【完全保存版!ブランド徹底ガイド】vol.5|リーガル
1961年にアメリカから日本に上陸して以来、伊勢丹新宿店の中でも50年以上ともに歴史を刻み、日本のスタンダードシューズとして支持されてきたシューズブランド<リーガル>。今回は、2021年に日本上陸60周年を迎え、アメリカントラディショナルからグローバルスタンダードへと時代の移り変わりとともに変化し続けてきた<リーガル>の、その人気の理由を解説していきます。
目次
Ⅰ.ヒストリー編
<リーガル>は1880年、「L.C.ブリス&カンパニー」社がアメリカ、マサチューセッツ州で創立したのが始まり。その後、シューズショップをボストンに開きました。


日本へは1961年、「日本製靴株式会社(現リーガルコーポレーション)」が「リーガル・シュー」に関わる技術導入契約を締結する形でブランドが上陸しました。
<リーガル>が国内に広く知られるようになったのはその2年後の1963年、当時日本の”アイビーブーム”を牽引してきたファッションブランド<VAN>とのコラボレーションシューズ「VAN-REGAL」の発売でした。
当時流行の発信地として日本のファッションをリードしてきた銀座4丁目の「テイジン・メンズショップ」で展開をスタートさせると、若者たちの間で瞬く間に話題となり、「入荷しても店頭に並ぶ暇がない」といわれるほど、熱狂的な人気を獲得し爆発的な売り上げを記録しました。


その後、「VAN-REGAL」の展開は全国のメンズショップまで広がり、プレーントウ・ローファーなどのトラディショナルなシューズをはじめ、ダーティーバックスやブーツなどのタウン・カジュアルなシューズまでアイテム展開を広げ、ブランドとしての地位を確立。その中から、1969年に「2504」、1971年には「2177」という今に続く長い歴史を持つ名作シリーズも誕生しました。さらに、1975年にはスニーカーの流行に先駆け販売した「リーガルスニーカー」も大ヒットを納め、ブランドとしてのモノづくりの精神を守りながらも、時代のニーズを反映した数々の人気シューズを生み出してきました。
また、「VAN-REGAL」のようにシューズブランドがメンズショップから展開をスタートしていく今までと違った販売スタイルは、シューズ界に新しい時代の流れを作ったと言っても過言ではありません。


1960年代半ばには、伊勢丹新宿店と『別注企画品』としてお客さまの要望を商品化し、発売された初代「オンリー・アイ(現オンリー・エムアイ)」シューズが全6モデルで登場。この取り組みは半世紀以上に渡り、今も進化をしながら続けています。


1990年、日本製靴株式会社が「REGAL」の商標権を取得し社名を「リーガルコーポレーション」に変更。2002年には 『The pride to share.』をコンセプトに、アメリカントラッドからグローバルスタンダードになるべく新しい世界観を表現するブランドとして生まれ変わり、今も昔も変わらず支持され続けています。
Ⅱ.ものづくり編
<リーガル>は、その辿ってきた歴史もさることながら、『長く履ける高品質なレザーシューズをつくる』という信念のもと、グッドイヤーウエルト式製法を始め、熟練した職人技術を駆使しながら靴づくりを続けています。それはブランドが日本に上陸してから半世紀以上たった今も揺らぐことはありません。


