されている＜ウールリッチ＞。アメリカブランドならではのエッセンスを持ちながらヨーロッパの匂いを感じさせ、上質でエレガントなコレクションを提案。その最大の魅力は、過去のアーカイブから受け継がれるシンプルで機能的なデザインと、洗練された雰囲気と武骨なディテールのコントラストがすべての製品に貫かれている点です。大人っぽいプレミアムな雰囲気が、シックで上品なスタイリングを叶えます。

左：ワイドボーダーのニットポロは、軽く、柔らかさが魅力のタスマニアのラムズウールを使用。ラガーシャツのようなイメージながら、襟はボディと同色で仕上げることで上品な仕上がりで、裾のリブ幅も少し長め。袖はターンナップ仕様のカフを採用して、クラシックな印象を高めています。

右：＜ビームス＞の西口 修平氏が監修する「WOOLRICH AUTHENTIC COLLECTION」の限定アイテム。やわらかなタッチのメリノウールで編み上げたハイゲージクルーネックで、シンプルなデザインは、週末のリラックスしたスタイルにも、オフィスでの程よいカジュアルな装いにも使いこなせます。

5.＜マッキントッシュ ロンドン＞

英国を代表するアウターウェアブランド＜マッキントッシュ＞から2015年秋に誕生した＜マッキントッシュ ロンドン＞。＜マッキントッシュ＞のDNAを受け継ぎながら、オーセンティックなトータルコレクションを提案。英国のトラッドテイストに基づき、シンプルで上質なファッションをご紹介しています。

左：フルジップのスタンドカーディガンは、オーストラリア羊毛(ファインウール原料)のウール100％のウォッシャブル素材。よりソフトに温かみのあるウール本来の自然な素材感を大事にした糸を使用しています。スタンドネックの高さや、適度なフィット感の首の開き具合は、＜マッキントッシュ ロンドン＞らしいミニマルな雰囲気を醸し出し、オーセンティック過ぎないスポーティな表情も魅力です。

右：前立てに＜マッキントッシュ ロンドン＞のハウスカラーである「茶」と「赤」の3本ラインを配したクラブムード満載なカーディガン。オーストラリアのタスマニア諸島で飼育されている希少なポルワースウールを使用しています。膨らみ感と滑らかな光沢感がある原料の特徴を活かし、ふんわりとした肌触りながら、凹凸感のあるきれいなケーブル目の編み地が目を惹きます。

6.＜バトナー＞

ニットウェアの産地として知られる山形県で、さまざまなメゾンブランドやアパレルメーカーの製品を手がけてきたファクトリー・奥山メリヤスのニットウェアブランド＜バトナー＞。ニッティング、リンキング、ステッチング、プレシング、チェッキング、大きく分けると5つの工程によってニットウェアは完成しますが、＜バトナー＞のニットウェアには奥山メリヤスが培ってきたノウハウと技術がギュッと凝縮。原料から製品に至るまですべての工程を高いクオリティで管理し、次の世代へと受け継がれるモノを作り続けています。

左：超長綿のスヴィンコットンにウールをブレンドし、超強撚に仕立てた糸を使用。この糸を多本取りし、度詰めで編み立てることによって、サラッとした質感で型崩れしにくく仕立てています。今シーズンはコットン主体のウールブレンドにすることで、より肌あたりの良いアイテムになり、スタンダードシルエットでセットインスリーブのデザインです。

右：伊勢丹新宿店別注のカシミヤクルーネックセーターは、越冬前のべビーカシミヤ一頭からわずか10gしか採取できない貴重な部位の産毛のみを使用。この上なくなめらかな風合いと、綿毛に優しく包まれるような暖かさと心地良さが味わえます。

7.＜ジョン スメドレー＞

ファインゲージニットウェアをリードするブランドとして世界中に名前を知られ、英国を代表するニットウェアブランド＜ジョン スメドレー＞。1784年創業以来、現在に至るまでスメドレー家によって経営され、職人たちが230年以上にわたって築き上げた手作業の仕上げ技術を誇ります。今も更なる革新を続けている、ハイゲージニットブランドの原点にしてパイオニア的なブランドです。

