【COLUMN  コラム】

三越アンティーク&ビンテージ -時を巡るマーケット-

このページをシェアする

2025/01/16

 

会期:1月22日(水)~1月27日(月)

   各日午前10時~午後7時[最終日 午後6時終了]

会場:本館7階 催物会場

 

 

COLUMN コラム               

                                                        独自のセンスと審美眼で世界を飛び回るショップオーナーの皆さま。買い付け先での印象的なエピソードを、それぞれの目線で、現地の風景や日常の一コマを切り取ったお写真とともに伺いました。

 

Episode1 嬉しくて悲しい蚤の市のお話〈シャドリュンヌ〉オーナー福士カヨ

 

買い付けでは思いもかけぬことが起こり、話は尽きません

ストライキの苦労だったり、借りたアパルマンの鍵を持たず出かけて閉め出されてしまったり

などなど

先日の買い付けでは

朝早い蚤の市で欲しかったお皿を目の前で買われてしまう

と言う残念なことがありました

item-list__bg-img

蚤の市風景

ガラクタばかりの通り

だけど私の好きなものをたまに持ってる若いマダムのブースがあるのです

その朝も1番に訪ねると好みのものが目の前で既に抱え込まれたばかりのところ

あと1分早ければ、、、

抱え込んでる人の背中越しに商品が見え

「あ〜、あれは欲しかったな」と悔やむ事しきり

欲しそうにするとかえって買われてしまうので

いやまだ手放すかも、と思い

未練がましく少し周りをうろうろしたけどもうお金を払い始めていたのですごすご撤退しました

気持ちはすぐに切り替えないと後の買い付けに響きます

 

item-list__bg-img

アトリエ入り口の可愛い赤いドア

そのあと色々地方を回って

1週間後にパリに戻り、懇意のディーラーさんとのランデブーでお家を訪ねました

 

item-list__bg-img

ドアを抜けてまたコードを押して扉開けると中庭

中庭があるNapoléon3世時代のお宅に優雅に住む彼女 アトリエには天窓もあり

訪ねるのが楽しみなお家

 

item-list__bg-img

扉開けると中庭

ところが

会った途端に彼女はなんと

いの一番にあの買いそびれたお皿を見せてくれたのです

あの背中の人は彼女だったのです

彼女はアクセサリーのディーラーさんで普段はお皿を扱っていません

何故に?

 

彼女曰く

このお皿を見た時あなたを思い出したの

絶対好きだろう

絶対気に入ってくれる!

あゝ私のことなんて思いださないでくれて良かったのに

私はにっこり

merci

 

でも思い出さないでいてくれていたらもっとmerciだったのに  と

 

思い出してくれて嬉しいような

思い出してくれて悲しいようなお話でした

もちろんお皿は買わせていただきました

 

item-list__bg-img

ミュゲ(すずらん)のお皿

そのお皿がこちら

ガラスのスズランのお皿

8枚です

今回のフェアに初出しでお持ちします 会場でご覧ください

 

Profile

<シャドリュンヌ>オーナー 福士カヨ

青山にあったフランス専門のアンティークショップでオーナーと一緒に買い付けに行くという貴重な体験を10年積まさせていただいたのち独立

その縁あって今もフランス中心の買い付けをしてます

ショートカットで背も高めなせいかフランスに行くとよく「ムッシュ」と声掛けられます

 

                       Episode2 アンティークと花のある素敵な暮らし〈KATY'S HAYAMA ケイティーズハヤマ〉オーナー ケイティー恩田

生まれも育ちも横浜!

小学校は昔の寺子屋。中学、高校も山手の丘、宣教師が始めた歴史のある学び舎。大学も含めてほとんど同年配のアンティーク。就職した先も映画のセットに使われるような古い建物。

父と母も身の回りの物を大切に使い、壊れたら修理をする人でしたから、古い物の美しさ、素晴らしさ、機能的な魅力にどっぷり浸かって大人になりました。今も子供の頃から大切にしてきたものに囲まれて暮らしを楽しんでいます。

item-list__bg-img

ようこそ、ケイティー邸へ!

 

就職以来の営業職から子供の頃から好きで習っていた花の仕事にシフト。

実践をホテルの生花店で学び、日常の中で息づく「花のある暮らし」を提案する仕事を始めたのですが、私の持っている古い食器や家具に魅力を感じたお客様や生徒さんから「このお皿は譲ってもらえるのですか?」と聞かれるようになりました。

それならアンティークと花のある素敵な暮らしをご提案、仕事にと思いKATY'S HAYAMAがスタートしました。

item-list__bg-img

花はいつも身近に

 

今までどれほど英国に買い付けに行ったでしょう?

