サロン・デュ・ショコラの創設者&現CEOに特別インタビュー!

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パリのサロン・デュ・ショコラ創設者、シルヴィー・ドゥースさん、フランソワ・ジャンテさんと、サロン・デュ・ショコラ代表取締ジェラルド・パラシオさんにインタビュー!
サロン・デュ・ショコラの誕生から今日までの軌跡などなかなか聞くことのできないお話を語っていただきました。

サロン・デュ・ショコラの創設者&現CEOに特別インタビュー!
サロン・デュ・ショコラ創設者
左:シルヴィー・ドゥース氏
右:フランソワ・ジャンテ氏

ーパリのサロン・デュ・ショコラの誕生について教えてください。

シルヴィー・ドゥースさん・フランソワ・ジャンテさん(以下SD&FJ):
まず、私達自身がパリに住んでいたことと、イベントを開催できる場所があったことで、サロン・デュ・ショコラはパリで開催することになりました。
「サロン・デュ・ショコラ」という名前も、自然な流れで付けました。サロン・デュ・ショコラのアイディアは、1987年私達二人がとあるディナーで出会い、「ショコラ」と言う共通のパッションを共有したことから生まれました。
なぜ、「サロン・デュ・ショコラ」なのか?それは、誰もが多種多様なショコラを食べているのに、ショコラの楽しみ方や知識に繋がるイベントが存在していなかったからです。

ー1995年の記念すべき第1回目のパリのサロン・デュ・ショコラの様子や思い出を教えてください。

SD&FJ:開催前は私達の企画を伝える度に、「そんなことは絶対上手くいかない」と何度も言われて苦労しました。
紆余曲折を経て、1995年10月28日に第一回目のパリのサロン・デュ・ショコラが開催され、僅か40社ほどの果敢な出展者が集まりました。
驚いたことに、オープン時にはエッフェル塔まで続く数百メートルの来場者の列ができ、お待ちいただく間に列に並ぶ人々にショコラショーを配ったことを覚えています。

当時の文部大臣が思いがけず来場し私達の取組みに賛同してくれて、多くのメディアがイベントのことを取り上げてくれました。

この第1回目の来場者数は約4万人で、私達のチャレンジはまだ始まったばかりでした。
若者の職業離れが進む中で、伝承が必要とされているショコラ職人の技術に脚光を当てました。私達は、そんなショコラ職人達の素晴らしい精神に感銘を受け夢中になりました。

初回パリのサロン・デュ・ショコラの最も大切な思い出は、出展者と来場者の皆さまが分かち合った大きな幸福感です。サロン会期中、会場はずっとこの幸福感で溢れていました。
サロン終了後には、参加者全員でこの素晴らしい成功を祝うために盛大なパーティーをしました。

  • 第一回目(1995年)のパリのサロン・デュ・ショコラの来場者の列

第一回目(1995年)のパリのサロン・デュ・ショコラの来場者の列

  • 第一回目1995年のパリのサロン・デュ・ショコラの会場内の様子

    第一回の会場内の様子
  • シルヴィー・ドゥースさん(左)とフランソワ・ジャンテさん(右)

    シルヴィー・ドゥースさん(左)とフランソワ・ジャンテさん(右)
  • 第一回出展者と来場者の様子

    第一回出展者と来場者の様子

写真提供:Event International/Chocoloco International

ーお二人は毎年、日本のサロン・デュ・ショコラのために来日されましたが、初めて日本に来た時驚いたことは何でしたでしょうか。

SD&FJ:初めて日本を訪れた際に驚いたことは、日本のお客さまが職人の技に関心を持たれ、それに敬意を払っていることです。そして、日本のガストロノミーの技術とフランスのガストロノミーの技術は補完しあうものであることを実感しました。
20年間、三越伊勢丹のサロン・デュ・ショコラのために毎年日本を訪れていました。
日本のサロン・デュ・ショコラの会場では、毎回幸せで一体感のある豊かな時間を過ごせたことを懐かしく思います。

ーショコラの未来に向けての想いを聞かせてください。

SD&FJ:ショコラ職人の技術のクオリティの高さとカカオ栽培の進歩で、ショコラが発展していく輝かしい未来を想像しています。

ー日本のショコラファンへのメッセージをお願いします。

SD&FJ:ショコラを愛する日本の皆さん、 いつもありがとうございます。
皆さんの大胆さと、先見性のおかげで、私たちは日本にショコラを広めることができました。
そして、日本でのサロン・デュ・ショコラをこうして毎年開催することができ、心からうれしく思っております。さまざまな国のショコラティエたちの絆を深め、日仏両国がショコラ界を牽引していく祭典として、サロン・デュ・ショコラは更に成長し、これからも大きな役割を担っていくと思います。