左：PINE(パイン)カラーのクルーネックニットは、Vネックと同じくエクストラファインメリノウールを使用。昨年に比べネック周りをアップデートし、シャツと合せたり、1枚で着用したり、薄手なのでジャケットとのコーディネートなど汎用性の高いアイテムです。

右：LAPIS BLUE(ラピスブルー)が美しいVネックニットは、エクストラファインメリノウールを使用。Vネックが昨年に比べて浅くアップデートされ、カットソーやシャツとより相性の良いアイテムになっています。＜ジョン スメドレー＞らしいオーセンティックなバランスの定番シリーズです。

8.＜グランサッソ＞

1952年創業のイタリアのニット専業ブランド＜グランサッソ＞。ブランド名は、イタリア随一の景勝地にして、勤勉な人々による産業も盛んなアブルッツォ州グランサッソ山地に由来します。70年代には世界にその名が知れ渡り、やがて国内外の一流ブランドのニット製品も手がけるようになりました。自社工場での熟練職人の技と、最新の機械設備を駆使したイタリアンエレガンスを感じられるブランドです。

左：一見スポーティな印象のあるダブルジップニットは、製品染めならではのこなれた印象。さらにジップの開閉位置によって、さまざまな表情が楽しめます。12ゲージの編み地は滑らかな肌触りで、厚みを抑えているのですっきり着こなせて、シャツやカットソーの上にサッと軽く羽織ったり、冬はジャケットやコートのインナーとしても活躍します。

右：色に表情がある製品染めタートルネックセーターは、秋深まるこれからの季節にはジャケットのインナーに、冬にはコートのインナーにとインナー映えする人気アイテム。柔らかなウール素材のボディは、程よいカジュアル感をもたらすミドルゲージで編み立てられ、シンプルなルックスが、上質な素材感を引き立てます。

9.＜フェデリ＞

北イタリアの街 モンツァで1934年に創業し、MADE IN ITALYを世界に紹介してきた先駆的ニットブランド＜フェデリ＞。世界三大超長綿「GIZA45」や麻などあらゆる種類の糸を扱いますが、特に名声を得ているのはカシミヤなどを扱うニットウェア。高品質にこだわる揺るぎない信念と厳格な生産規格を守りながら、熟練の職人たちの手作業を中心に商品を世に送り出しています。

左：上質なカシミヤ素材を使用して柔らかな風合いを生んだクルーネックニット。ほのかな起毛感と温かみのある編み地を、スマートなデザインに仕上げています。各所にリブ編みを施し、装いに取り入れやすい程よい着丈もポイント。一枚での着用はもちろん、さまざまなレイヤードスタイルにも活躍します。

右：首まわりに沿う、温かなモックネックデザインのニットウェアは、各所にリブ編みを施し、さりげないメリハリを利かせているのが特徴。ウール100％素材を使用し、上質感のある柔らかな風合いで、やや薄手の編み地は、軽やかな着心地が楽しめます。

10.＜ストーンアイランド＞

1982年にイタリア モデナ郊外のラヴァリーノで誕生した＜ストーンアイランド＞。ブランドを象徴するバッジは軍の勲章からのインスピレーションで、“海への愛情と永続的な研究にまっすぐに突き進む”という志をコンパスで表現しています。創業当初より、ミリタリーウェアの機能性やデザイン性にいち早く着目し、カラーリングや加工技術を駆使することでオリジナルのミリタリーウェアを完成。さらに重く厚い布を、長時間のストーンウォッシュを施すことで柔らかな風合いへと変化させることに成功し、斬新で魅力的な新商品を次々と開発しています。

左袖のロゴパッチがポイントの定番人気のクルーネックニット。ウォーミーなウールベース素材を、程よい厚みのミドルゲージに編み上げ、両肩とフロントアームホールに施した裏メリヤス編みバンドがポイントです。クルーネックと袖口、裾はリブ編みで切り替えてニュアンスを利かせ、程よくゆとりのあるリラクシーな着心地も魅力。寒い季節のデイリーユースに活躍する一枚です。