そのたびに新しい発見や嬉しい出来事に遭遇するのですが、あちらで出会うアンティークディーラーの人たちはもう顔なじみ。行くところ行くところで「ケイティー、元気だった?」とみんなとてもフレンドりーで良い人たち。

私が行かない時も「ケイティーはどうしてる?今度いつ来るの?」と夫に必ず尋ねてくれます。私と同年配の彼らですが、私同様に若くて元気いっぱいです。

item-list__bg-img

買い付けの合間のティータイム

 

私からみんなへのお土産はウエハースを重ねてチョコレートでコーティングした菓子のキットカット。キットカットは英国出身ですが、日本ほどのバリエーションがありません。

空港で抹茶やイチゴ味、わさび味などをたっぷり仕入れ、アンティークフェアーで再会を喜びながらチョコたちを配るのがいつもの楽しみです。私が訪れる田舎のアンティークフェアーで出会う人たちはみんな人柄の良い、キュートな人たちです。

item-list__bg-img

長い付き合いのディーラーに会うのも楽しみ

 

彼らからの品々にはその時の笑顔やジョークも一緒。帰国して荷物を整理しながら、楽しいやり取りの時間を思い出しニヤリ!

英国でのアンティークハンティングは毎日がわくわくどきどき。お客さまや生徒さんに頼まれた物に全然ご縁がなく、やたらと何か他の物が目に入る時があります。私に向かって「Take me home!」と呟いている子は迷わずゲット。この世界はご縁!えにしのある子はきっと日本に帰っても誰かを喜ばせてくれるものですから。

item-list__bg-img

ふと目に飛び込んでくる素敵なものたち

 

多忙な買い付けの毎日でもこれだけは!ナショナルトラスト管理のカントリーハウスを訪れ、在りし日の貴族の生活を垣間見るのは楽しみ。

海外、特に中国や日本の文化や芸術品に憧れ、手に入れていた貴族たち貯蔵の伊万里屋の九谷の焼き物を見るたびに感動を覚えます。日本と英国の歴史を読み返したり、当時の映画を観たりして納得!

我が家でも英国のアンティークと伊万里や九谷たちを一緒に使って、毎日の暮らしを楽しんでいます。

item-list__bg-img

在りし日の貴族の生活を感じるカントリーハウス

 

私の肩書はトータルライフコーディネーター。その名の通りライフスタイルにかかわるすべてをクラスやワークショップを通して教えたり、アンティークやビンテージ、私お勧めの品を販売しています。

英国各地からやって来た品々は日本の塗り物やお皿ともほどよくマッチ、地域や時代を超えて美しいハーモニーを奏でます。KATY'S HAYAMA はそんな古き良き物を紹介し、毎日の暮らしの中でお洒落に活かす豊かな生活を提案しています。

item-list__bg-img

地域や時代を超えたハーモニーを楽しむ

 

Profile

<KATY'S HAYAMA ケイティーズハヤマ>オーナー ケイティー恩田

大学卒業後、営業職の傍らマミフラワーのディプロマ取得。日比谷花壇を経て米海軍横須賀基地を2005年に退職。並行して続けていた英国生活骨董KATY’S HAYAMAを有限会社として本業化。トータルライフコーディネーター、骨董商、フラワーデザイナー、料理家として活躍中。

 

                       Episode3 ノルマンディーの友人宅はインスピレーションの宝庫<マムール>オーナー 名津井麻真

<マムール>はインテリアショップやアンティーク&ビンテージを扱うお店が点在する目黒通りにあるため、様々なスタイルのお客様にお越しいただいています。

好きな物は十人十色ですが、現行品にはないデザイン、素材感、個性的な雰囲気を求める、コレクションする楽しみをお持ちということです。

 

多くのお客様はそのアンティークに「価値があるか」ということも気にされます。もちろん私達もそこは重要なポイントではありますが、多くの物に触れて過ごしてきた経験値から今は、その価値は自分で決められるという境地に立っています。

フランスのアンティーク屋さんや蚤の市に行くと、「そんな物まで売ってるの?!」と驚くことがありますが、そこに価値を見つけ、また物としての価値を蘇らせることができるのがアンティーク&ビンテージのステキなところ。

私のフランスの友人達もそんなアンティーク&ビンテージを自分の価値感でコレクションし生活を楽しんでいるので少しご紹介します。

item-list__bg-img

マムール店内

 

