
セレモニーウェアにも「個性」や「デザイン」が求められる時代になり、三越伊勢丹オンラインストアでフォーマルウェアを展開している<CARETTE/カレット>が取り組んだのが女性として、ママとして、自分のスタイルを持つクリエーターとのコラボレーションです。オファーしたのはプライベートでもこれからセレモニーの機会を控えられているという森本容子さん。森本さんと<カレット>のマネージャーの北健太郎さんに、今回の企画について お話を伺いました。

森本容子
株式会社YOCO MORIMOTO DESIGN OFFICEクリエイティブディレクター
1977年7月13日生まれ。数々のブランドの販売員を経て、EGOIST 渋谷109店ではカリスマ的な人気を誇る。その後、moussyなど数多くのブランドのプロデュース・デザインに関わり多くの女性の絶大な支持を受ける。2005年に独立し、株式会社 YOCO MORIMOTO DESIGN OFFICEを設立。代表取締役に就任。<KariAng><BANKER tokyo>などのブランドを運営する傍ら、自らデザイン、出演までこなす「ショップチャンネル」や生協グループのスクロールにてYMDOブランドを展開。ブランドコンサルティングやファッションのカテゴリーを越えた異業種とのコラボレーション、テレビ・雑誌などのメディア出演なども数多くこなしている。
北健太郎
フォーマルブランド<カレット>マネージャー
—マニッシュでカジュアルな印象の森本さんなので、フォーマルウェアの <カレット>さんとのコラボレーションは意外でもありました。

森本:コラボレーションについては「私、得意だからやれる」って即答でした(笑)。ドレスのブランドも手がけていた経験もあるので力になれるはずだって。
北:<DreAng/ドレアング>ですよね。私もずっとフォーマル畑なので、当時とても話題になっていたのを記憶しています。今では普通になっているオールインワンのゲストスタイルも先駆けて提案されていて、非常に衝撃を受けました。
森本:自分のブランドは女子会からフォーマルシーンまで対応する「リトルブラック」がテーマだったんですけど、体型に関わらず着ればシュッと見える、さらに着心地もラクというサイズ感にはすごくこだわっていました。なので<カレット>さんから声をかけていただいた時は、すぐにやりたいって気持ちになりました。
—<カレット>さんとしてもコラボレーションというのは新しい試みですが、森本さんにオファーしたのはどういう理由からでしょうか?
北:光文社さんのオンラインストアでも<カレット>を販売しているのですが、そこで森本さんが連載を持っていらして自身のライフスタイルなどを発信していたことで森本さんもこれからさまざまなセレモニーを迎えられる小さなお子さんがいることを知りました。<カレット>のメインのお客さまは森本さんと同世代が多く、そんな方たちが着たいと思える「かっこいいセレモニーウェア」を作りたいと思っていたので森本さんにオファーしました。私も森本さんのカリスマ性よく知っている世代でもあるので(笑)。
—「かっこいいセレモニーウェア」というのは現代のママたちの声としても多いのでしょうか。

北:フォーマルウェアは逸脱できないルールというのは確かにあるのですが、それでもここ数年は「個性」や「デザイン」をクローズアップする方向へとシフトいるように感じています。きちんと感はありつつも自分らしさを大切にしたいという声はすごく増えています。
森本:やっぱりスタイリッシュな印象がアップするということで、パンツスタイルが 増えているとも聞きますよね
—森本さんも年齢を重ねたり、ママとなったことでファッションに対する価値観に変化などはありましたか?

森本:出産を経て体型にも変化が現れたことで「必要以上に自分を良く見せよう」とは思わなくなりましたね。なので私が提案するのは、無理しなくても着られて、だけど手を抜いているようには見えない服が多いと思っています。それでも大人としてはちゃんと装わなければいけないシーンもあって、そのひとつがセレモニーウェアですよね。きちんと見せなければいけない、でも着飾りすぎるのは抵抗がある、そんな思いは今回の<カレット>さんとのコラボレーションにもしっかりと落とし込まれています。
北:さらっと着こなしているんだけれど素敵に見えるというのはとても難しいんですが、<カレット>としてはそこは森本さんにすべてお任せしました。こちらからお願いしたのは「これらをまるっと着ればかっこいいセレモニースタイルが完成する」ということをテーマにしてくださいということだけです。
—今回のコラボレーションでは森本さんのセンスが活かされつつも、<カレット>らしさも表現できたと感じていますか。

