
伊勢丹新宿店の和酒バイヤーチームが、いま盛り上がりを見せているお酒の新ジャンル、クラフトサケをご紹介します。
伊勢丹新宿店の和酒バイヤーチームが、いま盛り上がりを見せているお酒の新ジャンル、クラフトサケをご紹介します。
日本に、より豊かなサケ文化を築くことを目指して設立されたクラフトサケブリュワリー協会が定義するクラフトサケとは、「日本酒(清酒)の製造技術をベースとして、お米を原料としながら従来の“日本酒”では法的に採用できないプロセスを取り入れた、新しいジャンルのお酒」のこと。たとえば、発酵させたもろみを漉さないため日本酒の定義から外れる「どぶろく」も、クラフトサケのひとつになります。
クラフトサケの魅力は、フルーツやハーブなどの副原料を使っていたり、米麹だけでなくホップで醸造していたりと、日本酒のルールに縛られない自由さと多様さにあります。
(クラフトサケブリュワリー協会代表・岡住修兵氏)。
岡住氏が語るように、これまで日本酒に持っていた概念が変わるほど、その味わいは千差万別。甘口白ワインのようにまろやかで優しい口当たりのもの、リキュールのように割って楽しめるものなど、日本酒を飲みなれていない人にもぜひ一度試してほしいものがずらり。
「好みのものが1本見つかったら、同じブリュワリーの別のお酒も飲んでみようとか、ホップを使ったものがおいしいと感じたら、別のブリュワリーでホップを使用したものを飲んでみようとか、そうやって自分好みのものを色々と探すのも楽しいと思います。作り手それぞれの感性で、同じクラフトサケでも、味の表現の幅が全然違いますので。
また、どのブリュワリーもいろんな思い、信念を持って作っているので、そこに興味を持って飲んでもらえるとうれしいですね」(岡住氏)。
現在、クラフトサケ協会に所属しているのは9社ですが、全国では20社ほどのクラフトサケブリュワリーがあるそう。「今、確実にクラフトサケのムーブメントが起きてきているので、あと2〜3年で各都道府県に1社はクラフトサケブリュワリーが存在するくらいには増えると思っています。クラフトサケは、その土地のフルーツやハーブを使うことで、よりご当地感が出せるので、飲み比べするのもいいですね」(岡住氏)。
そんな個性あふれるクラフトサケ5種を、醸造所の特徴やクラフトサケ造りへの思いとともにご紹介します。
<稲とアガベ>交酒 花風 2,310円
(720ml/アルコール14%)
□伊勢丹新宿店 本館地下1階 和酒
米と麹とともにホップを発酵させた、<稲とアガベ>の定番酒「花風」。その名は、ホップの和名、西洋唐花草を使用したどぶろく「花酛(もと)」と、クラフトシリーズのコンセプトである男鹿地方に吹く強い「風」に由来し、「花風」を通じてこの業界に新しい風を吹かすという意味合いが込められています。味わいは、澄んだ瑞々しい香りに、ホップを原料とすることでライチやマスカットのような風味を実現。しっかりとした酸があふれ出て、スッキリした後味と爽やかな余韻が楽しめます。
醸造所:稲とアガベ
2021年に秋田県男鹿市にオープン。“男鹿が「酒の聖地」となる未来を創る”その強い思いでクラフトサケ造りを行うとともに、レストラン『土と風』を運営。「男鹿の風土を醸す」という経営理念のもと、男鹿の風土をそのまま瓶に詰め込んだような酒造りと、多くの人々がワクワクするような事業で未来の男鹿が豊かになることを目指しています。
<平六醸造>Re:vive 無涯-むがい- 3,300円
(720ml/アルコール14%)
□伊勢丹新宿店 本館地下1階 和酒
磨き上げた岩手県産白米を、南部杜氏が発明した技術のひとつ「突きハゼ麹」に仕上げ、副原料の発芽玄米酵母によって、ゆっくりじっくりと長期発酵したクラフトサケ。非常識ともいえるレベルの超低温、超濃糖で醸造することで、その味わいは驚くほど繊細で、一度口に含むと、ほどけた後弾けるように甘酸味が溶け出します。
醸造所:平六醸造
およそ100前に建てられた国指定重要文化財「日詰平井邸」の最奥に遺された造り蔵を、2024年1月よりクラフトサケ醸造所として復活。紫波町特産もち米の発芽玄米を全ての作品に採用し、伝統製法を踏襲しながらも、清酒とは異なる独自の製法で作るクラフトサケは、日本酒に極めて近い香味を持ちながら、澄み清らかで穏やかな飲み口が特徴。また、醸造所工事が開始となる直前の2023年春、奇跡的に発見された蔵付き酵母「アカツキ」を使用した酒造りを信条としている。
