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ISETAN MEN'S + 葛利毛織

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愛知県一宮市を中心とした尾州は、木曽川の豊かな水と温暖な濃尾平野の恵みによって、古くから織物の生産地として栄えました。その中で長年、伝統のモノづくりを大切に受け継ぎ、スーツ生地を生産しているのが葛利毛織工業です。工場内は旧式の8台のションヘル織機が並び、心地よいシャトルのリズムで包まれています。ISETAN MEN’Sの篠崎バイヤーと葛谷幸男社長、葛谷聰専務親子にお話を伺い、「伝統」と「革新」の世界を紐解きます。


起毛感がありながら、軽く柔らかい生地を

篠崎克志
ISETAN MEN’S バイヤー

紳士服の世界で季節感を表現するのに、素材はとても重要です。秋冬のスーツ素材というと、ミルド(起毛)加工のものが多いですが、通常1mで400グラムくらいのウェイトがあります。400グラムというのはジャケットを着たときにちょっと重いなと感じてしまう重量。しかも真冬しか着られない。起毛感がありながらも軽みがあって柔らかく、長い期間着ることができるものは市場に少ない。それを開発するのが今回の課題でした。


“時代遅れ”が“革新”を生む、ションヘル織機


葛谷幸男
葛利毛織工業株式会社
代表取締役

弊社は80年前に導入したションヘル織機をそのままメンテナンスしながら使っています。ションヘル織機は、自動化し高速化する以前に使われていた低速織機で、織り上がりのスピードが遅く、生産効率も悪いのですが、ゆっくり丁寧に織り上げることによって独特の風合いが生まれます。


葛谷聰
葛利毛織工業株式会社
専務取締役

ションヘルは緯糸のシャトル(糸を左右に運ぶための杼(ひ))を通すために、経糸が大きく上下に屈曲します。この屈曲分の空気を生地が含むことによって、弾力性やふくらみ、腰が生まれます。糸が伸び切っていない分、着るほどに体に馴染んでくれるのです。


篠崎:
さまざまな機屋を見てきましたが、ションヘル織機をメインとして使っているのは、世界で葛利さんぐらいではないでしょうか。今回の起毛素材を共に開発できるのは、葛利毛織さんしか考えられませんでした。


触れた瞬間の感動 − ジェントリークロス

葛谷社長:
生地は軽さだけでなく、触ったときの感覚が大切です。触れた瞬間に感動がないと、お客様に羽織っていただけない。弊社のジェントリークロスを触ってみてください。きっと驚かれるはずです。

葛谷専務:
ジェントリークロスは、ウールをなめらかにし肌触りや使用感を追求した葛利毛織オリジナルの素材です。ウールの糸というのは、顕微鏡で見ると髪の毛のような鱗がある。その鱗を小さくすることによって、しなやかな風合いが生まれるのです。これは加工工程だけでなく、生地の設計、ションヘルでの織り、仕上げまで、それぞれの過程を丁寧にやることによって生まれたものです。まさに創業100年の伝統と最新の技術を融合した生地なのです。

篠崎:
ジェントリークロスは、僕自身も触ってみて大好きな感覚でした。軽さや柔らかい風合いもそうなんですが、とにかくシワになりにくい。シワになったとしても、一晩バスルームに吊るしておけば、翌朝きれいに取れている。忙しくても身だしなみを気にしたいビジネスマンにも、最先端のファッショニスタにも納得していただける、革新的なスーツ素材です。

今までなかった織り柄をつくる

篠崎:
手探りでしたが、自分が求めている織り柄を一緒につくるプロセスは、ワクワクする作業でした。まず、海外の展示会でトレンドを把握した後、ISETAN MEN’Sとしてどういう商品を作っていくか、葛利さんとの打ち合わせに入りました。今季の柄はストライプとグレンチェックの2柄。ストライプは葛利さんのアーカイブから選び、それをアレンジしました。グレンチェックは、僕の想像の中にあった色や柄のイメージを葛利さんに伝え、マス見本(様々な色糸を組み合わせて作った試し織り見本)を作成してもらうところからスタートしました。そして出来上がったたくさんの色柄の中から選びました。

これからの100年

葛谷専務:
あるとき、海外のバイヤーにサンプルを見せる機会があったのですが、ションヘルをいまだに使っていることに大変驚かれました。ずっと時代遅れだと思っていたものが、実は本当に価値あるものだったんだ、と初めて気づかされたのです。同業者が次々と廃業していく中で、これはもう続けていくしかないという気持ちに変わった。2012年に創業100年を迎えたのですが、あと100年続けようと決意しました。100年続けると決めたら、不思議なことにジェントリークロスというヒット商品も生まれ、若いスタッフもが集まるようになってきました。

葛谷社長:
日本料理が世界遺産になったのを聞いて、私たちも本質がきっちりしたものを世に出さなくてはいけないなと、深く感じました。英国から学んだことを、たとえ英国が捨てても、われわれが継承していかなければならないと感じています。

篠崎:
変わらない価値というものが紳士服では大切だと思います。ションヘル織機に80年以上こだわり続けている、それを継続するためには、本質的なものを常に見失うことなく、かつ新しい要素を取り入れなければならない。その柔軟性が葛利さんの素晴らしいところだと思います。

葛利毛織の生地で仕上げたスーツ

篠崎:
1m347グラムの軽い起毛素材が完成しました。着てみてもう驚きの軽さです。葛利さんで織られた生地は宮崎県の宮崎クロージングという縫製工場に送られ、スーツに仕上げられます。こだわりの生地によってつくられた今シーズン一番人気のスーツ、是非お試しいただきたいと思います。


発色の良い生地と上品に映えるストライプが目を引くスーツ 発色の良い生地と上品に映えるストライプが目を引くスーツ
落ち着いたベースカラーに配されたグレンチェック柄が鮮やかな1着 落ち着いたベースカラーに配されたグレンチェック柄が鮮やかな1着

〜ナポリクラシコモデルとは〜
極力パットを省いたマニカカミーチャ仕様の肩回りが特徴のモデル。体を丸く包み込むようなフォルムが快適な着心地とエレガントさを実現。

※サイズ切れの可能性もございます。何卒ご容赦くださいませ。