長くお客さまと歩んでいけるよう優れた耐久性もブランドの魅力の1つであり、また、日本人にあった木型づくりから、着用シーンや時代に合わせた機能性や素材選び、デザインを採用しながら進化を可能にしているのは、<リーガル>の日々の研究開発と熟練の製靴技術があってこそなのです。
さらに、ビジネスシューズの多くは日本国内の自社工場で生産しており、靴作りの技術に加え品質へのこだわりも妥協がありません。専門の職人が丹念に選んだ素材は、きわめて厳格な社内基準のもとで計測・検査が行われ管理されています。
さらに<リーガル>が得意とするグッドイヤーウエルト式製法を中心とした技術の利点を最大限に活かすべく、1974年以来、リペア(修理)にも積極的に取り組んでいます。
時には新品の靴を作る以上に難しい技術を要すこともあるリペア技術は、熟練職人の手仕事によって入念に行われ、純正パーツを備える工場(協力工場)にて幅広い種類の修理を可能にし、購入からアフターケアまでのお客さまとの繋がりも大事にする、まさに日本の靴メーカーらしいモノづくりを実現しています。
Ⅲ.モデル編
お客さまの声を実現させた「オンリー・エムアイ」11モデル一挙公開!
「ヒストリー編」でも述べましたが、<リーガル>と三越伊勢丹の歴史は古く、お客さまの要望に応える靴を提供したいという両社の思いは今も変わりません。伊勢丹新宿店メンズ館では、現在約50種類以上もの<リーガル>の靴が常時ラインナップされており、そのうちの約6割がお客さまの声をもとに制作された三越伊勢丹限定で販売している「オンリー・エムアイ」モデルです。この<リーガル>と三越伊勢丹が共に開発した自信作は、<リーガル>の定番である名作シリーズにも引けを取らないものばかり。また、そのバリエーションの多さに圧倒される人もいるとか。
そこで、今回は「オンリー・エムアイ」のなかでも特におすすめのモデルにクローズアップし、4つのラスト(木型)ごとにご紹介します。
ラスト1|「150S」・「151S」・「152S」・「183S」
1.「150S」
「150S」ラストの特徴

シャープな爪先形状で<リーガル>の定番アイテムとして人気の高い「911Rシリーズ」のラストをベースに、ハーフカップインソールを搭載する為にアレンジしたラスト。別注仕様の赤いメッシュ素材とカーボン柄のフットベットが特徴です。
■「150S」と同じラストを使用したおすすめモデル
2.「151S」
ラスト2|「190S」・「191S」・「192S」
5.190S

「190S」ラストの特徴

【ラストの特徴】
グッドイヤーウエルト式製法で2010年以降に発売された人気定番モデル「01DR」のラストをベースに、爪先形状をセミスクエアにアレンジ。小さめに設定した踵に対して、ボール幅の比率を大きくすることで若年層の足にもフィットしやすいラストです。
■190Sと同じラストを使用したおすすめモデル
ラスト3|「204S」・「195S」
8.「204S」
「204S」のラストの特徴

【ラストの特徴】
リーガルの中でも爪先角を大きく設定したオブリークラストです。かかとの形状は「190S」と同じ仕様ですが、内振りの足形状などボリュームを絞り若い世代の足型に合わせてリファイン開発をしたラストです。
■「204S」と同じラストを使用したおすすめモデル
9.「195S」
ラスト4|「108S」・「109S」
10.「108S」
雨の日でも足元にはこだわりたいという、インポートブランドやクラシックなハイエンド志向のお客さまの声を反映したゴアテックスの防水モデル。
企画開発段階で実現が難しいと一度は工場側から断られたものの、その後バイヤーのお客さまの声を実現させたいという熱い気持ちが制作側を突き動かし、製品化されたという、両社の信念を象徴するエピソードも。グッドイヤーウエルト式製法で作るゴアテックスは、発売当初<リーガル>にしか出来ない高度な設計と製靴技術でした。
「108S」のラストの特徴