<ぷくぷく醸造>ぷくぷくホップ SuSuSu -Hopped Nigori SAKE- 2,420円
(720ml/アルコール7%)
□伊勢丹新宿店 本館地下1階 和酒
南相馬市小高の有機栽培米「雄町」(精米歩合90%)を使用。乳酸菌や酵母無添加での自然発酵で仕込む、江戸以前からのどぶろく醸造法を駆使しつつ、ビールの技法であるドライホップも織り交ぜ、柑橘やマスカットのような香りを作り出したクラフトサケ。日本酒由来の甘酸っぱさと、ホップのトロピカル感が融合した爽やかな口当たりに加え、アルコール度数7%で、普段は日本酒を飲まない方でもゴクゴクいける飲みやすさです。
醸造所:ぷくぷく醸造
福島県南相馬市小高に蔵を構える<ぷくぷく醸造>は、「異文化との境界線を溶かした日本酒」をコンセプトに、福島県浜通り地方で生産された米を全量使用し、乳酸菌や酵母を使わない全量自然発酵で酒造りを行う醸造所。お米の個性を活かすため削りすぎない低精白の純米の酒と、クラフトビールの技術を日本酒に掛け合わせたホップサケなどをメインで醸造し、「お酒を通して、福島の沿岸に田畑を増やす」ことを目標に掲げています。
<haccoba -Craft Sake Brewery-/ハッコウバ>
hanamoto bretta [framboise] 2,640円
(500ml/アルコール12%)
□伊勢丹新宿店 本館地下1階 和酒
日本在来のホップ「唐花草」を使用する、今ではほぼ見聞きすることの無いどぶろく製法で作ったお酒「花もと」に、ベルギービールの手法をかけ合わせて醸造。オーク樽の中で、野生酵母による二次発酵をすることで、ランビック(ベルギービールの一種)のような酸味とワイルドな香りに仕上げています。福島県矢祭産のラズベリーを使っており、フローラルな香りと甘酸っぱい味わいがふわりと広がります。7〜9度程度にキンキンに冷やしても、常温に近い温度で楽しんでも、両刀使いでおすすめ。
醸造所:haccoba -Craft Sake Brewery-
2021年2月、原発事故の避難で一時人口がゼロになった福島県の小高というまちに醸造所を設立。2023年7月から隣町の浪江でも醸造所を営んでいます。「酒づくりをもっと自由に」という思いのもと、かつての"どぶろく" 文化やレシピを現代的に表現。ジャンルの垣根を超えた自由な酒づくりを行っています。自分たちの事業を通して、自律的な地域文化と自由な酒づくりの文化を取り戻すことを、本気で目指しています。
<LIBROM Craft Sake Brewery/リブロム>Verbena 2,600円
(500ml/アルコール7%)
□伊勢丹新宿店 本館地下1階 和酒
<LIBROM-Craft Sake Brewery->の一番の人気商品であり、定番酒。レモンバーベナというハーブを使用した、レモンのような酸味が特徴。口に含んだ瞬間、シュワシュワと繊細で柔らかな泡が弾け、甘さもしっかりと感じられる、女性に大人気の1本。レモンバーベナは福岡県小郡市にある、できるだけ農薬や化学肥料を使用せず、野菜やハーブを栽培する <ラッシュファーム>のものを使用しています。
醸造所:LIBROM Craft Sake Brewery
「自由な醸造スタイルで酒造りにロマンを」をコンセプトに、九州一の繁華街、福岡県天神からすぐの高砂で酒造りを行う<LIBROM Craft Sake Brewery>。酒蔵での修行で得た経験と街中醸造所ならではの新しい手法で、ワクワクするような新しいお酒を生み出している。
また“酒造りの様子や蔵人たちとの会話を通して、日本酒がもっと身近に感じられる存在になれたら”という思いから、醸造したお酒をおつまみと楽しめるパブも併設しています。
文:徳永幸子
制作:ハースト婦人画報社 HEARST made
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