＜さんぺだる＞オーナー⼩池陽⼦さんの旅先での出会いやご縁が集う「さんぺだる旅まるしぇ」

2022年2⽉に伊勢丹新宿店に出店いただき、今回は2度⽬の「さんぺだる旅まるしぇ」となります。前回のイベントの反響などはいかがでしたか

⼩池：＜さんぺだる＞は店舗を持たないというスタイルなので商品をご紹介するためにさまざまなイベントに参加させてもらっていますが、⾃らがリアル店舗で商品を販売したのは伊勢丹新宿店の「さんぺだる旅まるしぇ」が初めてでした。訪れた⽅も、参加されたも、いろんな出会いやその後の⽣き⽅について気づきがあるイベントになったのではと思っています。
国内でも海外でも「旅まるしぇに⾏きました！」とうれしい声をかけていただくこともありましたし、「旅まるしぇ」に出店いただいたショップにイベント後に訪れたという⽅もいらっしゃいました。出店ショップの多くが地⽅なので、都⼼と地⽅がボーダレスになり、それぞれの良さを共有できるいい機会だったと思います。

＜さんぺだる＞のオーナーとして⼩池さんが⽇頃から⼤切にしていることはありますか

⼩池：＜さんぺだる＞には飲⾷店だったり、お弁当屋だったり、お菓⼦屋さんだったり、旅⼈だったり、キュレーターだったり、いろんな表情があると思っています。⾃分が今いちばん興味や関⼼のある⽅を取材してみたり、そのとき、その瞬間に⾃分がやりたいこと、やるべきことを⾒つけていきながら、型にはまらないことをやり続けていきたいと思っています。伊勢丹新宿店でのイベントのテーマを「旅」にしたのは、＜さんぺだる＞にとってかけがえのないアクションが旅だからです。東京での⽣活はアウトプットばかりが⽇常茶飯事になりがちで、そんな時に脳をクリアに、マインドをリセットするために、⾃分のホームを離れて旅をすることが⼤切だと思っています。旅を通じてのインプットの素晴らしさ、楽しさを感じることで、たくさんの新しいことを知りたい、吸収したい、学びたい、そんな余裕があらためて⽣まれることもあります。私が旅をするのは、旅先で出会ったストーリーを個性豊かなプロダクツとして お客さ まに伝えるためでもあります。

伊勢丹新宿店で先⾏販売されるコラボレレーションアイテムなどもありますが、どんな商品なのか教えていただけますか

⼩池：2022年2⽉に伊勢丹新宿店で開催した「旅まるしぇ」でローンチしたさんぺだる塩ですが、この⼀年でたくさんの出会いをもたらしてくれました。今回はさんぺだる塩を通じて出会いのあった淡路島、オーストラリア、佐渡島の３つの島とのコラボアイテムとさんぺだる塩限定フレーバーを伊勢丹新宿店で初めて販売します。

⼩池：「SOIL TO PEDAL ⽸」は兵庫県淡路島の＜YOKACHORO FOOD BASE/よかちょろフードベース＞とのコラボレーションで、さんぺだる塩と ⾃然栽培の野菜を使ったオリジナルレシピの⽸詰です。味は正規品と変わらず美味しいのに、ちょっと形が悪かったり、⾒た⽬の問題で市場に出回らず⼟に還すしかない野菜たち、いわゆる「畑のフードロス」は年間200万トンもあります。そこで農家さんや⽣産者の救世主となるべく、野菜を新鮮なうちに⽸詰にして畑のフードロスをなくすことに取り組んでいる＜よかちょろフードベース＞に共感し、さんぺだる塩を使った⽸詰レシピを私が考案しました。⾃然栽培で作られた淡路島産の茄⼦やトマト、⽟ねぎをベースに、淡路島の塩を原料にしたさんぺだる塩を調味料とした⽸詰はそのまま野菜につけたり、パスタソースにしたり、パンに塗ったり、使い⽅は無限⼤。⽸詰のデザインは私の⼤切な友⼈であり、⼤⼈気イラストレーターのマエガミマミ⽒にお願いをしました。彼⼥が作り出す世界観が⽸詰の物語を表現してくれています。