北:フォーマルの中でもハレの日のセレモニーウェアは少し攻めてもいいのではというのが<カレット>の考えです。そこでママとして、一人の女性として自分のスタイルを持たれている方とコラボレーションをすれば、より熱量の高いセレモニーウェアを提案できるのではというのが今回の企画のきっかけでした。これからは「<カレット>といえばコラボレーション」と思っていただけるぐらい新しい試みに挑戦していきたいです。お客さまからは「スタイルが良く見えるセレモニーウェアが欲しい」という声がとても多くて、そこにもお応えすることができたと思っています。
—本日、森本さんが着用されているのもコラボレーションウェアのひとつですが、こだわったポイントや想定されている着用シーンはありますか。
森本:私のいとこが住職なんですけど、立場が偉くなるらしくお披露目のための集まりがあるのでそこにも着ていくつもりです。お寺なので華やかすぎるのもよくないかもしれないですけど、おめでたい場でもあるので地味すぎるのもどうかと思っていて、今回のコラボレーションウェアはまさにぴったりです。

北:お子さまの七五三にも着てもらえたら。
森本:もちろんそのつもりです。先ほどお客さまから「スタイルをよく見せたい」という声が多いとありましたが30代、40代にとっては体型カバーというのは服にかかせない要素だと思っているので、今回はジャケットもパンツもすべてパターンをゼロから起こしています。私自身が30代、40代の女性の体型をリアルにわかっているつもりなので着心地の良さ、着た時の美しい見た目、さらに後ろ姿のかっこよさまで、シルエットには妥協していません。<カレット>のパタンナーの方が発想も柔軟で、私の意図を汲み取ってくれて、本当に一緒にお仕事して楽しかったです。
北:フリル使いなどは森本さんらしいのですが、それも甘い印象になりすぎないのがさすがだと思いましたね。デイリーにも気まわせるセレモニーウェアというのは<カレット>としても永遠のテーマだったのですが森本さんとのコラボレーションでそれが実現できたという手応えはあります。スーツとしての提案ですが、ジャケット、パンツはそれぞれ単品でもコーディネートアイテムとして楽しめると思います。

<カレット>
ギャザー&フリルジャケット×アシメタックパンツ 49,500円[商品を見る]
ギャザー使いコンビブラウス 16,500円[商品を見る]
□三越伊勢丹オンラインストア
「ジャケットは袖をたくし上げた時に止まるように、袖口にはゴムを入れています。ブラウスもカットソー感覚で切られるように、袖口をボタンではなくシャーリングにしています。アクセサリーで華やぎを添えたい時もあると思うので、ジャケットの前立てのフリルは取り外しができます」(森本)

<カレット>
2wayロングジャケット×タックパンツ53,900円[商品を見る]
□三越伊勢丹オンラインストア

<カレット>
ギャザー使いハイネックブラウス:16,500円[商品を見る]
□三越伊勢丹オンラインストア
「セレモニシーンにジレスタイルが増えているということで、ヒップが隠れる着丈のジャケットは袖が外せる仕様にしています。こなれた雰囲気でありながらあくまでフォーマルシーンを想定しているので、くるみボタンを選びました。パンツはワイドテーパードで、ウエストゴムで穿き心地はコンフォートです」(森本)
—セレモニースタイルが多様化していても「個性」や「デザイン」に踏み出せないという方もいらっしゃるのではないかと少し感じています。
森本:私はママになったことでファッション業界とは関係ないお友だちがたくさんできましたけど、皆さん本当にトレンドに敏感だし、私なんかよりもおしゃれへの意識ははるかに高いです。そんなママたちを満足させることができるセレモニーウェアがこれまでは無かったような気がします。実際にはフォーマルシーンであっても「個性」や「デザイン」を楽しみたいというママはすごく多いと思いますよ。
北:働くママたちはジャケットなども着慣れている方が多くて、仕事スタイルでも普段はとてもファッション感度が高いのにフォーマルになると控えめになってしまうのはもったいないですよね。
森本:ドレスコードについては<カレット>さんが専門家なのでアドバイスをしてくれるはずだと、私としては純粋にこれからのセレモニーシーンで自分が着たいと思う服をデザインしました。ジレがセレモニースタイルに人気なことも<カレット>さんから教えていただいたことです。
—今回のコラボレーションウェアをこんな場面で着てほしい、こんな風に楽しんでほしいという想いなどはありますか。

森本:セレモニーウェアなので卒園式や入学式を想定はしているのですが、ちょっとしたお食事会にもぴったりです。どんなアイテムとも合わせやすいと思っているので、ジャケットもパンツもお手持ちのワードローブとのコーディネートも楽しんでほしいですね。オンライン販売のみということなんですけど、本当は試着をしていただきたいです。袖を通せば着心地の良さ、スタイルが良く見えるシルエットなどを実感できるはずです。
北:フォーマルウェアはベーシック一択だと思ってたような方に、もう少し別の選択肢もあるんだということを知っていただきたいです。足元がブラックパンプスではなく、ローファーでもハンサムにキマるセレモニーウェアがあるんだと。
森本:多くの方に知ってもらって、試着してもらうためにも、ぜひポップアップをやりたいですね(笑)