【ラストの特徴】
チゼルトウで代表的なラストをゴアテックス仕様としてオンリー・エムアイ専用にアレンジ。この4シリーズの中では爪先角が最も小さくストレートな足形状に適したラストです。
■「108S」と同じラストを使用したおすすめモデル
11.「109S」
Ⅳ.Q&A編
伊勢丹新宿店メンズ館<リーガル>スタッフが、店頭で寄せられるお客さまからの主なお問い合わせに回答しました!
Q1.<リーガル>シューズの革が硬いのはなぜですか?
A.一部使用している甲革(靴の甲部分の表革)の仕様により着用時の足当たりが硬く感じるものがございます。
<リーガル>の永年の定番モデル「2504」をはじめ、ガラス仕上げ革を使用しているモデルは美しい光沢と丈夫さが魅力で簡単なお手入れで艶が保てるなど大きなメリットがございます。その反面、履き始めが硬く感じられることがありますが、履きなれてくると足に馴染んできます。
メンズ館では、デザインやお客さまのご使用用途に合わせてお選びいただける、革の味や仕上げにもこだわった靴を多数ラインナップしております。もちろん、柔らかい足当たりの革や仕立てを採用した靴もございます。何より<リーガル>は、革の特性を活かした靴作りを大事にしています。
Q2.<リーガル>のシューズはなぜ重いのですか?
A.製法やソールの種類によって靴の重さを感じるものもありますが、それぞれの特性に合わせて最適な製法を採用して靴作りを行っています。
<リーガル>で多くのモデルに採用しているグッドイヤーウエルト式製法はパーツ数が多いこともあり、他の製法に比べて重く感じてしまうことがあるかもしれません。しかし、丈夫で堅牢な作りであることはもちろん、靴の中に中物(コルク)をしっかりと詰め込むことで、履きこむと足裏の形をなぞるように中物が変形し、フィット感が高まるなどメリットが数多くあるのもこの製法の特徴です。
さらに、<リーガル>のアイテムの中にはマッケイ式製法を採用したモデルも豊富に取り揃えており、軽量性とスタイリッシュさを持ち合わせたアイテムが増えておりますし、カジュアルアイテムでもウォーキングに特化した「リーガルウォーカーシリーズ」などは仕立てや素材選びも拘り、軽快に柔らかな靴も多く展開しております。
Q3.お手入れはどうしたらよいですか?
A.<リーガル>の靴に限らず「革靴」はお手入れをして頂くことをおすすめいたします。
基本的なお手入れとしては、ブラッシングで靴に付いた埃を落とし、クリーナーで靴表面の汚れを落とし、クリームを使用して革への補色・保革効果を与えます。頻度としては着用回数にもよりますが、定期的なお手入れを推奨いたします。また、保管の際にはシューズキーパーを入れていただくと型崩れを防止する効果が得られます。甲革によってはクリーナーの使用により色落ちが起きる場合もあり、黒以外の色の革靴の場合は注意が必要です。同様に適するクリームの色もさまざまです。お持ちの靴のお手入れでご不明な点がございましたら、店頭スタッフまでお気軽にお問い合わせをください。靴に合わせたお手入れ方法をご提案させていただきます。
Q4.<リーガル>の靴の修理はできるのですか?
A.リーガルの靴は多くのモデルで純正パーツでの修理が可能です。
修理メニューも底やヒール(カカト部)の交換、裏側(ライニング)の革当てや敷革の交換など、モデルごとに修理メニューを設定し、修理の種類も複数ご用意しております。修理をして頂くことでお客さまの靴を長く愛着を持ってご愛用頂くことができます。
*修理箇所によっては代替パーツでの対応となることがございます。
リペア金額例
■オールソール: 約12,000円から
■ヒール: 約3,500円から
■修理期間: 通常1カ月~2カ月
*アイテムによって修理可能メニュー・値段・修理期間が異なります。
*靴の状態によっては修理をお受けできないこともございます。
*詳細は、店頭ショップスタッフまでお問い合わせをください。
Q5.メンズ館でのサイズ展開は?
A全てのオンリー・エムアイ商品は23.5㎝~27㎝の展開となっております。
スポーツスニーカーのサイズとは違って、<リーガル>の靴のサイズは大きいですか?というご質問も多くいただきますが、リーガルの靴はJIS規格(日本工業規格)に基づいたサイズ表記となっており、スニーカーのサイズよりも小さい表記サイズをお選びいただく場合がございます。
また、これまでの長い間数多くのお客さまにご愛用いただいた歴史から、様々な日本人の足型に合せた多くの木型があるのも<リーガル>の魅力です。木型ごとに足入れ感の差がございますので、サイズ・フィッティングのご相談は店頭ショップスタッフがいつでも対応させて頂きますので、お気軽にご相談ください。
紳士靴Instagram:@isetanmens_shoes