私がかつて仕事をしていたフランスのインテリアブランドのスタッフのひとりイザベル。

何年もかけてノルマンディーのお家を彼女好みの「ロマンティックカンパーニュ」に仕上げていきました。

item-list__bg-img

イザベルのお家 外観

アンティークのボトルドライヤーには素焼きの鉢が。

ボトルドライヤーは元々ワインの瓶を乾かすのに使われていました。

彼女は実用重視に使っていますが

私にはどれもとてもステキなディスプレイに見えました。

item-list__bg-img

ボトルドライヤー

空間の使い方が上手なのは、フランスの方にとって大事なことは

広さ大きさよりも、小さなスペースでも

そこをどれだけ自分らしく魅力的に見せるかが重要事項だから。

キッチンの天井にはたくさんのコレクションアイテムであるバスケットがかけてあります。

アンティークやビンテージのバスケットはコンディションの見極めが大事。

古くて雰囲気が良くても全く使えないもの、よく見たらカビだらけなんていうものも少なくありません。

item-list__bg-img

棚と天井からのバスケット

以前訪れた時には2枚ぐらいだった暖炉上のフレームが今や壁いっぱいのステキなコレクションになっていました。

私達の会話はいつも今は何を探しているとか、

こんなものがあったとか、最近入手したものを見せ合ったりなど、

自然と情報交換にもなっています。

item-list__bg-img

暖炉


アンティークのショップ什器として使われていたキャビネットには

アンティークリネンなどを見せながら収納。

フランスではLinge de maison (ランジュドメゾン)と言い

お家のリネン類は財産に等しいと考えられ大事にされていました。

item-list__bg-img

キャビネット

嫁入り時にもたくさんのリネン類を揃えて

家族のイニシャルなどを刺繍していました。

item-list__bg-img

マムールのアンティークリネン

 

食器棚ではない食品ストック棚にドンと置かれた年代物のスーピエール。

スーピエールが登場したのは19世紀初め。フランスの食卓を彩ってきた大事なアイテム。

item-list__bg-img

スーピエールのある棚

スーピエールだけでなくポットなども蓋はとても欠けやすいもの。蓋を除いてフラワーアレンジメントに使ったり、フルーツなどを入れてコンポートのように使ってもステキです。

item-list__bg-img

こちらはマムールお客様からお写真お借りしました

 

こちらは親友のお母様宅のアンティークコレクション

フランスの方々は東洋と西洋のミックスも上手です。

item-list__bg-img

西洋と東洋のミックスコーディネート

見せ方も勉強になるので、いつもお邪魔するのが楽しみです。

item-list__bg-img

素晴らしいガラスコレクション

 

何度も<マムール>のインスタグラムでご紹介した私が師匠と慕っている、サフィアのパリのアパルトマン(今はお引っ越しされました)。

日本の雑誌などでも多く紹介されている彼女のお宅は、アンティークのコレクションが見事な折衷スタイルでコーディネートされています。

item-list__bg-img

サロンのマリコール焼きコレクション

銀製品が高価で入手困難な時代、変わりになるようガラスの内側に水銀を流し込み銀器に見えるように作られました。経年劣化により銀箔が取れてシャビーな雰囲気が人気となり、さらに銀器は割れることが無いため残っていますがガラス製であるマーキュリーグラスは多くが割れて無くなり今やその希少性も含め、高価なアンティークのひとつとなっています。

item-list__bg-img

アンティークのマーキュリーグラス

シェルカメオ、ストーンカメオ、ジェットなどメモリアルジュエリーからコスチュームジュエリーまで独自の価値観で選ばれたコレクション。カメオのデザインはラデュレのブランドアイコンにもなっていました。

これらはサフィアのコレクションのほんの一部。

item-list__bg-img

マムール店内のマーキュリーのコレクション

 

サフィアが南フランスのお家を引っ越す際に、パリのお家には合わないしマムールにぴったりの物が沢山あると連絡をもらい、なかなか私達が頑張っても入手できないような素晴らしいアンティークの数々を譲っていただきました。

中でも貴重だったのは圧巻のシルエットのコレクション。

シルエットは紀元前600年には存在していたそうですが、イギリスで人や動物など17世紀の生活を切り絵で表現する技法があり、19世紀になるとヨーロッパやアメリカでも流行し多く見られるようになったそうです。

item-list__bg-img

シルエット

ナポレオン3世スタイルのコーヒーセット

リモージュ焼きのセット

ファーマシーポット

などなど

今もマムールの大事なアンティークコレクションの一部です。

item-list__bg-img
item-list__bg-img
item-list__bg-img
item-list__bg-img

 

私のアンティーク好きは20代後半ぐらいからで当時はアパレルメーカーに勤務しており

アンティークのコサージュやリボン、レースやペチコートなども好きでした。

 

30代になるとオールドパインのアンティーク家具や籠、木の物やホーロー製品といったカントリースタイルのものを集め

40代になるとそこに陶器やガラス&クリスタル、香水瓶

50代になるとシルバー製品やリネン、コスチュームジュエリー

60代になった今はアールデコデザインの物をコレクションしています。

item-list__bg-img
item-list__bg-img
item-list__bg-img

マムールのコレクションたち

マイコレクションの中でも

これは何?!