感謝を込めて

サロン・デュ・ショコラ創設者
シルヴィー・ドゥース、フランソワ・ジャンテ

サロン・デュ・ショコラ代表取締役 ジェラルド・パラシオ氏

ー昨年10月末~11月上旬、2年ぶりにパリのサロン・デュ・ショコラが開催されましたが終わってみての感想をお聞かせください。

コロナの影響を受けながらも、パリのサロン・デュ・ショコラが開催出来たことを嬉しく思います。前例がなく、先行きが見えない中、非常に苦労しました。今回は過渡期であり、いつもとは違う回になると思っていました。
しかし、質の高いイベントを開催することで、サロン・デュ・ショコラのブランド力を知っていただくことはとても重要です。私たちは記録的なスピードで準備し、来場者の皆さまにはイベントの楽しさを再認識いただくことができました。

2021年パリ サロン・デュ・ショコラ会場の様子
©Julien Millet

私たちの苦労は多くの来場者にお越しいただいたことで報われ、また、ショコラティエやパティシエのシェフたちとの再会や熱気はとても励みになりました。盛況により、記録的な売上を達成した出展者もいます。
このように、今回のパリのサロン・デュ・ショコラは次回2022年への期待に満ちた素晴らしい回になりました。

  • 2021年パリ サロン・デュ・ショコラ会場の様子

    ©Thomas Raffoux
  • 2021年パリ サロン・デュ・ショコラ会場の様子

    ©Thomas Raffoux

ー来年のパリのサロン・デュ・ショコラへの想いを聞かせてください。

来年は状況の許す限り、26年の伝統あるサロン・デュ・ショコラにまつわる、思い出に残るようなイベントを企画したいと思っています。そのためには、外国からの出展者の方々が戻ってこられること、そして世界的なコンクールが開催できることを希望しています。ショコラ業界の活性のために働く皆さまに期待しています。

ー数回、来日されましたが、日本のサロン・デュ・ショコラの感想をお聞かせください。

日本を訪れる度に、日本のお客さまのサロン・デュ・ショコラへの情熱とこの魔法のようなショコラに対するリスペクトに感銘を覚えます。日本では、職人の創造性やクラフトマンシップへの真の評価を感じます。幅広い年代のお客さまのエネルギーと、ショコラに対する興味・関心も印象的で、ショコラの未来が明るいことを示しています。

ーショコラの未来に向けての想いを聞かせてください。

ショコラには、業界と消費者双方を巻き込んだ価値と義務があります。
つまり、ショコラは世代や文化、国を超えたユニバーサルな役割を担っています。ショコラはサステナビリティかつフェアトレードなものでなければなりません。そのためには、メーカーや職人のノウハウというよりも持続可能な取組を語ることが大切です。この先もずっと楽しむことができるように、未来のショコラは環境に配慮したものになるでしょう。
この数年、世界中のショコラ職人の創意工夫やテイスティングの専門性が高まっており、ショコラの国際的な発展を非常に心強く感じています。
幸せをもたらしてくれる、ショコラ。
そんなささやかな贅沢は、私たちの生活の中でますます大切なものとなっています。この先もきっと、おいしいショコラのファンは増えていくことでしょう。

ー日本のショコラファンへのメッセージをお願いします。

日本のショコラファンの皆さま、こんにちは。
今年、日本でのサロン・デュ・ショコラが20回目を迎えることとなりました。私たちの20年間の友情は、共通する価値観や品質の追求に基づくものです。世界が直面した不安定な状況が、ショコラ業界を揺るがしましたが、生産者たちの努力、職人たちの創造性、そして何より美味しいショコラを愛する皆さまの信頼があれば、ショコラの未来は明るいと信じております。
嬉しいことに2021年のパリのサロン・デュ・ショコラも再開されました。私たちは楽観的な未来を見据えることができ喜んでいます。人々に幸せや笑顔をもたらすショコラは、これからもずっと愛され続けるでしょう。
20回目、誠におめでとうございます。そして20年後も楽しみにしています。

サロン・デュ・ショコラ CEO
ジェラルド・パラシオ

ジェラルド・パラシオサイン

取材協力:三越伊勢丹パリ駐在事務所

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