ストリート生まれクラシック育ちな“装い改革”の指南役。メンズアテンダント 口元勇輝|イセタンメンズ スタッフプロフ


伊勢丹新宿店メンズ館に所属する、個性豊かなスタイリストにクローズアップしてご紹介する連載企画「イセタンメンズ スタッフプロフ」。今回は、メンズアテンダントの中でも随一の服好きとして知られ、テーラードクロージングに精通する口元勇輝をご紹介します。

裏原宿でストリートカルチャーやデザイナーズブランドに夢中だった学生時代から、ナポリ仕立てやクラシックに魅せられた現在まで。気づけば三越伊勢丹歴は20年を数え、洋服への情熱と、これまでに培った着こなしの理論を活かした接客により、いまやメンズ館を代表する“メンズアテンダント”となった口元。そんな口元が大切にしているのは、「服よりまず “人”」というスタンス。骨格やカラーの分析を武器に、装いを通して“人生の転機”に寄り添うその接客スタイルに迫る。

 

口元 勇輝(くちもと ゆうき)
伊勢丹新宿店メンズ館 メンズアテンダント
東京生まれ東京育ち。文化服装学院卒業後、スタイリストアシスタントを経て2004年伊勢丹新宿店に入社。ビジネス・テーラードクロージングで経験を積み、インポートセレクト平場での販売、アシスタントバイヤー、アシスタントマネージャーなどを歴任。現在は、メンズ館を横断的にサポートするアテンダントとして活躍中。骨格やカラーの分析結果を活用した論理的な接客に定評があり、バイイング経験に裏打ちされた知識と柔軟な対応力で、信頼を集めている。
 

 

  1. “最短で最適”を導き出す、“論理派アテンダント”の接客力
  2. “匂いのある服”が好き。ナポリ仕立ての<アルフォンソ・シリカ>との出会い
  3. “メンズ館の旦那”を目指して、文化を伝える存在になりたい
  4. メンズアテンダントのご予約はこちら!

 

“最短で最適”を導き出す、“論理派アテンダント”の接客力

テーラードの売場にいるので、昔からスーツやジャケット一筋だったように見えるかもしれませんが、実は学生時代はストリートファッションやデザイナーズブランドにどっぷり浸かっていました。いわゆる裏原世代です。DCブランドを着て、街でスタイルを試してみたり。そんな流れで「やっぱり洋服に関わる仕事がしたい」と思って、伊勢丹新宿店に入りました。自分でいろんなスタイルを経験してきたからこそ、ドレスだけに偏らない提案ができる。カジュアルもモードも話せる販売スタッフは、社内でも案外少ないのではないかと思います。

 

<アルフォンソ・シリカ>
オーダースーツ
*画像は本人私物

 

接客という仕事に自然と惹かれていったのは、実家が街の電気店だったからかもしれません。鹿児島から上京しいまでも現役でお店に立っている父の姿を、小さな頃からずっと見てきました。お客さまが何を求めているのか、どうすれば満足してもらえるのか──そういうことを自然に考えるようになったのは、父の影響が大きいと思います。

 

それに、服好きという話をしたあとでは意外に思われることもありますが、自分の接客スタイルは“理論派”です。骨格スタイル分析®やパーソナルカラー診断、フォーマルコンサルタントなどの資格を活用し、感覚だけでなく、裏付けのあるロジックをベースにお客さまへご提案しています。

 

お買いあげ履歴をもとに、サイズ感や補正内容、既に持っているワードローブの傾向なども把握しながら、「似合う」と「なりたい」のバランスをとっていく。その精度を少しでも高めることを、常に意識しています。

 

最近だと、式典とか記者会見、園遊会のような「特別な場」に向けたご相談が増えています。そんなとき、まずは不安を取り除くことが大切。サイズ、色、TPO……いろんな角度から最適解を導いていく。そうすることで、「これで大丈夫」と安心して当日を迎えていただける。自分の役目はそこにあると感じています。

 

“匂いのある服”が好き。ナポリ仕立ての<アルフォンソ・シリカ>との出会い

アシスタントバイヤーになったばかりのころに出会った、<ALFONSO SIRICA/アルフォンソ・シリカ>は特に思い入れのあるブランドです。当時はまだ知名度もそれほど高くなかったのですが、この独特の匂いのある仕立てに惹かれて、いち早く注目し、ナポリの工房に自ら通い、親交を深めたことで、昨年アルフォンソの息子・ファビオの結婚式にも参列させて頂きました。

 

<アルフォンソシリカ>
コート 553,300円
□伊勢丹新宿店 メンズ館5階 メンズテーラードクロージング
*9月中旬展開予定

 

自分がキャリアを重ねるのと同じように、<アルフォンソ・シリカ>も知られていくようになり、自分にとっては、ある種共に成長を重ねた相棒のようなブランドではないかと思っています。整いすぎていない、このどこか人間味を感じさせるナポリ仕立てらしい雰囲気が好きなんですね。自身のスーツやジャケットはオーダーでお願いしていて、結婚した際のタキシードも同ブランドでオーダーさせて頂きました。

 

“メンズ館の旦那”を目指して、文化を伝える存在になりたい


日本橋三越本店には“女将”という特別な役職の方がいらっしゃるのですが、着物姿で店頭に立たれている姿や、お客さまへの接し方、仕事への向き合い方が本当に素敵なんです。以前、お話を伺わせていただいたことがあって。カテゴリースペシャリストを続けるうちに「メンズ館にも文化を伝える“旦那”のような存在がいてもいいんじゃないか」と感じました。

肩書きがほしいわけではなくて、所作や装い、生き方そのもので信頼を得るような人。そんな存在を、自分なりに目指せたらいいなと思っています。
自分がその役を担うなんて、おこがましいのかもしれません。でも、一人くらい、そういう人間がいてもいいのかなと。

たとえその日、お買い物がなかったとしても、三越伊勢丹を通して「あなたに会えてよかった」と感じていただける。そんな存在を目指したいと語る口元。洋服への深い愛情と、装いに対する理論的なアプローチ、そして接客へのまっすぐな情熱。それらが融合した、口元ならではのアテンダントサービスを、ぜひ一度ご体験ください。

 

メンズアテンダントのご予約はこちら!

伊勢丹新宿店 メンズ館ではコンサルティングサービス、アテンドサービスなど、ご要望に合わせてお客さまのお買物をお手伝いするサービスも充実しています。シーンに合わせたスマートカジュアル、大舞台でのドレスアップした装いなど、お気軽にご相談いただけます。

 

 パーソナルコンサルティングサービス「イセタンメンズ ミート イズム」

 

 

Photograph:Tatsuya Ozawa(Studio Mug)
Text:Shinji Hashimoto

 

*価格はすべて、税込です。

*本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

お問い合わせ
伊勢丹新宿店 メンズ館
電話03-3352-1111 大代表
メールでのお問い合わせはこちら