⼩池：オーストラリアのイラストラーターNYATTSKIとコラボレーションしたオーガニックコットンの大判クロスは、2022 年の秋に初めてオーストラリアを訪れた際、そこで⽬にした⼈間と動物、植物が調和しながら⽣きていく姿勢に胸を打たれて製作しました。
私とイラストレーターの友⼈家族が⽥舎をドライブしていた時、⾞に轢かれた野⿃が道路に倒れてしまいました。友⼈はすぐに⿃を安全な場所へ移し、野⽣動物のボラ ンティアへ連絡を取りました。
キッチンクロスにプリントされたオーストラリアの動物と植物は、⼈間も動物も同じ地球に⽣きていて、その⽣命を重んじることに気づかせてくれた私の友⼈姉妹のイラストレーターが さんぺだるをイメージして描いてくれたオリジナルデザインです。オーガニックコットンの大判なクロスはピクニックシーン、キッチンアイテムとして、壁にかけてウォールアートにもおすすめです。

⼩池：「さんぺだる塩チョコレート」は佐渡ヶ島のチョコレート屋さんの＜莚 CACAO CLUB/むしろカカオクラブ＞とのコラボレーションで、さんぺだる塩の淡路島バージョンを使⽤しています。＜莚カカオクラブ＞ではオーガニック、フェアトレード、チャイルドレイバーフリー（児童労働）のカカオ⾖が原則で 、今回はさんぺだる塩淡路島バージョンと相性の良いマヤンレッドというホンジュラス産の真紅色のカカオ豆とベトナムのカカオ豆を特別にブレンドしました。⾹り⾼く味わい深いさんぺだる塩と濃厚なカカオが融合し、⼤粒の宝石のような塩のしゃりっとした⾷感と⽢じょっぱさもアクセントになっています。 パッケージは＜莚カカオクラブ＞のアイコニックな技法をそのまま採⽤させていただき、紙で折り込み、結び、贈るという古来から伝わる贈答の礼法「折形」を 反映しています。切り込みを⼊れることなく、⼀枚の紙から折り込む折形には始末という物語の締めくくりをつけることを⼤切に考えてきた⽇本⼈の美学が ⽣きています。

「さんぺだる旅まるしぇ」を通じて、お客さまに届けたい思いや 感じていただきたいことは

⼩池：「旅まるしぇ」に集う仲間たちは地⽅からの出店者が多く、作り⼿ひとりひとりがその⼟地に密接に関わり合いを持ちながら少量⽣産をしている⽅々がほとんどです。実際に畑や⼟地で材料の⼀部を育ててみたり、 収穫したり、製品にはさまざまな思いが込められています。だからこそ「旅まるしぇ」ではひとつの製品を作り⼿である私たちが お客さまにご説明しながら販売をすることを意識しています。作り⼿の⽅から直接受け取って購⼊するということは、お客さまにとっては当たり前のようであり、新鮮でもあると思います。モノを買うということは端的な⾏為ではなく、そのモノに携わっている⼈に対しての思いやりと応援になります。⾃分が⼝にするもの、肌に触れるもの、⽬にするもの、そこには必ず⼈が 携わっていて、「旅まるしぇ」はそれをあらためて再発⾒するような場所になってくれたらと思っています。

最後に⼩池さんにとっての「さんぺだる旅まるしぇ」とは？

⼩池：旅はインスピレーションを得るためのかげがえのないものだと感じている私が⽇本、世界を巡って⽬にしたいのは、その⼟地にどんな⼈が⽣きていて、どんな作物や植物が根付いているのかということです。それを知ることで、⾃ずとその⼟地の良さや特徴が⾒えてきます。昔ながらの伝統を重んじる⼈たち、真⼼を込めてモノづくりに没頭する⼈たち、そんな⼈たちの暮らしには都会では ⽬にすることも少ない本質的な豊かさが詰まっています。旅先でのかけがえのない 出会いをご 縁と捉えて＜さんぺだる＞の元に集まってくださるモノづくりの⽅々。そんな出店者と⼀緒に開催する特別なイベントが「さんぺだる旅まるしぇ」です。ぜひ、遊びにきてください。