とよく聞かれるのがこちらの

Verre de curisteというもの。

滋養のための水の産地名が書かれたガラスコップが専用バスケットに入っている

持ち運び用カップとでも言いましょうか、究極のエコな物です。

大きさや形状、産地も色々あり

最初は蚤の市などで可愛いなと思い見つけた時に入手していましたが、徐々に見かけなくなり、そのうち見つけたら必ず入手するようになり

いつの間にか20個近くになりました。

最近は全くと言っていいほど見かけなくなり

あっても高額になり躊躇してしまいますが

持っていない大きさやデザインがあったら逃さないようにしたいと思っています。

item-list__bg-img

お気に入りのVerre de curiste

子供の頃からコレクション癖のある私ですが

アンティーク&ビンテージの入手はタイミングが命。ステキな物との出合いは逃さぬよう、自分のセンスを信じるしかありません。

 

皆さまもステキなコレクションを!

 

Profile

<マムール>オーナー 名津井麻真

アパレル会社勤務時代、海外事業部にてフランスを担当。「メゾン・ドゥ・ファミーユ」の日本立ち上げにも携わる。
2013年に目黒通りにフランス雑貨とアンティークの店<マムール>をオープン。自らが買い付けたアイテムは、毎日の生活が愛しく、豊かな気持ちになるようなものばかり。

 

                                                        

今回初開催となる「三越アンティーク&ビンテージ -時を巡るマーケット-」のコラムは、いかがでしたか?

さまざまなアイテムの中から自分だけの宝物を見つける、心躍る瞬間。品物に愛情たっぷりの個性豊かな店主たちとの会話を楽しみながら、物の背景にある異なる国の文化や歴史、人の手を巡ってきたストーリーに出会う。そんなひと時をお届けできたらと思います。

 

※写真はすべてイメージです。

 

このページをシェアする

リビング・ステーショナリー

リビング・ステーショナリー

本館5階 | リビング,ステーショナリー

OTHER NEWS

その他のニュース

<松創>POP UP

<松創>POP UP

1月29日(水) ~ 2月18日(火)

<Lloyd's Antiques/ロイズ・アンティークス>古き良き伝統的なインテリア 

<Lloyd's Antiques/ロイズ・アンティークス>古き良き伝統的なインテリア 

1月22日(水) ~ 1月27日(月)

<ReFa>VITAL BEAUTY LIFE

<ReFa>VITAL BEAUTY LIFE

1月15日(水) ~ 1月28日(火)

三越アンティーク&ビンテージ -時を巡るマーケット-

三越アンティーク&ビンテージ -時を巡るマーケット-

1月22日(水) ~ 1月27日(月)

<LOVOT/らぼっと> POP UP ストア

<LOVOT/らぼっと> POP UP ストア

1月29日(水) ~ 2月4日(火)

<4w1h>×<アイデアセキカワ>×<カンダ>POP UP ~新潟燕のものづくり~

<4w1h>×<アイデアセキカワ>×<カンダ>POP UP ~新潟燕のものづくり~

1月15日(水) ~ 2月4日(火)

ココロ躍る文具の祭典 三越文具祭り2025

ココロ躍る文具の祭典 三越文具祭り2025

2月16日(日) ~ 2月24日(月·振替休日)

令和七年 三越特選 ひな人形 承りの会

令和七年 三越特選 ひな人形 承りの会

12月11日(水) ~ 3月3日(月)

うつわ祥見 KAMAKURA  TABERU 2025 めし碗展

うつわ祥見 KAMAKURA  TABERU 2025 めし碗展

2月5日(水) ~ 2月18日(火)

皇妃エリザベートが愛した名窯<ヘレンド>特集

皇妃エリザベートが愛した名窯<ヘレンド>特集

1月29日(水) ~ 2月11日(火·祝)

<シルバニアファミリー×フェイラー>コラボレーション商品購入方法について

<シルバニアファミリー×フェイラー>コラボレーション商品購入方法について

1月30日(木) 限り

【エムアイカード プラス先行予約受付】<悟空のきもち>×<アスレティア>女性限定特別ヘッドスパのご案内

【エムアイカード プラス先行予約受付】<悟空のきもち>×<アスレティア>女性限定特別ヘッドスパのご案内

1月5日(日) ~ 2月28日(金)